ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

ロービジョンの人のウェブ利用

2012年10月17日 02時46分06秒 | 障害者の自立
「視覚障害者=全盲」ではない

皆さんは「ロービジョン」という言葉をご存知でしょうか?

ロービジョンとは、「メガネやコンタクトレンズで矯正しても十分な視力が得られず、生活や学習、仕事で不便を感じる状態」を指す言葉です。長い間「弱視」と呼ばれていましたが、医学的な弱視と区別するために「ロービジョン」という言葉を使っています。視覚障害の1種です。

実は、日本にはロービジョンの人がたくさんいます。「平成18年身体障害児・者実態調査(厚生労働省)」によると、視覚障害者31万人のうち、6割強にあたるおよそ19万人がロービジョンとされています(障害等級のうち全盲を表す1級以外の人の数を合計したものです。1級でロービジョンの方もいますので、一番少なく見積もって19万人ということになります)。また、日本眼科医会の調査結果(PDF)によると、「よい方の矯正視力が0.1以上0.5以下」の人は144万9,000人、「よい方の矯正視力が0.1以下」の人は18万8,000人となっています。

私もロービジョンです。現在の視力は矯正して0.03。どんなに分厚いメガネをかけても、どんな最先端のコンタクトレンズを入れても、視力はこれ以上上がりません。子供のころは0.01程度の視力でしたが、何度か角膜移植と拒絶反応を繰り返して今の視力に落ち着いています。

ロービジョン者の見え方

「まったく見えないわけじゃないってことは、少しは見えてるんだよね。どんなふうに見えてるの?」

ロービジョンの人の見え方は実にさまざまです。まさに十人十色。また一人のロービジョン者でも、天気や体調、照明の明るさや位置などによっても見え方は変わってきます。でも単に「人によって違う」とだけ言われてもどうしていいかわからないと思いますので、代表的な見え方を4つご紹介します。
ぼやける 全体的にぼやっとして見える。物の輪郭や境界線がはっきりしない。私自身、このような見え方をしています。ちょっとした段差が見えなかったり、電柱の影を溝と見間違えたりします。街などで友人や芸能人がいても気づかずに素通りしてしまうことが多いです。 まぶしい・暗い 夏の晴れた日のようにまぶしいのが苦手、あるいは夜道やガード下のように暗いのが苦手という状態です。 視野狭窄(しやきょうさく) 物の見える範囲を視野といいます。視野狭窄はこの視野が狭い状態です。ストローや5円玉の穴からのぞいているような狭い範囲しか見えない人もいます。 中心暗点 視野のうち真ん中部分が見えない状態です。ドーナツの輪のような領域で物を見ていたり、もっとまだらな領域で見ている場合もあります。
視覚障害者のための補助具を取り扱っている株式会社アイベルさんのウェブサイトでは、ロービジョンとは?のページで、ロービジョンの人の見え方をシミュレーション写真で紹介していますので、ご参照ください。

ロービジョン者のウェブ利用環境

ロービジョンの人は、パソコンの設定を自分が見やすい文字の大きさや色に変更して使っています。あるいは「画面拡大ソフト」をインストールして使っている場合もあります。私はパソコンを2台持っていますが、Windows 7マシンでは「拡大鏡」というソフト(最初からインストールされているもので、皆さんのパソコンにも入っています)を使い、Windows XPマシンには「ZoomText」という市販のソフトをインストールして使っています。

Windowsの設定を変更して使用する

Windowsには視覚や聴覚、手などに障害のある人の使用を補助する機能があります。例えば、
メニューバーの文字やショートカットアイコンを大きくする(ロービジョン向け)
Windowsからの注意や警告を促す音を、視覚的なものに置き換える(聴覚障害者向け)
マウスをキーボードで操作できるようにする(手が不自由でマウスが操作できない場合)

などをコントロールパネルから設定することができます。

ロービジョンの場合、ディスプレイに表示されたアイコンや文字を見やすくするために、
文字色と背景色のコントラストを向上させる「ハイコントラスト」
メニューバーの文字やショートカットアイコンを大きくする
マウスポインタやカーソルの大きさや色を見やすいように設定する
重なったウィンドウの境界線をくっきり表示する

などの設定を行うことができます。

画面拡大ソフトを使う

上記のような設定を行っても十分見やすくならない場合、画面拡大ソフトを使用します。

拡大鏡

拡大鏡は、Windowsのユーザー補助機能の一つです。最初からインストールされているので、皆さんがお使いのパソコンにも入っています。このソフトはWindows7で大幅に改良されました。私も普段、自宅のWindows7マシンではこのソフトを使って画面を4倍に拡大し、さらに色を反転して黒い背景に白い文字で表示させています。下の写真は、上記の表示方法でYahoo!ウェブサイトのロゴを表示させたものです。横幅500ピクセル、高さ250ピクセルの領域ではロゴが半分も表示できません。

ZoomText

ZoomTextは市販の画面拡大ソフトです。AI Squaredが開発しており、日本ではNECが販売やサポートを行っています。私もノートパソコン(Windows XP)に入れて、もう10年以上愛用しています。

ウェブ利用で不便を感じるシーン

私が普段、仕事や趣味でウェブを使う中で、「不便だな」と感じるシーンをご紹介していきます。

不十分なコントラスト

文字の色と背景色のコントラストが不十分な場合、文字を判読しづらくなります。そのようなウェブサイトを使うとき、私はブラウザで文字サイズを大きくしたり、CSSで指定された色を無視してページを表示させるようにしています。

文字色と背景色のコントラストについては、以下のコラムで紹介していますので、興味をお持ちの方はご覧ください。。
文字色が#666のときに背景色として使える色24色のまとめ
文字色が#333のときに背景色として使える色90色のまとめ
文字色が黒のときに背景色として使える色141色のまとめ
背景色が白のときに前景色として使える色78色のまとめ


複雑なマウス操作を要求されるコンテンツ

ドロップダウンメニューのようにマウスを乗せた時だけ表示されるものを操作するのは難しいです。また動画コンテンツで流れるテロップのように、動く文字を読むのはとても苦労します。

小さなアイコンだけのリンク

これはスマートフォンやタブレットが普及してきたことによるものだと思われますが、アイコンだけのリンクが増えています。先ほど「ロービジョンの人は自分が見やすいように文字の大きさや色を調整している」と書きましたが、たとえ画面を拡大していたとしても、このような小さなアイコンに気付いて、機能を理解し、クリックするのはなかなか難しいのです。

ロービジョン者へのアクセシビリティ

このように、ロービジョンの人は自分の見え方を熟知していて、それぞれの状態に応じた工夫をしてウェブを利用しています。これは紙にはできない、ウェブというメディアの大きな特徴の一つといえます。しかし、ウェブサイトを制作するときに文字の大きさや色を固定してしまうと、ユーザーは自分が見やすいようにカスタマイズできなくなってしまい、見づらいサイトを我慢して使わなくてはなりません。あるいはもっと見やすいほかのサイトへ移動してしまいます。

ロービジョンの人にも使いやすいウェブサイトを創るには、「ユーザーがそれぞれの状況に応じて行うカスタマイズを邪魔しない」ことが大切です。文字サイズをユーザーが変更できるようにする、JavaScriptをオフにしても同じ目的を達成できるようにして、JavaScriptのオン・オフをユーザーに任せるなど、ウェブサイトの表示のさせ方や使い方を、ユーザーにゆだねることが大切なのです。

Web担当者Forum- 2012/10/17(水) 01:49

NPO法人文福(8) 1%の楽しさがある

2012年10月17日 02時40分58秒 | 障害者の自立

 介護・介助の仕事に限らず、人が定着しづらい職場では、長期的なミッション(使命)の達成は難しいし、その分野の成熟も遅れてしまう-。障害者の自立を目指すNPOで事務を担当する筆者の仕事論は、職種を超えて共感を呼びます。


 仕事というものは、どんな仕事でも99%はしんどいばかりで、ごくまれにある、ちょっと楽しいことのために続けられると思っている。皆さんはどうですか?


 一年ほど前、介護の世界では高名な方の講演を聞いた。その中で講師が言ったことだが、「介護の職場は慢性的に人手不足。職場環境に不満があったり、万一、事業所が無くなったら、次の場所に移ればいいんですよ」。


 困ったことをおっしゃる。確かに人手不足の業種ではあるけれど、それで労働力の流動性の高さを正当化されて良いものか。


 人が次々と変わるような事態は、労働力のレベルの不安定につながり、長期的な展望での職場環境の整備が困難になる。流動化の最大の原因の一つであろう給与水準の引き上げも、難しくなる。


 福祉の職場は、政治の状況で左右される。制度がひとつ変われば、経営基盤にも影響が出る。そのような将来の見えない場所でいつまで働けるか。悪循環が常にある職場だ。


 また、企業には個々の文化がある。ましてNPOは、まず「ミッションありき」。いずれも長い時間をかけて育て、達成される。


 労働者の長いリレーなくして達成は難しく、労働者の激しい入れ替わりは、企業文化がリセットされ続けることを意味する。それは同時に福祉の世界の成熟の妨げになるのではないだろうか。介護の事業所といっても、会社であるからには介護以外の職種の人(事務ですね)もいるだろう。事業所に何か起きた場合、介護の資格があれば転職はたやすいかもしれないが、そうでない人はどうなるのか。主業務だけでなく、企業全体を見渡すことが経営者には必要だ。


 さて、文福の仕事も、99%のしんどさと1%の楽しさでできているが、ちょっと自慢できるのは「上司が全員車椅子利用者」。こんな会社はあまりない。


「上司が全員車椅子利用者」の企業のバイト募集ポスター。もちろん常勤職員を目指す人も募集中

 (NPO法人文福・堀田正美)

中日新聞-2012年10月16日

宝塚市職員・大西さん、広報誌に特集 啓発活動を紹介、障害者に希望を /兵庫

2012年10月17日 02時38分17秒 | 障害者の自立
 宝塚市の広報誌「広報たからづか」10月号で身体障害者補助犬の特集が掲載された。取材と執筆を担当したのは入庁1年目の大西喜子さん。今月で施行から10年を迎えた身体障害者補助犬法も紹介しており、大西さんは「補助犬は障害がある人の希望になる。今後も情報発信したい」と笑顔で話す。

 大西さんは小野市出身。小学校の教師で養護学校にも勤務した母恵美さん(54)から福祉や人権について教わった。大学2年の時、自宅にあった「介助犬シンシア」(毎日新聞社)を読み、宝塚市のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(52)がシンシアと電車に乗るだけでも苦労したことを知った。就職活動では「シンシアのまち」として福祉に力を入れている宝塚市を志望し、採用された。

 広報課の先輩の勧めもあり、補助犬特集の担当に選ばれた。5月に愛知県長久手市の介助犬訓練施設「シンシアの丘」を取材。介助犬との合同訓練を終えた女性に心の変化を聞くと「就職や、免許を取って頑張ろうという気になれた」と答えてくれた。その言葉が心に残り、特集の書き出しは「君がいたから、諦めていたことに もう一度チャレンジしてみようという気になった」とつづった。

 8月下旬から取材を本格的させ、木村さんと介助犬エルモの1日を表にし、啓発を続ける「宝塚補助犬支援の会」の活動も紹介した。大西さんは「シンシアがいなかったら宝塚市に来ていなかった。これからも補助犬に関わりたい」と話している。

毎日新聞 2012年10月16日〔阪神版〕

熱戦に幕 県勢メダル最多184個

2012年10月17日 02時33分54秒 | 障害者の自立
 感動と希望をありがとう――。第12回全国障害者スポーツ大会「ぎふ清流大会」は最終日の15日、陸上など6競技が行われ、3日間の熱戦に幕を下ろした。県勢が獲得したメダルは過去最多の計184個(金79、銀54、銅51)。岐阜市の長良川競技場では閉会式が行われ、観客約5600人が選手の健闘をたたえた。

 高円宮妃久子さまをお迎えして行われた閉会式には、選手ら約5000人が参加。久子さまは「日頃の練習の成果を存分に発揮されました。今後も、一人でも多くの障害者がスポーツを楽しみ、充実した毎日を送られることを期待します」とあいさつされた。

 選手を見守った炬火(きょか)が消された後、来年の開催地・東京都の安藤立美副知事に古田肇知事から大会旗が引き継がれた。県出身で「飛騨・美濃観光大使」のレゲエデュオ「MEGARYU(メガリュウ)」のステージでは選手も一緒になって盛り上がり、終了後には、退場する全国の選手らを県選手団が笑顔で見送った。

 閉会式後には解団式も行われ、県選手団長の松井逸朗・県障害者スポーツ協会長が「大会を機に盛り上がったスポーツへの意欲を維持し、次の選手を育てていきたい」と述べた。

 閉会式後の記者会見で、古田知事は「大会の取り組みを一過性で終わらせず、生かしたい」と、障害者に優しい地域づくりを進める考えを強調。「ぎふ清流国体・大会で培われた地域の絆や経験といった貴重な財産を、次の世代に引き継ぎたい」と述べた。


閉会式で、退場する各地の選手団を見送る岐阜県選手団(15日、岐阜市の長良川競技場で)

(2012年10月16日 読売新聞)

紙幣サイズ変更・雇用確保 視覚障害者が要請

2012年10月17日 02時17分17秒 | 障害者の自立
 視覚障害者の平等な暮らしと社会参加推進を求める41団体でつくる「手をつなごう全ての視覚障害者全国集会」は15日、財務省や厚生労働省、東武鉄道などに対し要請行動をしました。

 田中章治代表は、医療機関で弱視の人に対する診療相談などを行う「ロービジョンケア」が4月から診療報酬化された成果にふれ「繰り返し要求することで実現する。がんばりましょう」と行動参加者に呼びかけました。

 財務省では、福祉や就労問題について要請。視覚障害者が紙幣の種類を識別できるようにサイズや材質に変化をつけることを求めました。参加者は、二千円札と五千円札のサイズが同じで、マッサージの客からだまされることもあると告発しました。紙幣のサイズ変更に伴う現金自動預払機(ATM)や自販機の対応が困難だとする財務省に対し、同席した日本共産党の佐々木憲昭衆院議員は、「利用者に合わせて機械を変えていくべきだ」と指摘。柚木道義政務官は「お札の大きさを『生活のインフラ』として取り組ませていただきたい」と述べました。

 厚労省では、改正障害者雇用促進法に短時間労働者が追加されたことについて、参加者は「視覚障害者のほとんどは正規労働を希望している」と指摘しました。

 要請後、東京都内で集会。清水勉弁護士が「マイナンバー制度、そのねらい」と題して講演しました。


(写真)紙幣について要請する視覚障害者らと同席する日本共産党の佐々木憲昭衆院議員(奥の右)=15日、財務省

2012年10月16日(火