◇11日神戸で開幕
神戸市で11日から開催される「全国身体障害者野球大会」(日本身体障害者野球連盟など主催)に、中学時代の手術中の事故で左足首より先が動かない男性が出場する。西播磨県民局職員、堤佑真さん(22)=佐用町。二度と歩けないと医者から宣告されていたが、リハビリを重ね、障害者野球の強豪チーム「神戸コスモス」(神戸市)の先発投手の座を射止めた。「あきらめず、努力し続ける大切さに気づかされた」と話し、本番での力投を誓う。【岡奈津希】
米大リーグの松坂大輔投手にあこがれ、小学5年で野球を始めた。中学2年の時、椎間板ヘルニアの手術で神経を損傷。医師からは「一生歩けないだろう」と言われ、車いす生活が始まった。
走り回る友人たちを、グラウンドの片隅から見ていた。リハビリに通ったが「何をしてもダメだろうとあきらめていた」と前向きな気持ちを失った。
リハビリのおかげで1年後、つえをついて歩けるようになり、高校入学後はつえもいらなくなった。念願の野球部に入部した。しかし、素振りしかできず、ベンチを温める日々が続き、間もなく退部した。
目標を見失いかけた堤さんを変えたのは、2006年11月に神戸市であった「世界身体障害者野球大会」の新聞記事。日本代表チームが初代世界一の座を射止めたことが書かれていた。「同じ障害者と思えなかった。自分もまた野球ができるかもしれないとワクワクした」。高2になった翌年、神戸コスモスに入団。左足を補装具で固定し、右足に体重を乗せて投げたり打ったりする練習を重ねた。
岩崎廣司監督(63)は「ここまで回復した選手は見たことがない。重くて力のある球を投げるのが魅力だ」と期待。堤さんも「ボロボロになってもいい。チームの優勝に貢献したい」と意気込む。
毎日新聞 2013年05月09日 〔神戸版〕
神戸市で11日から開催される「全国身体障害者野球大会」(日本身体障害者野球連盟など主催)に、中学時代の手術中の事故で左足首より先が動かない男性が出場する。西播磨県民局職員、堤佑真さん(22)=佐用町。二度と歩けないと医者から宣告されていたが、リハビリを重ね、障害者野球の強豪チーム「神戸コスモス」(神戸市)の先発投手の座を射止めた。「あきらめず、努力し続ける大切さに気づかされた」と話し、本番での力投を誓う。【岡奈津希】
米大リーグの松坂大輔投手にあこがれ、小学5年で野球を始めた。中学2年の時、椎間板ヘルニアの手術で神経を損傷。医師からは「一生歩けないだろう」と言われ、車いす生活が始まった。
走り回る友人たちを、グラウンドの片隅から見ていた。リハビリに通ったが「何をしてもダメだろうとあきらめていた」と前向きな気持ちを失った。
リハビリのおかげで1年後、つえをついて歩けるようになり、高校入学後はつえもいらなくなった。念願の野球部に入部した。しかし、素振りしかできず、ベンチを温める日々が続き、間もなく退部した。
目標を見失いかけた堤さんを変えたのは、2006年11月に神戸市であった「世界身体障害者野球大会」の新聞記事。日本代表チームが初代世界一の座を射止めたことが書かれていた。「同じ障害者と思えなかった。自分もまた野球ができるかもしれないとワクワクした」。高2になった翌年、神戸コスモスに入団。左足を補装具で固定し、右足に体重を乗せて投げたり打ったりする練習を重ねた。
岩崎廣司監督(63)は「ここまで回復した選手は見たことがない。重くて力のある球を投げるのが魅力だ」と期待。堤さんも「ボロボロになってもいい。チームの優勝に貢献したい」と意気込む。
毎日新聞 2013年05月09日 〔神戸版〕