ゴエモンのつぶやき

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[虚診・聴覚障害偽装事件]「患者」の急増、行政放置

2009年06月22日 23時47分21秒 | 障害者の自立
芦別市、2000年に指摘 道4年対応せず 机上の認定、詐取温床に
 耳がほとんど聞こえない「全ろう」の障害者に発行された約8000冊の身体障害者手帳のうち、877冊は、たった一人の医師の診断書に基づいていた。虚偽診断が見過ごされた結果、障害年金の不正受給から税金の減免まで、詐取された公金は総額で10億円余に上る。道内では、昨年も滝川市で巨額の生活保護費が詐取される事件が摘発されたばかり。なぜ社会保障費ばかりが狙われるのか。福祉行政の対応を検証した。

 「あれ、どうして声が聞こえたんだろう」

 芦別市で1999年頃、福祉担当だった職員は、身体障害者手帳の交付手続きで順番待ちをしていた申請者を呼び出そうと、つい声をかけてしまった。

 相手は、聴覚障害のある申請者。「しまった」と思ったが、次の瞬間、相手の反応に驚いた。「全ろう」のはずが、名前を呼ばれて振り返ったからだ。

 書類に不備はなかったため、申請は受理したものの、「どうやって医師の診断書を手に入れたのか」と不思議だった。その後も、不自然な聴覚障害の手帳申請者が増え続け、診断書を作成した医師に目が止まった。

 そこには、札幌市の耳鼻咽喉(いんこう)科医、前田幸アキ(よしあき)容疑者(74)(詐欺容疑などで逮捕)の名前が記されていた。


 芦別市のこの職員は2000年、道の福祉担当者の会議で「普通に会話ができる『全ろう』患者が大勢、市の窓口に申請に訪れている。異常事態だ」などと報告した。しかし、道側から具体的な反応はなく、そのまま問題は放置された。

 前田容疑者が作成した虚偽診断書による申請がピークを迎えたのは04年頃。年間150件と際立っていた。芦別市だけでなく、道内の7市町村が不審な申請に気付いていたが、通報に接した16人の道職員は問題を深刻に受け止めなかった。他の自治体に注意喚起をすることはなく、後任にも引き継いでいなかったという。

 道がやっと重い腰を上げたのは同年12月。福島町からたびたび相談を受けた渡島支庁からの報告で、前田容疑者の診断書に問題があることが判明。05年2月に各自治体に注意喚起した。 しかし、申請窓口の自治体では、診断書に不備がなければ申請を受理せざるを得ない。「診断書は絶対的なもの。医師を疑うわけにいかない」「おかしいと思っても、診断書があれば覆せない」。自治体の担当者らはそう指摘する。

 結局、道の注意喚起も、受理の凍結など具体的な対策が徹底されなかったため、その後も虚偽診断書をもとに61冊の手帳が発行されていた。こうした点について、道障害者保健福祉課では、「検証していないのでわからない」としている。


 「市は当然すべきことをしていなかった」。滝川市が06~07年、元暴力団員の男らに2億円超の生活保護費などを詐取された事件。事件を検証した第三者委員会が指摘したのは、医師の診断の前に無力だった、同市の対応だ。

 同市が高額のタクシー料金を給付し続けたのは、「札幌への通院が必要」とする医師の診断があったからだった。市は、その後の内部調査でも「医師の見解に反することは困難だった」としたが、市とは別に調査を行った第三者委は、具体的な病状調査などを行っていれば無駄な出費は回避できたと指摘した。

 「今回の聴覚障害偽装事件も構図は同じ」。そう指摘するのは、社団法人「北海道ろうあ連盟」事務局長の石澤美和子さん。「机上で判断していなければ被害は防げたはずで、行政の悪い面が出た。これでは本当の障害者たちが手帳を使いづらくなった」と事件の影響を懸念する。

 社会保障は、審査を厳格化すれば支援が必要な人たちにサービスが行き届かなくなる恐れがある。逆に審査が甘すぎれば、犯罪を呼び込む懸念も生じる。社会保障の「質」を落とさずに、犯罪の拡大を防ぐ手立てはあったはずで、公金の詐取を見過ごしてきた行政は、単純に被害者だったとは言えない。

 今回の事件が突きつけた教訓は、あまりにも重い。


遺棄男性の障害年金盗む、容疑者「遺体焼いた」

2009年06月22日 23時43分24秒 | 障害者の自立
 福岡県前原市の空き地で5月、住所不詳、無職田中春雄さん(当時55歳)の焼かれた遺体が見つかった事件で、田中さんの預金口座から障害者年金を引き出したとして窃盗容疑で逮捕された男(25)が「田中さんの遺体を車で空き地に運び、ガソリンをかけて焼いた」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。

 田中さんは、この男に付き添われて病院を退院した後、行方不明になったとみられ、県警前原署の捜査本部は、田中さんが死亡した経緯についても事情を聞く。

 捜査関係者によると、男は福岡市東区に住んでおり、田中さんと付き合いがあったという。田中さんの預金口座には今月15日、障害者年金十数万円が振り込まれたが、男は同日、同市内の現金自動預け払い機(ATM)から、年金を勝手に引き出した疑いで、21日に逮捕された。男は金を引き出したことを認めているという。

 田中さんは2007年12月から今年3月中旬まで筑豊地区の病院に入院。捜査本部は、この男が度々面会に訪れ、田中さんの退院手続きなどを手伝っていたことを把握している。

 田中さんの入院先には、別の男が借金の取り立てに来ていたことも確認されており、県警は男の供述の裏付けを進める一方、遺体の遺棄を手伝った人物の有無についても調べを進めている。


障害者差別禁止条例制定を目指しシンポ

2009年06月22日 23時41分42秒 | 障害者の自立
 第26回県聴覚障害者大会(県聴覚障害者協会主催、読売光と愛の事業団中部支部後援)が21日、名古屋市中区の東別院ホールで開かれ、県内の聴覚障害者ら300人が参加した。

 大会では「愛知県障害者差別禁止条例の制定を目指して」と題したシンポジウムが行われ、パネリストとして、全日本ろうあ連盟の石野富志三郎理事長、愛知盲ろう者友の会の上野正彦副会長らと共に、読売新聞中部支社の館林千賀子記者が出席した。

 同条例は、2006年に国連で採択された、障害がある人がほかの人と同じ人権を享受することを認める「障害者権利条約」を受けたもの。障害者差別の禁止を目的としており、県内の障害者団体が中心となり原案を策定、県議会各会派に提案するなどしている。全国では、千葉県と北海道で同種の条例が制定された。

 シンポジウムで館林記者は、「介助犬を同伴して働く権利」と題し、就職筆記試験に介助犬の同伴が認められなかった事例を挙げ、「条例の制定によって障害のある人の働く機会の保障が広がることを期待する」と話した。


障害者就業の新形態紹介

2009年06月22日 23時39分09秒 | 障害者の自立
「ソーシャルファーム」セミナー厚木 

障害者などの新しい就業形態として注目を集める「ソーシャルファーム」をテーマとしたセミナーが21日、厚木市中町の市ヤングコミュニティセンターで開かれた。

 ソーシャルファームは、1970年代にヨーロッパで生まれた概念で、障害者や高齢者、若年無業者(ニート)らを専門に雇用する企業や団体を指す。健常者の従業員が協力して企画から営業、商品管理まで通常の企業活動を行うのが特徴。

 セミナーは、県内での普及を目指す「神奈川ソーシャルインクルージョン推進機構」などが主催し、障害者団体や企業関係者約50人が参加。同機構の阿部寛代表や上野容子・東京家政大教授らが、障害者雇用の実態や成功例を紹介した。

 昨年12月に発足した支援組織「ソーシャルファームジャパン」理事長の炭谷茂・学習院大特別客員教授は、愛知県西尾市の知的障害者施設の事例を挙げ、同市の企業の社員食堂から排出される食べ残しの処理を受託し、堆肥(たいひ)にして農家に販売し、収益を上げていることを説明した。


障害者の解雇/再就職支援に万全期そう 

2009年06月22日 23時37分50秒 | 障害者の自立
  企業から解雇された障害者の数が2008年度、全国で前年度比82%増の2774人に上った。厚生労働省の集計によると6年ぶりの高水準という。
 これも空前の不況の影響だろう。もちろん障害者だけが雇用悪化の嵐にさらされているわけでもない。だからと言って、放置していい事態ではない。

 障害者の安定雇用や自立支援を進めるのは社会の責務だ。最も弱い部分にまで景気悪化のしわ寄せが及ぶようでは、社会の安心は保てない。国や自治体は、緊急雇用対策で決まった就労支援策をしっかり実施して再就職をサポートしてほしい。
 解雇数は、昨年度下半期分だけで全体の7割を超えている。事業縮小が理由の6割だ。昨秋以降の企業の業績悪化による人員整理が要因とみられる。

 都道府県別では、東京、大阪などの大都市や、製造業が集まる地域での伸びが目立つ。東北でも全県が増加している。山形の80人を最高に、福島70人、宮城と秋田が61人、岩手59人、青森40人。6県の総計は前年度の2.7倍に達する。
 一方、昨年度ハローワークを通じて就職した障害者は、全国で2.4%減の約4万4400人。7年ぶりのマイナスとなった。就職率は37.1%という厳しさだ。

 意欲のある障害者が普通に働いて報酬を得ることは、本人だけではなく、周囲の同僚や雇用主にとっても意味がある。それが、社会全体の健全性につながるという合意があるからだ。
 09年版の「障害者白書」は、「ノーマライゼーションの実現には、職業を通じた障害者の社会参加が基本」と方向性を示した上で、「就労支援は、質・量ともに一層の強化を図る必要がある」と指摘している。

 民間企業の障害者雇用率は昨年の全国平均が1.59%。法定雇用率の1.8%は未達成だが、ここ数年は漸増傾向が続いている。雇用促進の流れが、不況で後ずさりしてしまうことのないよう早急に手を打つべきだ。
 企業側の採用動機を高める優遇策とともに、障害者の働く意欲を引き出す施策も要る。国の緊急雇用対策では、企業への雇用調整助成金の助成率引き上げ、障害者が就労経験を積む「チャレンジ雇用」の拡大、ハローワークの障害者専門支援員の増員などが打ち出されている。

 実施にあたっては、地域の就労支援機関が連携し、障害者それぞれのケースに応じたきめ細かい対応が求められる。
 一方、法定雇用率に満たない企業から一定額を徴収する障害者雇用納付金制度の対象が、来年7月から拡大されることも決まっている。中小企業は各種の支援策を有効に使い、障害者の安定雇用に向けた体質強化を図る契機にしてほしい。