墨田区内の障害者施設とデザイナーなど区内のクリエーターが手を組み、施設が自主生産するクッキーのラベルをデザインするなど商品の魅力を高める新しいプロジェクト「すみのわ」が進んでいる。十一日は初の展示即売会が、東京スカイツリータウン・ソラマチ五階「産業観光プラザ すみだ まち処(どころ)」で始まった。十七日まで。
約一年前、区内の障害者福祉作業所など約二十施設で構成するネットワーク「kai(カイ)」担当の区職員が、区内のクリエーターでつくる「すみだクリエイターズクラブ(すみだクリクラ)」に、商品づくりでの協力を依頼。二〇一四年度からすみだクリクラが区の委託を受け、取り組み始めた。
最初は、各施設がつくっている商品と、クリクラのメンバーのそれぞれの特性を見極めた上で、組み合わせなどを検討した。その結果、まず三施設で、既存の商品の衣替えや新商品開発に挑んだ。
展示品は五点。ある施設がつくっていた十三種類のクッキーのラベルは、クリクラのイラストレーターが考案したシンプルで美しいデザインとなった。別の施設は、ぞうきんにステッチ加工をする従来の技術を生かし、三角形の小さな旗をひもに連ねて空間を彩るガーランドを作った。
商品を手に取った中野区の女性(71)は「ユニークなものが多く、人気商品になるのでは」と話した。施設側からは「自分たちでイメージできないところまで、商品のレベルを高めてくれた」など感謝の声がクリクラに寄せられたという。
プロジェクトのコーディネーターを務めたプランナーの三田大介さん(42)は「企業や消費者、観光客など協力の輪をさらに広げたい」と話している。会場は「kai」による自主生産品共同販売展の一角。各日午前十時から午後六時まで。
2015年2月12日 東京新聞