ゴエモンのつぶやき

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2人乗り「タンデム自転車」 公道走行には多くの制限

2014年08月17日 01時31分29秒 | 障害者の自立
視覚障害者の行動範囲広げるが…

 サドルとペダルが2つある2人乗り用「タンデム自転車」。2人でこぐため、楽に走行でき、視覚障害者には後部座席に乗ることで自転車を楽しみ、行動範囲を広げることもできる。ただ、2人乗りでの公道走行を禁止する都道府県が多く、解禁されているのは8県にとどまる。愛好者や視覚障害者からタンデム自転車の走行解禁を望む声が上がっている。(横山由紀子)

 息もぴったり

 タンデム自転車は、1人乗り自転車より車体は約50~60センチほど長い。後方に乗る人はハンドル操作の必要がないため、視覚障害者や高齢者、子供らが乗車して行動範囲を広げることができる。

 道路交通法上、タンデム自転車で公道を走行することは違反ではない。しかし、各都道府県の公安委員会は乗車人員の制限を定めることができるため、地域によって対応が異なる。現在、タンデム自転車で公道走行が可能なのは、兵庫、愛媛、広島、宮崎、佐賀、長野、山形、新潟の8県。ただ、鳥取県は制限解除に向け、検討している。

 公道走行が認められていない大阪府では視覚障害者らの団体が中心となって平成24年、普及を目指す任意団体「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」(大阪市西淀川区)を設立した。

 大阪府道路交通規則では「3輪自転車の乗車人員は乗車装置に応じた人員を超えないこと」とあるため、3輪のタンデム自転車であれば2人乗りの公道走行が可能になる。そこで、同会は後ろに2つの車輪を設置した3輪のタンデム自転車を用意し、貸し出したり、試乗会を行ったりしている。

 同会会長で、大阪市東淀川区の全盲の視覚障害者、鈴木昭二さん(64)は時々、この3輪のタンデム自転車での走行を楽しむ。前に健常者に乗ってもらい、「せーの」の掛け声で2人でペダルを踏み込む。途中、「曲がりますよ」「はい」「ストップします」と息もぴったりだ。

 鈴木さんは「風を感じて気持ちいい。自転車に乗れる喜びを感じるひととき。視覚障害者は徒歩やバス、電車などで移動しますが、自転車が加われば、行動範囲が広がり、とても便利になります」。ただ、現状の3輪では重さが加わり、こぐのも大変。「通常の2輪での解禁を望んでいます」(鈴木さん)

生活も充実

 5日には同会主催でタンデム自転車の勉強会を大阪市内で開催。2人用のタンデム自転車を使ったバイクに、スイム、ランの3種目を競うパラトライアスロン(障害者のトライアスロン)選手で、視覚障害者の山田敦子さん(40)=兵庫県尼崎市=が「タンデム自転車があれば視覚障害者も自転車に乗る楽しみを味わうことができる。タンデム自転車が多くの公道で使えるようになってほしい」と訴えた。

 大阪市立大学大学院工学研究科の吉田長裕准教授(交通計画)は「タンデム自転車の活用は移動手段が限られている視覚障害者にとって、通勤や通学が便利になり、社会参加が促される。手軽に買い物に行くことができるなど行動範囲が広がり、生活の充実にも直結する。大きな可能性を秘め、エコロジーな乗り物の普及が進む意義は大きい」と話している。


タンデム自転車を楽しむ全盲の鈴木さん(後部座席)。掛け声と共に息を合わせて乗るのがコツだ=大阪市西淀川区

2014.8.17 07:10 SankeiBiz

日本代表奮闘、初戦引き分けに 知的障がい者サッカーW杯

2014年08月17日 01時23分01秒 | 障害者の自立
ブラジル大会に8カ国が出場

 現在、ブラジルで「もう一つのサッカーW杯」が開催されている。国際知的障がい者スポーツ連盟(INAS―FID)主催の、知的障がい者サッカーのW杯。サンパウロ州のサントス、サンビセンテ、グアルジャーの計4会場を舞台に、今月11日から25日まで熱戦が繰り広げられている。同W杯の初開催は1994年のオランダ大会。以来6回目を迎える。今年のブラジル大会には、全8カ国が2グループに分かれ出場。上位2カ国ずつが決勝トーナメントへ進む。日本はブラジル、ドイツ、ポーランドと同組。13日の初戦はブラジルと対戦し、2―2で引き分けた。(夏目祐介記者)

 そもそも知的障がい者サッカーに、それほどなじみはないだろうか。日本知的障害者サッカー連盟(JFFID)の天野直紀理事長によれば、日本国内の競技人口は4000人。知的障がい者とは、相対的な境界線で分けたIQ知数で決まるところもあり、日本代表クラスの選手は、健常者と同レベルでプレーする。W杯もFIFAルールを採用しており、試合の見た目は、7月まで開催していたFIFAサッカーW杯と基本的に何ら変わらない。

 しかし、日本での障害者スポーツに対する理解は、東京五輪・パラリンピックが決まり向上してはいるそうだが、まだまだ低い。選手たちは中学、高校までは学校の部活でチームに所属できるが、社会に出るとプレーする機会が減っていく。知的障がい者向けのクラブがあるのは、せいぜい東京近郊にいくつかだという。

 JFFIDの活動予算も限られている。国からは年間700万円、パラリンピック連盟からも年間400万円が支給されているが、知的障がい者サッカーはパラリンピック正式種目でなく、正式種目のほうが優遇されるのも実情だそうだ。

  また障がい者スポーツは、一括りにできない複雑さもある。というのも、例えば知的障がい、耳や目が不自由な障がい、あるいは足が不自由な障がいなど、障が いの種類だけ同スポーツ内で団体が分かれており、サッカーは日本に7団体存在するという。そのため支援が分散してしまうのも現状だ。

 今回の日本代表のブラジル派遣も協会予算内ではまかなえず、スポンサー支援やユニホームを販売するなどして資金を集めた。それでも選手も含めて1人30万円を自己負担している。

  そうして迎えたブラジルW杯初戦。大雨に見舞われたグアルジャーで対するは開催国ブラジル。小澤通晴監督が「ボールを止める、蹴るの基本的な技術は相手が 一枚上手だった」と振り返るように、日本は中盤を支配されるも、カウンターから相手のサイドをうまく使い、FW森山憂多選手を中心に多くのチャンスを作 る。しかしシュートに精度を欠き、なかなかゴールを奪えない。

 一方ブラジルは、雨天で悪いピッチコンディションの中で も、縦への早いパスやサイドチェンジを使い、効果的にゴール前までボールを運ぶ。何度かシュートがポストを叩き、ひやりとする場面もあった。すると前半終 了間際。ついに日本のDFが耐え切れなくなり、ブラジルが先制。日本は1点ビハインドのまま前半を終える。

 雨足がますます強まった後半。まずは同点に追いつきたい日本だが、開始早々逆に失点を喫してしまう。これで0―2。ベンチにも熱が入り、「前線から厳しくボールを奪いに行く」「自分たちの攻撃時でも、ボールを奪われた後の守備をもっと意識する」などの指示が飛ぶ。

 一進一退の攻防が続き、敗戦かと思われた試合終了直前、ドラマが待っていた。

  後半41分、左サイドを突破したMF浦川優樹選手が、シュートをサイドネットに突き刺し1点を返すと、勢いそのままに同43分、ゴール前の混戦からFW森 山選手がこぼれ球を執念でねじ込み同点。監督以下ベンチ全員がピッチ脇まで飛び出し、選手と抱き合い喜びを爆発させた。

 ロスタイムの4分間も、逆転を狙い攻め立てた日本だったが、そのまま試合終了。2―2の引き分けで初戦を終えた。

 小澤監督は「勝てる試合だった」と悔しさを滲ませ、「DFラインとGKの連携」を課題に、次戦の勝利を誓う。

 応援に駆け付けたDF峰広志選手の母夏江さんは、「チームとして今までで一番エネルギーを感じる試合だった」と選手たちを労った。

 予選突破を懸けた残りの日程は次の通り。「もう一つの日本代表」の躍進を期待したい。

 15日午前10時からサントスでポーランド戦。17日午後3時からグアルジャーでドイツ戦。日程や競技などについての詳細は(http://jffid.com/)まで。

サンパウロ新聞 2014年8月15日付