聴覚障害者の防災をテーマにした市民参加の学習会が20日、鳥取県の米子コンベンションセンターで開かれた。東日本大震災を経験した宮城県聴覚障害者協会の小泉正寿(しょうじゅ)会長が、聴覚障害者への情報伝達の手段が不足している問題点を指摘した。
聴覚障害者や手話の関係者らでつくる鳥取県西部圏域聴覚障害者災害対策連絡会が主催。聴覚障害者やサポートしている人たち約70人が参加した。
小泉会長は、東日本大震災の地震発生直後に津波発生の危険性が正確に伝わらなかったり避難場所が分からなかったりして、聴覚障害者が津波の犠牲になったと指摘。「近所の人と助け合う共助を日頃から意識することが大切」とサポート体制の重要性を強調した。
また、安否確認で正確な情報の把握に苦労したことなど、災害への備えに生かすための経験談を紹介した。
参加者が災害時の対応を決めるゲーム形式の訓練もし、いざという時に最善の行動を取るためには日頃からの意識付けが大切なことを学んだ。
東日本大震災の経験を基に情報を伝える手段の確保の重要性を指摘する小泉会長
2015年12月21日 日本海新聞