厚木市上荻野の知的障害者授産施設「紅梅園」の二十代の入所者の女性への脅迫容疑で、元職員が厚木署に逮捕された事件で、施設を運営する社会福祉法人「紅梅会」の菅種雄理事長は二十九日、「被害者と家族には深い心の傷を与えた」と謝罪。その上で、慢性的な人材難のため、職員への指導が不十分だったことなどを明らかにした。 (藤浪繁雄)
紅梅会は一九五四年、鎌倉市内に開設し、六六年に厚木市に移転した。定員八十人の更生施設、同四十七人の授産施設などを運営している。「人としての尊厳を重んじる」などとの理念を掲げて、県などからは“優良施設”とみられていた。
しかし、紅梅会によると近年、深刻な人手不足状態が続き、「(採用基準の)ハードルが下がっていたかもしれない」と明かす。
雇用後の職員への研修も不十分で、採用時に留意点などを伝えるほかは教本などの冊子を配る程度。入所者との接し方も指導はしていなかったという。
さらに、紅梅会の星崎修事務局長は「入所者の『困っている』というサインを見抜けなかったかもしれない。非常勤やパートの職員も含めみんなで問題点を出し合い再発防止策を講じたい」と話している。
知的障害施設の入所者への職員の接し方について、特定非営利活動法人(NPO法人)「湘南ふくしネットワークオンブズマン」の江崎康子事務局長は「人権意識をわきまえて接するべきだ」と指摘。その上で、「当直などで一人の職場は自浄作用を失う。職員間でチェックする機能が必要で、入所者には悩みや相談に乗る人や窓口の存在を伝えてほしい」と訴える。
◇
厚木署によると、逮捕された加茂昭雄容疑者(67)は二〇〇七年十二月に退職したが、今年一月まで女性と毎週のように会い、性的関係や金銭を強要したという。また紅梅会によると、授産施設のパート職員だった男(66)=今月五日付で懲戒解雇=はこの女性の下半身を触るなどしていた。男と女性側とは示談が成立したというが、女性は精神的不安が大きく、すでに別の施設に移ったという。
紅梅会は一九五四年、鎌倉市内に開設し、六六年に厚木市に移転した。定員八十人の更生施設、同四十七人の授産施設などを運営している。「人としての尊厳を重んじる」などとの理念を掲げて、県などからは“優良施設”とみられていた。
しかし、紅梅会によると近年、深刻な人手不足状態が続き、「(採用基準の)ハードルが下がっていたかもしれない」と明かす。
雇用後の職員への研修も不十分で、採用時に留意点などを伝えるほかは教本などの冊子を配る程度。入所者との接し方も指導はしていなかったという。
さらに、紅梅会の星崎修事務局長は「入所者の『困っている』というサインを見抜けなかったかもしれない。非常勤やパートの職員も含めみんなで問題点を出し合い再発防止策を講じたい」と話している。
知的障害施設の入所者への職員の接し方について、特定非営利活動法人(NPO法人)「湘南ふくしネットワークオンブズマン」の江崎康子事務局長は「人権意識をわきまえて接するべきだ」と指摘。その上で、「当直などで一人の職場は自浄作用を失う。職員間でチェックする機能が必要で、入所者には悩みや相談に乗る人や窓口の存在を伝えてほしい」と訴える。
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厚木署によると、逮捕された加茂昭雄容疑者(67)は二〇〇七年十二月に退職したが、今年一月まで女性と毎週のように会い、性的関係や金銭を強要したという。また紅梅会によると、授産施設のパート職員だった男(66)=今月五日付で懲戒解雇=はこの女性の下半身を触るなどしていた。男と女性側とは示談が成立したというが、女性は精神的不安が大きく、すでに別の施設に移ったという。