ゴエモンのつぶやき

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知的障害者がリサイクル事業の一端担う、川崎市中央市場で/神奈川

2013年05月14日 00時41分26秒 | 障害者の自立
 川崎市中央卸売市場北部市場(川崎市宮前区)で4月から、知的障害者が、産業廃棄物である発泡スチロール箱のリサイクルの一端を担っている。「環境と福祉の融合」を目指し、横浜市内の社会福祉法人が手掛ける事業で、知的障害者らは再資源化の過程で、分別や異物除去といった作業にあたっている。処理費用を抑えながら良質なリサイクル製品を目指すと同時に、障害者の雇用の場を確保する試みでもある。

 同市場の一角。水産仲卸業者などが持ち込んだ発泡スチロール箱が山積みになる中、知的障害者8人が黙々と作業をしていた。持ち込まれる量は1日2トン前後。箱を色ごとに分けた後、シールやテープを丁寧に剥がしたり、箱の中に異物が混じっていないか確認したり。発泡スチロール箱はその後、機械で破砕・減容化され、板状に。さらに、リサイクル業者によって断熱材などに生まれ変わる。

 これまでは異物除去などをしていなかったため、海外に出回るだけだったが、知的障害者によって手間が加わることで、良質なリサイクル製品として、国内での循環が可能になるという。

 事業を手掛ける社会福祉法人同愛会(横浜市保土ケ谷区)は「障害者雇用の現状は厳しいが、実社会の中で働く機会を与えてくれたことに感謝している。皆、やりがいを感じているようだ」と話す。連日6~8人の知的障害者が来て、作業時間は長い人で1日6時間ほど。同愛会ではリサイクル業者への売上金を、彼らの賃金に充てている。

 同市場では長年、同じ業者が廃発泡スチロールの処理を行っていたが、昨年度初めて企画提案方式による業者選定を実施。市場を利用する事業者でつくる「廃発泡スチロール協議会」は、参加した五つの事業者の中から同愛会を選んだ。

 同協議会会長で、川崎北部市場水産仲卸協同組合理事長の種村誠二さんは「最も安い処理費用を提示したこともさることながら、産業廃棄物を資源と捉える発想や、障害者の雇用の場をつくるとの理念が、高評価につながった」と説明する。横浜市中央卸売市場南部市場でも実績があるほか、自前のプラスチックリサイクル施設を持ち、知的障害者を雇用している点も決め手となったようだ。

 同愛会の関係者は「障害者10+ 件の手を借りながら、品質とコストを追求したリサイクル事業。今後も継続して展開するとともに、他自治体にも広げることができれば」と話している。


発泡スチロール箱の分別や異物除去を行う知的障害者ら=川崎市宮前区の川崎市中央卸売市場北部市場

カナロコ(神奈川新聞)-2013年5月13日