使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す際に出る「高レベル放射性廃棄物」がまさに最終核廃棄物である。この問題で本県南部の海陽町に隣接している高知県東洋町(サーフィンのメッカとして売り出し中)で大騒動の元になっている。
そもそも、なぜ、このような処分場がいるかというとウランを原子炉で燃やすと「使用済み核燃料」が出てくる。
使用済み核燃料は、原子力発電所の近くの貯蔵プール中で保管しているが、稼働年数の長い発電所ではプールが満杯に近い。当然、そうなれば発電を止めなければならないので電力会社は困る。そのため、青森県の六ヶ所村に「再処理工場」を作り、そこにこれらの使用済み核燃料を持って行いくと、当然、電力会社の貯蔵プールは空くので発電を続けられる。
この核廃棄物の最終処分のことは、すべて「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」で決められている。そして、この放射性廃棄物の行き先(最終処分場)の候補地として東洋町が名乗りを挙げているのだ。
最終処分場の調査候補地として町長が独断によって応募したことも許せないが、財政が行き詰まっている町を金の力で釣るような国(経済産業省)のやり方はひどい。
現在、日本にはプルトニウムが国内に5~6トン、欧州に委託処理しているものが約40トンあるらしい。わずかキログラム単位のプルトニウムを北朝鮮が保有していることで、6カ国協議をやっているが、日本は約50トンのプルトニウムを保有。アメリカがいまだに日本の核武装を疑うのも少しは理解できる。
この
六ヶ所村のホームページの中に”ウラン資源にも限りがありますが、石油、石炭などは燃えると二酸化炭素や灰になるのと違い、原子炉で燃やした使用済み燃料の中には、燃え残ったウランや新たに生じたプルトニウムがあり、これらを再び燃料として繰り返し利用することができます。 これが「原子燃料サイクル」です。”という説明がある。
しかし、高速増殖炉もんじゅの事故で露呈したように、この技術がいつ実用化なるのか分からないのに、その燃料としてプルトニウムが次々と生み出されている。実際、そのプルトニウムはどうするのか。そこで、プルトニウムとウランを混ぜ、いまある原子力発電所の燃料にしようというのがプルサーマル計画だ。しかし、この計画も頓挫している。
ところで、衆議院議員の河野太郎氏は、このように無用な核廃棄物を量産するために何兆円もの税を投入するのを止め、太陽光や風力、水力、バイオマスなどの「再生可能エネルギー」の研究開発につぎ込むべきだと主張している。また、これらの新エネルギーに対し、「コストが高い」などというキャンぺーンを張っているのは、電力会社や経産省、族議員が原子力発電の権益を守るために行っているのだと氏は言っている。
世界各国が開発をあきらめた「原子燃料サイクル」
日本はもっと再生可能エネルギーの開発に金と力をかけるべきなのに、いつ実用化なるか分からない高速増殖炉の燃料として、プルトニウムが量産されている。
ところで、我々は、原子力発電というと画期的なテクノロジーを想像するが、実際は、原子力発電といっても、原理は核分裂によるエネルギーで水を沸かし蒸気にし、蒸気の力でタービンを回して電気を作っているだけで、石炭や石油を燃料としている火力発電と違わない。