別府市の鬼束一生(いっせい)さん(21)が県内で初めて、知的障害者バスケットボールの日本代表チーム選手(10人)に選ばれた。22日から、オーストラリア・メルボルンで開かれる全豪選手権、オーストラリア代表との親善試合に出場する。
「もっと強くなりたい」 恵まれた体格生かす
全豪選手権には、各州選抜チームと日本代表の計8チームが参加する。鬼束さんは身長187センチでポジションはフォワード。「一戦一戦頑張って結果を残したい。自分を鍛えてもっと強くなりたい」と張り切っている。
5年程前から指導する知的障害者のチーム、福学クラブ(福岡県)の山下尚子ヘッドコーチによると、恵まれた体格を生かし、他の味方選手を自由に動かすためのスクリーンプレーが得意で、どの位置からも決めるシュートセンスが持ち味という。「試合中も仲間に積極的に声を掛けるなど精神面の成長を感じる。海外選手の体格の大きさに驚くと思うが、何かをつかんできてほしい」と期待する。
小学4年の時に地域のチームでバスケを始めてから、力を付けた。大分大学教育福祉科学部付属特別支援学校高等部2年生だった2011年末から代表候補選手に選ばれ続けた。卒業後はホンダ太陽日出工場で働き、仕事が終わった後、スポーツジムで体を鍛えたり、別府市内の社会人チームで汗を流す。週末は「福学クラブ」と、中津市のチーム「レッドグリフォン」で練習している。
父親の康晴さん(47)と母親の恵美さん(45)は「好きなバスケをとことん追求し、生き生きしている姿を見るとうれしい。多くの人と関わり、さらに成長してほしい」と話している。
※この記事は、2月21日大分合同新聞夕刊11ページに掲載されています。
2/23(月) 大分合同新聞