■就労意欲と法令順守の意識高まる
栃木労働局が発表した平成27年の障害者雇用状況によると、法定雇用率を達成した民間企業は前年比4ポイント増の55・1%となり、全国で20位だったことが分かった。雇用障害者数は前年比5・7%増の3559人と11年連続で過去最高。労働局は「障害者自身の就労意欲の高まりと、企業側の法令順守意識の向上が相乗したのだろう」としている。
障害者雇用促進法では、民間企業、国、地方公共団体は、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障害者の雇用を義務づけている。
労働局は毎年6月1日現在の雇用状況の報告を事業主に求めて集計。軽度で短時間労働者は0・5人分でカウントするなどの基準を設けている。
民間企業(法定雇用率2・0%)の従業員に占める障害者の割合「実雇用率」は1・82%で前年より0・06ポイント増加。雇用されている障害者は、身体障害者が2509・5人(前年比5・1%増)▽知的障害者は828人(4・7%増)▽精神障害者は221・5人(17・2%増)-といずれも前年より増加した。
企業別の実雇用率では、500~1千人未満の規模が最も高く2・02%で、50~100人未満が最も低い1・43%だった。産業別では、「宿泊業、飲食サービス業」が最も高く2・05%となり、「電気・ガス・熱供給」が0・78%で最も低かった。
一方で、法定雇用率が未達成の企業のうち、1人も障害者を雇用していない企業は65・2%(316社)に上り、深刻だ。100人未満の規模の企業が8割近くを占める状況で、労働局は「障害者雇用のノウハウがないことも要因の一つだ。少しでも理解が深まるように啓発活動に努めたい」としている。
公的機関では、県(法定雇用率2・3%)は前年比3・0%増の137人で、実雇用率は2・45%。市町(同2・3%)は同2・7%増の324・5人で、実雇用率は2・52%だった。
2015.12.20 産経ニュース