「長野で精いっぱい頑張る。福島の皆さんもくじけないで」。東日本大震災で被災した福島県相馬市の障害者支援施設「ふきのとう苑」から重度障害者10人が、小諸市柏木の同施設「やまびこ園」(佐藤正雄園長)に避難し、22日から生活を始めた。帰れる見通しもないまま故郷を離れざるをえなかった要援護者たちだが、温かい食事と同園職員の支援を得て、ほっとした表情を見せた。
「ふきのとう苑」は倒壊は免れたが、窓ガラスが割れて壁に亀裂が入るなど大きな被害をこうむり、水道やガスも使えない状態。隣の南相馬市でも協力病院の医師らが福島第1原発の事故で全員避難して医療支援が受けられないため、近県での受け入れを要請した。
全国社会福祉協議会などの調査に、12床分の増築をした同園が受け入れを承諾。21日に佐藤園長と看護師ら8人がバス2台で相馬市に迎えに行った。10人は80~40代の男女で、人工呼吸器を使っていたり、意思疎通ができなかったり、移動などで全介助が必要な最重度者だという。
脊椎(せきつい)損傷で両足が不自由な半杭(はんぐい)智正さん(59)は「親戚の家も倒壊した。断水で歯磨き、うがいもできず困った。数日で食糧が底をつき、車の燃料がなく配送も受けられなかった」と苦労を語り、「長野の皆さんに勇気づけられ、元気になれます」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。佐藤園長は「施設の復旧や原発被害の沈静化までは時間がかかる。十分なお世話をしたい」と話している。
毎日新聞 2011年3月24日 地方版
「ふきのとう苑」は倒壊は免れたが、窓ガラスが割れて壁に亀裂が入るなど大きな被害をこうむり、水道やガスも使えない状態。隣の南相馬市でも協力病院の医師らが福島第1原発の事故で全員避難して医療支援が受けられないため、近県での受け入れを要請した。
全国社会福祉協議会などの調査に、12床分の増築をした同園が受け入れを承諾。21日に佐藤園長と看護師ら8人がバス2台で相馬市に迎えに行った。10人は80~40代の男女で、人工呼吸器を使っていたり、意思疎通ができなかったり、移動などで全介助が必要な最重度者だという。
脊椎(せきつい)損傷で両足が不自由な半杭(はんぐい)智正さん(59)は「親戚の家も倒壊した。断水で歯磨き、うがいもできず困った。数日で食糧が底をつき、車の燃料がなく配送も受けられなかった」と苦労を語り、「長野の皆さんに勇気づけられ、元気になれます」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。佐藤園長は「施設の復旧や原発被害の沈静化までは時間がかかる。十分なお世話をしたい」と話している。
毎日新聞 2011年3月24日 地方版