■特別仕様車でドライブ■
宇治の会社と車両メーカー、共同開発
車に乗り込んでそのまま運転できる電動車いすを宇治市の製造会社「アローワン」が開発した。埼玉県の福祉車両メーカーの特別仕様車と組み合わせることで、重度の身体障害者が1人で運転できる道が開けてきた。
先天性の病気で歩くことができない愛知県岡崎市の会社員小林寛男(のりお)さん(38)が3年前に要望したのがきっかけだった。はじめに、棒状のコントローラー(ジョイスティック)一つで乗用車を運転する装置を研究していた福祉車両メーカー「ニッシン自動車工業」(埼玉県加須市)に相談した。だが、市販の電動車いすでは座面の高さや安全性に問題があった。
そこで、特殊な車いすを作っていたアローワンの経営者、西平哲也さん(60)に声をかけた。
西平さんは、病気の弟のために電動車いすを作り、弟の死後も障害に合わせた車いすを作り続けていた。「障害者の人に自動車で外出する喜びを味わってほしい」と製作を開始。座席の高さを35センチまで下げ、急ブレーキでも座席が固定されるよう工夫した。
今年になって、ニッシンも運転席のジョイスティックでハンドルやアクセル、ブレーキを操縦できる装置を国内で初めて開発。国の認可を得た。両社の技術の融合により、自動車の後部から車いすのまま乗り込み、運転席に固定して運転する仕組みが完成した。
近く納車される予定の小林さんは「車で全国を回りたい」と楽しみにしている。

電動車いすに乗ったまま車の運転席まで移動でき、そのまま車を運転できる=東京都江東区、アローワン提供
朝日新聞-2012年10月14日
宇治の会社と車両メーカー、共同開発
車に乗り込んでそのまま運転できる電動車いすを宇治市の製造会社「アローワン」が開発した。埼玉県の福祉車両メーカーの特別仕様車と組み合わせることで、重度の身体障害者が1人で運転できる道が開けてきた。
先天性の病気で歩くことができない愛知県岡崎市の会社員小林寛男(のりお)さん(38)が3年前に要望したのがきっかけだった。はじめに、棒状のコントローラー(ジョイスティック)一つで乗用車を運転する装置を研究していた福祉車両メーカー「ニッシン自動車工業」(埼玉県加須市)に相談した。だが、市販の電動車いすでは座面の高さや安全性に問題があった。
そこで、特殊な車いすを作っていたアローワンの経営者、西平哲也さん(60)に声をかけた。
西平さんは、病気の弟のために電動車いすを作り、弟の死後も障害に合わせた車いすを作り続けていた。「障害者の人に自動車で外出する喜びを味わってほしい」と製作を開始。座席の高さを35センチまで下げ、急ブレーキでも座席が固定されるよう工夫した。
今年になって、ニッシンも運転席のジョイスティックでハンドルやアクセル、ブレーキを操縦できる装置を国内で初めて開発。国の認可を得た。両社の技術の融合により、自動車の後部から車いすのまま乗り込み、運転席に固定して運転する仕組みが完成した。
近く納車される予定の小林さんは「車で全国を回りたい」と楽しみにしている。

電動車いすに乗ったまま車の運転席まで移動でき、そのまま車を運転できる=東京都江東区、アローワン提供
朝日新聞-2012年10月14日