深まりゆく秋に

稲の穂は実り

草木の実も熟す頃

私の街も　秋は深まり

歩道や野原の風は軽（かろ）く

私の歩んだ道を　ふと

振り返させる頃となりました


イヤフォンから流れるピアノの音は

コロコロと弾み　私の心の中に　

素直に転がり込んできます　

押し寄せるバイオリンの音色は

ある時は波のように　また　あるときは

嵐のように　私の胸に迫ってきます


オカリーナ　トランペット　いろんな楽器は

あの青空の中に吸い込まれてゆきます


私が生まれたこの月は

草の実も　木の実も　熟す時期（とき）

そして　私が　あなたが

自分の歩んで来た道を

振り返る季節の中にあるのです


ああ　いろんな人に出会い

いろんな人に愛され

そして　いろんな人を愛し

今まで精一杯に生きて来た

そんな私も　やがて　

５８回目の深き秋を迎えます　


１１月の今　また　

この爽やかな風の中で

そんないろんなことを振り返る頃となりました

１１月もまた　我らを皆　詩人と成すのです

ムカゴ 零余子

蔓の葉っぱも枯れて

零余子（ムカゴ）が　

草むらなどから　顔を出して来た


ムカゴって　不思議な実だね

根っこの方には　見事な芋があるくせに

その上さらに　枝にまで　実をつける


丸や凸凹様々に　可愛い実をいっぱいつける


毎年　今頃　摘んだムカゴを

蒸したり　焼いたり　ムコゴご飯にしたり

ほんのり土とお日様の香りがして

我ら夫婦は　晩秋の味覚をいただく