◇郡山活動拠点のD/FLAVOR、迫力ある舞台披露
「ダンスを通じて福島が元気だと伝えたい」。川崎市川崎区のクラブチッタで3日、聴覚障害者らがダンスや手話による歌を披露するイベント「D’LIVE」が開催され、福島県を拠点に活動するダンスグループ「D/FLAVOR」が出演した。東京電力福島第1原発の事故で思うように練習できない日が続いたが、満員の観客約600人を前に、メンバーは迫力あるステージを披露した。
「震災後、苦しいことも多かったが、それに負けない気持ちで頑張ってきた。福島のためにダンスを通してみんなと笑顔になれたら」。静まり返ったステージでメンバーの榊枝純一さん(30)=同県玉川村=が手話で語りかけた。その直後、一転してヒップホップの激しいビートが流れ、6人は息のあったダンスを繰り広げた。
グループは07年に結成され、同県郡山市を拠点に活動。6人のメンバーのうち3人は聴覚に障害があり、体で音を感じたり、他のメンバーにタイミングを教えてもらいながら踊っている。震災で避難が必要なメンバーはいなかったが、安斎久人さん(31)=二本松市=は「当初はテレビでも手話通訳がなく情報が入らず不安だった」と振り返る。
練習を再開できたのは5月中旬。生活はもとに戻りつつあるが、郡山市は県内でも空間放射線量が高く、以前のように野外で練習することは控えている。
活動再開後は全国でチャリティーイベントに呼ばれることが増えた。それぞれ仕事の合間を縫っての活動だが、榊枝さんは「自分たちができることをやっていくことが大切。障害の有無に関係なくダンスの楽しさを知ってほしい」と訴える。
イベントは障害者の運転免許取得に力を入れる自動車教習所「コヤマドライビングスクール」(東京都)が主催し、8回目の今年は15グループが出演。収益は被災地の聴覚障害者支援団体などに寄付するという。
毎日新聞 2011年12月4日 地方版
「ダンスを通じて福島が元気だと伝えたい」。川崎市川崎区のクラブチッタで3日、聴覚障害者らがダンスや手話による歌を披露するイベント「D’LIVE」が開催され、福島県を拠点に活動するダンスグループ「D/FLAVOR」が出演した。東京電力福島第1原発の事故で思うように練習できない日が続いたが、満員の観客約600人を前に、メンバーは迫力あるステージを披露した。
「震災後、苦しいことも多かったが、それに負けない気持ちで頑張ってきた。福島のためにダンスを通してみんなと笑顔になれたら」。静まり返ったステージでメンバーの榊枝純一さん(30)=同県玉川村=が手話で語りかけた。その直後、一転してヒップホップの激しいビートが流れ、6人は息のあったダンスを繰り広げた。
グループは07年に結成され、同県郡山市を拠点に活動。6人のメンバーのうち3人は聴覚に障害があり、体で音を感じたり、他のメンバーにタイミングを教えてもらいながら踊っている。震災で避難が必要なメンバーはいなかったが、安斎久人さん(31)=二本松市=は「当初はテレビでも手話通訳がなく情報が入らず不安だった」と振り返る。
練習を再開できたのは5月中旬。生活はもとに戻りつつあるが、郡山市は県内でも空間放射線量が高く、以前のように野外で練習することは控えている。
活動再開後は全国でチャリティーイベントに呼ばれることが増えた。それぞれ仕事の合間を縫っての活動だが、榊枝さんは「自分たちができることをやっていくことが大切。障害の有無に関係なくダンスの楽しさを知ってほしい」と訴える。
イベントは障害者の運転免許取得に力を入れる自動車教習所「コヤマドライビングスクール」(東京都)が主催し、8回目の今年は15グループが出演。収益は被災地の聴覚障害者支援団体などに寄付するという。
毎日新聞 2011年12月4日 地方版