ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

点字を読める視覚障害者は「1割程度」

2015年12月08日 03時34分13秒 | 障害者の自立

官能小説を“音声”で届ける意義

目の見えない視覚障害者が本をどのように「読む」のかご存知でしょうか。点字で書かれた本を指で触るだけではありません。実は、多くの視覚障害者が、全国のボランティアが本を朗読した音声を聴くことで本を読んでいます。

東京・高田馬場にある視覚障害者のための図書館「日本点字図書館」では、一般のベストセラー小説同様に、官能小説も多く借りられているという現状があります。性のコンテンツに関しても、音声が彼らの消費の入り口になっているようです。

12月12日に、視覚障害に関わるNPO団体スタッフが中心となる有志団体「カフカ」さんが、DJ・作家のロバート・ハリスさんや落語家の立川志の彦さんを読み手・話し手としてゲストに迎え、官能小説の朗読や色恋にまつわる落語の鑑賞イベント『聴いてたのしむ「おとなの色恋ナイト」』を開催します。「“障害者のために”という偏った想いではありません」と話す、カフカの水谷オサムさんと内田ミワさん。お二人に、イベント主催の想いや視覚障害について我々が考えるべきことを伺いました。

点字図書館では官能小説の音声コンテンツが人気

――今回は、カフカさんの立ち上げイベントでもあるそうですね。

水谷オサムさん(以下、水谷):僕たちは普段、フリークライミングを通じて視覚障害者の人々の可能性を広げるNPO団体「モンキーマジック」のスタッフとして活動しています。モンキーマジックは28歳の時に網膜の病気を患い、失明をした小林幸一郎という視覚障害クライマーが代表をしています。

そこではイベントや教室などでクライミングというスポーツを行うことをメインとしています。しかし、代表やイベントに来てくださる視覚障害者の方々と接しているうちに、点字図書館での官能小説の貸し出しに関することや様々な情報を得ていくうちに、「聴くこと」にはもっと色々な可能性があるのではないかと思うようになりました。そこで、モンキーマジックとは別軸で、視覚障害者、健常者問わず「聴いて楽しむコンテンツ」を作り上げていこうということでカフカを結成し、今回のイベントを企画しました。

――音声コンテンツを聴くイベントのトピックとして、なぜ官能小説の朗読や落語を選ばれたのでしょう。

水谷:落語は以前暗闇で楽しむ落語会を開催したことがあり、視覚障害者からも健常者からも好評だったので今回も行おうとなりました。落語は目の前で噺家さんが演じているのを「見る」のではなく「聴く」、と言います。情景を一人一人が好きに想像しながら聴ける楽しみがあること、それから、愉快な登場人物の色恋やロマンスをテーマにした演目も多いので、今回のイベントにぴったりだと思いました。

官能小説に関しては別の文脈もあります。視覚障害者のための点字図書館では全国のボランティアが本を朗読した音声コンテンツの中でも、官能小説が多く借りられているという現状を聞いたことがありました。しかし、ボランティアというのは中高年の女性も多く、声のプロではない彼女たちが文章を淡々と読むだけなので情緒やエロティックな雰囲気はほとんどない、とも聞きます。また、視覚障害者が音声を聴く時には、我々晴眼者(視覚に障害のない者)が本を読むのと同じくらいのスピードなので2倍速、3倍速にして聴いているそうです。

それではせっかくの官能小説を楽しむというよりも、「性に関する情報を得る」という体験にしかなっていないですよね。それではもったいない。近年はオーディオブックサービスが続々と登場しているので、付加価値のある音声コンテンツはもしかしたらこれから先、視覚障害に関係なく全ての人にとって可能性があるのではないかと思いました。そこでDJのロバート・ハリスさんをはじめとした声のプロによる官能小説朗読や、噺のプロである落語家の立川志の彦さんによる色恋落語が楽しめるイベントを企画したのです。

視覚障害者の多くは点字が読めない

――点字図書館では点字図書だけでなく、音声コンテンツも貸し出されているとのことですが、そもそも視覚障害者の方々は音声の方を多く借りられているのでしょうか。

内田ミワさん(以下、内田):実は、全ての視覚障害者の中で、点字の識字率というのは1割程度なんです。つまり、多くの視覚障害者の方は点字が読めません。

生まれた時から目が見えない先天性の視覚障害を持った方であれば、我々が小学生の時に読み書きを学んだのと同じように点字を習得しています。しかし視覚障害者の中には、モンキーマジックの代表小林のように、成人してから目が見えなくなったという方が圧倒的に多いです。目が見えなくなってから、イチから点字を勉強し直すというのはハードルがものすごく高いので識字率も自ずと低くなっています。

――そうだったんですか。無意識に、視覚障害者はみんな点字が読めるという認識を持っている人は多いと思います。その他にも、後天的に障害を持った方の特筆すべき現状はありますか。

水谷:今まで目で見えていた視界がなくなったり、今まで聴こえていた人の声や音が聴こえなくなったりと、当たり前にできていたことが全くできなくなることで戸惑わない人間はいませんよね。健常者が便利に過ごせるように作られた外や公共の場は不安だし不便なので行きたくなくなる。実は後天的に障害者になった方は、鬱になったり引きこもりがちになったりする方がものすごく多いんです。

映画館や美術館などにある「障害者割引」については、優遇や逆差別などの色々な意見があるかもしれませんが、個人的にはこのおかげで彼らが外に出やすくなるという見方ができると思っています。一般よりも料金が安いことで「行ってみようかな」という外出のきっかけになる。今回のイベントも、「なんか面白そうだな」と思ってもらえて、彼らを外に連れ出したいということは一つの目的でもあります。ただ、我々のイベントでは障害者も晴眼者も境目がないことを意識しているので障害者割引は一切ございません(笑)。

偏見をなくすには「同じ場所を共有する」

――2、30代が障害者や障害を持つことについて考えていくべきことはなんでしょう。

内田:私たちは障害者を助けたいという考えではなく、「面白そうなことを考えたから気軽に遊びに来て一緒に楽しもう」というスタンスです。障害者は、障害者であるからといって特別扱いをされたい訳ではなく、社会の中で生きにくくなることが不都合なんだと思うんです。そのためには我々が「障害者だから~」という意識や境目を取り払っていくことが重要な訳ですが、言葉であれこれ言われても実感が沸きづらいですよね。

例えば電車の隣に白杖を持っていたり盲導犬を連れていたりする方がいたら、まだ多くの人は戸惑ってしまうでしょう。でも目が見えなくて健常者のような生活がしにくい人が当たり前にいる環境を一度でも体験すると、彼らが歩きやすいようにスペースを作る、あるいはサっと腕を貸すといったことが自然なことになります。でもそれは怪我をしている人や高齢者、妊婦さんに対してすることと同じ。私たちが行うイベントには障害者もやってきます。でも、案内が必要な参加者さんをスタッフが駅までお迎えに行くくらいで、あとは健常者の方と同じです。そうして、健常者も視覚障害者も同じ場所で同じコンテンツを楽しむことで、実は健常者の方も自信がつくと思うんです。「一度障害者と同じ空間を体験したことがあるから、もう彼らに偏見は無い」と。

水谷:僕らの目論見をばらしてしまうと、イベントのコンテンツに興味を持って参加してくれた健常者の方が、会場で「たまたま」障害者と同じ空間、同じコンテンツを共有した、という小さなきっかけづくりをしたいと思っています。その方はもしかしたら、その場に来なければ障害者との関わりを一生意識しなかったかもしれない。私自身が、障害者と関わりを持ったことで、街の見方や人との関わり方など、視野が広がったり深まったりしたことがとっても嬉しかったんです。その喜びを共有したいという思いもありますね。とはいえ、堅苦しくなって欲しくもないので純粋にイベントを楽しんでいただければ嬉しいです。

たまに、晴眼者に「目が見えなくなったらどうしますか」という質問をすると、「自殺します!」なんて軽々しい答えが返ってくることがあります。要は、「自分は絶対に視覚障害者になるはずがない」と思っていて本当に想像力を働かせて考えてはいないんです。

実際に、平成23年のデータでは視覚障害者は約31万人いるのですが、そのうち30歳より下は1万人にも至らず、40歳より下でも2万人に至りません。データで見ても、視覚障害者が身近・同世代にいないという方は仕方のないことだと思います。同じように、聴覚・言語障害や肢体不自由、内部障害の方も若年層は多いわけではなく、いずれも60歳以上の高齢者が圧倒的に多い。でもそれはつまり、いずれは誰しもが将来的に障害を持つ可能性があるということです。視覚障害を持つ友人の中には、朝目覚めたらいきなり目が見えなくなったという人もいます。障害者と実際に接したり、そうした事実と向き合いながら想像力を持っていつか自分にも起こり得ることだと実感したりすることで、障害者や障害に対する考えや視界は変わってくると思います。

■開催情報
『聴いてたのしむ「おとなの色恋ナイト」』
日時:2015年 12月12日(土)18:00開演 (17:30開場)
場所:co-ba library(東京都渋谷区渋谷3丁目26−16第五叶ビル6F)
参加人数:45名 (対象:18歳以上)
参加費:2,500円(ワンドリンク付き)
協賛:株式会社TENGAWORLD WINE
参加申し込み先はこちら     (石狩ジュンコ


障害者6人、目標など発表 佐賀市で主張大会、300人が耳傾ける [佐賀県]

2015年12月08日 03時31分42秒 | 障害者の自立

 障害者の主張大会(県障害者社会参加推進協議会主催、西日本新聞社後援)が6日、佐賀市天神3丁目のアバンセであった=写真。障害者6人がこれまでの苦労や喜び、人生の目標を発表し、約300人が耳を傾けた。

 県立盲学校教諭を経て、はり・きゅうの整骨院を経営する全盲の佐賀市多布施、草野洋二さん(57)は12歳で持病の網膜症が悪化して視覚を失い「一生暗闇で生活する絶望感を味わった」と振り返った。

 それでも3回挑んで合格した大学を卒業。念願の盲学校教諭として約30年間、はり・きゅうを教えた。今年1月には趣味のカラオケが高じて歌手デビューしたことを披露し「挑戦する気持ちは忘れまいと思う」と結んだ。

 下咽頭がんの手術で声帯を失った同市川副町鹿江の野中国秀さん(69)は食道を使った発声法を訓練していることを紹介し「支えてくれる人に恩返ししたい」と話した。

 統合失調症と解離性人格障害をそれぞれ抱える30代と40代の男性2人は、通所者の長所を伸ばす福祉事業所で小説を創作したり、症状が緩和したりした経験を語った。

=2015/12/07付 西日本新聞朝刊=


障害者を積極的に雇用するIT企業社長、自身もパニック障害に苦しんだ過去も

2015年12月08日 03時26分41秒 | 障害者の自立

 ITシステムの構築やITエンジニアの派遣をはじめ、飲食事業「匠(たくみ)カフェ」など、多角的に事業展開をしている株式会社アイエスエフネットグループ。

 自閉症スペクトラムなどの発達障害から、うつ病や統合失調症などの精神障害、知的障害など、障害の程度や症状もさまざまな人々が活躍する同社ですが、その経営方針は、創業者・渡邉幸義(わたなべ・ゆきよし)さんの著書『雇用創造革命-ひきこもりも知的障がいも戦力にする執念の経営-』(ダイヤモンド社刊)、『お母さん、障がいの子どもを応援しますよ。』(学研パブリッシング刊)でも紹介されています。

 また、障害者本人だけでなく、当事者の親と直接対話し、情報を共有する「ご家族と語る会」を実施し、家族からも高評価を得ている渡邉さんですが、近著『つながる雇用を実現します!  誰もが輝ける会社に──アイエスエフネットの限りない挑戦』で、「実は、私自身もかつては精神の不調に悩まされた、メンタル不全者でした」と、自身がパニック障害の症状に苦しんだことを打ち明けています。

 起業する前に、会社勤めをしていた渡邉さんは、仕事のストレスでボロボロになり、食欲不振や不眠、電車に乗れなくなる、何度も救急車を呼ぶほどの過呼吸など、7年間もパニック障害の症状に苦しむ日々を送っていました。

 ところが、アイエスエフネットを創業したとたん、症状は改善。

 渡邉さんは当時を振り返り、「人とのつながりよりも数字や効率が優先される場所では、だんだんと心は疲弊していく(中略)自分の意志ではコントロールしようがない心身の不調というものがあるのだと、身をもって知った」(同書より)と述べています。

 自身の経験を踏まえ、「誰もが安心して働ける社会を作りたい」(同書より)という考えに行き着いた渡邉さんは、障害者以外にも、ひきこもりやニートなど就労困難者の雇用にも意識的に取り組んでいます。自身の経験を交えて語る同書の言葉は、当事者はもちろん、ご家族の方にとっても、希望の光となって響いてくることでしょう。

(記事提供:BOOK STAND)


障害者の暮らし考えよう 篠山でフォーラム

2015年12月08日 03時19分25秒 | 障害者の自立

 障害者が暮らしやすい社会について考える市民フォーラム「障がいの重い人たちの安全・安心な生活を地域で支援する」が6日、兵庫県篠山市網掛の丹南健康福祉センターで開かれた。福祉国家として知られるスウェーデンの制度や実情を、医療福祉コンサルタントの河本佳子さんが報告した。

 市地域自立支援協議会と市が主催。約60人が参加した。

 河本さんはスウェーデンで作業療法士を長年務めた経験がある。同国は国民が高い税金を負担して社会保障を充実させており、河本さんは「障害者は自立して人生を選択している」と指摘。障害者一人一人が国の補助でアシスタントを雇えることや、健常者と一緒に学べる教育制度などを紹介した。

 河本さんは、日本では福祉制度や窓口が縦割りになっている点にも言及。「(障害者や家族が)1カ所の窓口でさまざまな専門家から多様な支援を受けられる仕組みがあれば、すごく楽になる」と語った。

 この日は、すぎもとボーン・クリニーク(篠山市味間新)の杉本健郎医師も講演し、同市の障害者福祉について「組織の枠にとどまらず、当事者も支援者も顔の見える関係を築くことが重要」と強調した。

スウェーデンの医療・福祉制度を紹介する河本佳子さん

2015/12/7   神戸新聞


障害者グループホーム10年で倍増

2015年12月08日 03時15分07秒 | 障害者の自立

県が説明

  県議会は4日、一般質問が行われ、障害者が共同生活するグループホームについて、岡俊幸・福祉保健部長は設置数が1日現在、県内で279カ所、定員1640人になり「10年で2倍以上に増加した」と明らかにした。

 障害者グループホームは、障害者が住みたい地域に暮らせるようにすることなどを目的に社会福祉法人やNPO法人などが運営。空き家などを改築し、知的、身体、精神の障害者が支援者とともに数人で暮らす。

 1989年に制度化されて以来、徐々に数を増やしてきた。2006年9月には136カ所、定員673人だった。09年から身体障害が対象に加わったこともあり、大きく数が増えた。

 泉田裕彦知事は「障害のある方が自立して生活を営むために整備は重要。引き続き整備費の補助などによって設置の促進を図る」と話した。

 2015/12/07     新潟日報