横須賀うわまち病院心臓血管外科

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心臓外科手術における力業(ちからわざ)ってなに?

2021-02-26 16:34:30 | 心臓病の治療
 先日の心臓血管外科学会総会の発表の場で、座長の先生に、「相変わらず力業(ちからわざ)ですね」と言われました。しかも、相変わらず、という接頭語できで。

 冠動脈バイパス術後の心臓再手術の際に、側方開胸アプローチが有用という発表を行いましたが、CABG後の大動脈弁狭窄症に対するApico-Aortic Conduit、CABG術後の僧帽弁閉鎖不全症に対する右小開胸アプローチで心室細動下に行う僧帽弁置換術、CABG+左室形成術後に発生した左室形成部位の感染性仮性瘤に対する再左室形成術について報告しましたが、どれも10年に1例くらいしか遭遇することがない重症、難手術症例でしたので、ちからわざ、という言葉を大手術、難易度の高い手術を行う、という意味で使われた、いわゆる褒め言葉ととっていいと思いますが、周到に計画された繊細な作業の積み重ねである難易度の高い手術に対して形容する言葉としては不適切かなとも思いました。もう少し、洗練されたネーミングをして頂けるとありがたいと思いました。
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