障害者団体向けの「低料第3種郵便物」制度がダイレクトメール(DM)広告の郵送に悪用されていた問題で、被害者である郵便事業会社(JP日本郵便)が制度を悪用していた団体側に計49億円を請求していることが分かった。正規料金との差額で一団体あたり約1億~7億円。だが、請求額は仕組み上最も少なく見積もられたもので、悪用の実態の半分程度にすぎず、識者から疑問の声があがっている。
日本郵便は「明確に不足した郵便料金額を現時点で請求した」と説明するが、実態に即して請求するかどうかについては「答えられない」としている。
この問題の調査を続けていた同社は昨年末、07年4月~08年10月に17団体が制度を悪用し、計約1億4800万通のDMが郵送されていたと発表。この期間の制度利用の約8割が悪用だったことを明らかにした。
今回、日本郵便はこのうちの16団体に対して正規料金との差額を請求。ただ、差額は日本郵便側の被害の回収額が最も小さくなるように算出した。実態に合った逸失額を算出すれば、悪用していた団体に約2倍の支払いを請求できることになる。
第3種の制度は、障害者団体の定期刊行物を有償購読する支援者や家族に格安で郵送するための福祉制度。事業の赤字は一般の郵便利用者の負担で支えられている。日本郵政は、国が100%の株を所有している。
〈NPO法人「株主オンブズマン」事務局長の松丸正弁護士の話〉国民からすれば、日本郵便は被害を受けた実際の郵便料金との差額をそのまま請求するのが当たり前だ。本来請求できる金額を合理的な理由もなく放棄することは通常ではあり得ない。
日本郵便は「明確に不足した郵便料金額を現時点で請求した」と説明するが、実態に即して請求するかどうかについては「答えられない」としている。
この問題の調査を続けていた同社は昨年末、07年4月~08年10月に17団体が制度を悪用し、計約1億4800万通のDMが郵送されていたと発表。この期間の制度利用の約8割が悪用だったことを明らかにした。
今回、日本郵便はこのうちの16団体に対して正規料金との差額を請求。ただ、差額は日本郵便側の被害の回収額が最も小さくなるように算出した。実態に合った逸失額を算出すれば、悪用していた団体に約2倍の支払いを請求できることになる。
第3種の制度は、障害者団体の定期刊行物を有償購読する支援者や家族に格安で郵送するための福祉制度。事業の赤字は一般の郵便利用者の負担で支えられている。日本郵政は、国が100%の株を所有している。
〈NPO法人「株主オンブズマン」事務局長の松丸正弁護士の話〉国民からすれば、日本郵便は被害を受けた実際の郵便料金との差額をそのまま請求するのが当たり前だ。本来請求できる金額を合理的な理由もなく放棄することは通常ではあり得ない。