◆岸和田のグループ収録奮闘 感情抑え声からさず 1本最低3か月
岸和田市立図書館(岸城町)で、視覚障害者のために小説や専門書を朗読してCDに収録する「録音図書」が利用者の人気を集めている。30年以上、活動を続ける同市内の朗読ボランティアグループ「ひばり」が製作。量が豊富で、利用者の要望に応じた作品を収録していることから、視覚障害者からは「楽しみが見つかった」と喜びの声が上がっている。(横田加奈)
同図書館は約600タイトルの録音図書を所蔵。多くは小説で、映画化された百田尚樹さんの「永遠の0ゼロ」や本屋大賞に選ばれた三浦しをんさんの「舟を編む」などの話題作をはじめ、歴史ものなど幅広い分野の作品がそろう。
以前は市社会福祉協議会が貸し出していたが、2011年から同図書館でサービスを開始。口コミで利用者は増え、12年度の貸出数は約2500本と10年前の20倍近くになった。特に点字に慣れていない中途失明者に重宝されているといい、利用者の男性(70)は「朗読を通して、いろいろな世界に連れて行ってくれる」と喜ぶ。
ひばりは、視覚障害者にも読書を楽しんでもらおうと1980年に設立。現在のメンバーは60~80歳代の約40人で年間約40タイトルを収録する。1本を作り終えるのにかかる日数は最低でも3か月。作業では朗読前に本を読み込んで内容を理解し、方言やアクセントを確認、朗読中は声がかれないよう、休憩を挟みながら何日もかけて行う。また、感情を込めすぎないよう読まなければいけない。
メンバーの一人、坂東茂雄さん(69)は日頃から滑舌を良くするため、口を動かす練習をしているといい、「しっかりと準備して気持ち良く聞いてもらえるようにしたい」とやりがいを感じている。
同会は、哲学や医療などの専門書や市の広報も収録。今後、語学や資格などの教材や、料理本や絵本まで広げる考えもあるという。
同会会長の広野幸子さんは「私たちができることで目の見えない人をサポートし、本を楽しめる生活を送ってもらえたら」と話している。問い合わせは、同図書館(072・422・2142)へ。
2014年08月28日 読売新聞
岸和田市立図書館(岸城町)で、視覚障害者のために小説や専門書を朗読してCDに収録する「録音図書」が利用者の人気を集めている。30年以上、活動を続ける同市内の朗読ボランティアグループ「ひばり」が製作。量が豊富で、利用者の要望に応じた作品を収録していることから、視覚障害者からは「楽しみが見つかった」と喜びの声が上がっている。(横田加奈)
同図書館は約600タイトルの録音図書を所蔵。多くは小説で、映画化された百田尚樹さんの「永遠の0ゼロ」や本屋大賞に選ばれた三浦しをんさんの「舟を編む」などの話題作をはじめ、歴史ものなど幅広い分野の作品がそろう。
以前は市社会福祉協議会が貸し出していたが、2011年から同図書館でサービスを開始。口コミで利用者は増え、12年度の貸出数は約2500本と10年前の20倍近くになった。特に点字に慣れていない中途失明者に重宝されているといい、利用者の男性(70)は「朗読を通して、いろいろな世界に連れて行ってくれる」と喜ぶ。
ひばりは、視覚障害者にも読書を楽しんでもらおうと1980年に設立。現在のメンバーは60~80歳代の約40人で年間約40タイトルを収録する。1本を作り終えるのにかかる日数は最低でも3か月。作業では朗読前に本を読み込んで内容を理解し、方言やアクセントを確認、朗読中は声がかれないよう、休憩を挟みながら何日もかけて行う。また、感情を込めすぎないよう読まなければいけない。
メンバーの一人、坂東茂雄さん(69)は日頃から滑舌を良くするため、口を動かす練習をしているといい、「しっかりと準備して気持ち良く聞いてもらえるようにしたい」とやりがいを感じている。
同会は、哲学や医療などの専門書や市の広報も収録。今後、語学や資格などの教材や、料理本や絵本まで広げる考えもあるという。
同会会長の広野幸子さんは「私たちができることで目の見えない人をサポートし、本を楽しめる生活を送ってもらえたら」と話している。問い合わせは、同図書館(072・422・2142)へ。
2014年08月28日 読売新聞