9月10日、富士フイルムからカメラ、レンズの新製品がどっと発表されました。
カメラ
・FUJIFILM X-T1グラファイトシルバー エディション(ニュースリリース)
・FUJIFILM X100T(ニュースリリース)
レンズ
・XF 56mm F1.2 R APD(ニュースリリース)
・XF 50-140mm F2.8 R LM OIS WR(ニュースリリース)
それぞれの詳細はニュースリリースでご覧ください。どれも魅力のある新製品ですね。
個人的に「オッ」と思ったのは、XF 56mm F1.2 R APDが、アポダイゼーションフィルター搭載レンズとしては「世界で初めて」AFが可能になったこと(写真は富士のページより)。
アポダイゼーションフィルター(APD)は、中心部から周辺に向かって光の透過率をなだらかに減少させたフィルター。ピントが合った部分のシャープな解像力と柔らかく美しいボケ味を実現しているとのこと。
通常、後ボケを柔らかくすると前ボケが硬くなり、前ボケを柔らかくすると後ボケが硬くなるのがレンズの宿命。
両方のボケを美しくしたレンズとしては、ミノルタが開発しソニーが継承した135mm F2.8 [T4.5] STF があります。アポダイゼーション光学エレメントという光学部品を搭載しており、「もっともボケが美しいレンズ」として有名。このレンズを使いたいためにソニーのカメラを選ぶ人がいるぐらいですが、こちらはAFが効かずマニュアルフォーカス。
同じ効果を目指すレンズである、富士のXF 56mm F1.2 R APD はAFが効くというので意外に思いました。
もっとも、ソニーのアポダイゼーション光学エレメントは、NDフィルターのような濃度を持ったガラスで凹レンズを作り、透明な凸レンズと貼り合わせたもの。これに対して、富士の場合は濃度差を持った平板なフィルターをレンズの前に置いているようです(ニュースリリースのイラストを見る限り)。
なので、ソニーのSTF レンズと全く同じ画質が得られるのかどうか、実写レビューが待たれます。
富士のページのサンプル画像を見ると、なかなか美しい描写。しかし決め手になるのは玉ボケなので、モデルの前後に玉ボケがあり、どちらも美しくボケているような作例を見てみたいところです。
それにしても、店頭予想価格が16万5,000円前後(税別)というのは、お高いですね~
フラッグシップモデルとされる、防塵防滴ズームレンズ「XF 50-140mm F2.8 R LM OIS WR」(店頭予想価格 税別17万5,000円前後)とそう変わらない値段とは…
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