きれいなマーブル模様のコンクリン万年筆とセルロイドの万年筆
コンクリンの万年筆は、マーブル模様の軸と少し長めのデザインが気に入って2本所有しています。会社は、1890年代に創業したアメリカのメーカーですが、1955年にその営業を終了しました。しかし、最近復活して、また当時のクラシックなタイプの万年筆を作り始めています。
ペン先のサイズは左が”M”右が”F”で、書き味は滑らかですが少々硬い感じです。軸が長いせいかキャップを尻軸に被せて字を書くと、とてもバランスが良くて軽く感じる万年筆です。きれいなマーブル模様の軸と、特に右のエンジ色の美しさに魅せられます。
セルロイドは加工しやすくて、とてもきれいなの材質なので、昔はいろいろなものに利用されていました。しかし非常に発火しやすく危険なため、質の良いプラスチックが普及したこともあって、最近はあまり使われなくなりました。それで今はセルロイドの万年筆は、ほとんど骨董品でしか手に入りません。
現在、クラシック調万年筆のちょっとしたブームで、調べてみたら大手ではプラチナ万年筆、中小の企業では大西製作所などで、今もセルロイドの軸の万年筆が作られています。
昭和20~30年代の万年筆です。
左はクリップと胴軸に"Opal"と書かれています。メーカー名でしょう。ペンポイントはイリジウムでサイズは<2>となっています。
右は同様にクリップと同軸に”MASTER”と書かれています。ペンポイントサイズも<2>です。
両メーカーとも、聞かない名前ですので、今は存在していないのでしょう。当時は小さな万年筆メーカーが、たくさんあったようですね。
左の万年筆は、レバーフィラータイプのインク吸入方式です。
このレバーを引き起こし、中のインクサックを押し付けて一度潰します。そのあとレバーを戻してペン先からインクをサックの中に吸引します。
中のゴム製のインクサックは、古いものはみな劣化していてボロボロです。これを交換し、ペン芯も洗浄して書けるようになりました。
私は、レバーフィラータイプの万年筆がお気に入りです。
パイロットのクラシックな万年筆です。ペン先が14Kのサイズは<1>です。書き味も非常に柔らかく滑らかで、とてもレベルの高い万年筆です。ペン先やペンポイントの加工に、高い技術を持っていたことが窺われます。
パイロットは、昭和30年代頃から欧米に負けないこのようなレベルの万年筆を作ることができたのですね。
この万年筆は、私の持っている中でも逸品の一つです。とても気に入っています。
これもレバーフィラータイプです。軸は、セルロイドではなくプラスチックのようです。螺鈿細工のように真珠色の模様が入っていて、大変美しい万年筆です。
胴軸に”RIEYON"書かれています。この当時の万年筆は、メーカー名が胴軸に書かれたものが多いです。
ペン先は金メッキでイリジウムのペンポイント、サイズは<4>です。
モノトーンのマーブル模様、少し大きいサイズボディーで、しゃれたデザインの万年筆です。
クリップと胴軸に”ELLIOTT"と書かれています。ペン先には、JISマークがついています。サイズは<2>です。程度がよく、比較的新しいものかもしれません。
インクサックは、シリコンゴム製でまったく劣化していません。
ペンポイントサイズ、書ける字の太さですが、あまり違いがありません。現在のサイズ、EF:極細、F:細字、M:中字、B:太字と比べると、<1>は細字で、<4>が極細、<2>はその間位の感じです。現在のサイズと比べると、かなり細めです。
セルロイドの軸、いろいろ
劣化が進んでいて、割れたりすり減ったりしているジャンク品です。部品取りにもなりません。でも一番左、紅白の金魚のような色、とてもきれいです。真ん中のべっ甲模様の軸はセルロイド製ではなく、何かアクリル系の樹脂でできているようです。これもなかなか良いですが、キャップがありません。
先日、銀座の伊東屋がリニューアルされたので、行ってきました。万年筆売り場は、一筋奥の別のビルに移っていました。プラチナ万年筆のコーナーに、赤白のマーブル模様のセルロイド万年筆がありました。美しい!欲しくなりました。デザインは少し長めで、コンクリンと似ています。
最近の日本のメーカーも、大変良い万年筆を作っています。
万年筆ほか筆記具、まだまだあります。折を見て、またご紹介いたします。
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