心臓胸部大血管手術の二回目、再手術は縦隔内の癒着が起こるためリスクも高まり、手術時間も長くなります。癒着の程度は患者さんにもよりますが、初回手術後1~3か月程度は最も癒着が高度になる時期になります。かなり昔ですが、消化器外科の上級医に癒着の程度は三週間、三か月、三年を境にだんだん軽くなる、と習ったことがあります。
癒着をすることで、そい癒着を剥離する場合は出血する、正常組織を破壊するリスクがあります。特に胸骨を再切開する場合に大動脈を損傷してしまうと、大量に出血し、人工心肺で返血しても追いつきません。この場合はとりあえず出血を制御しながら、人工心肺で全身を冷却し、循環停止とすることで血流を止め(低体温循環停止)、その間に出血部位を修復する、剥離をすすめて大動脈遮断するなどの処置をする必要があります。循環停止できる時間にも制限があるため短時間に出血を制圧する必要があります。大動脈の手術には循環停止して現場に突入する勇気が必要とされる手技です。まるで心臓血管外科に置ける落下傘部隊です。こうした男らしさが求められる場面が多い大動脈手術は若手のドクターに人気があるのは理解できます。
他の損傷の可能性のある部位は壁が薄くて損傷しやすい右房や胸骨直下にある右室です。右房や右室の出血の場合は、人工心肺を装着していればサッカーで吸引して送血路から返血する、いわゆる「サッカー回し」で対応できます。静脈系に返血しても有効な場合が多いです。動脈系の血行胴体がこれで維持でき、また右心系を虚脱できるので剥離が容易になり、安定した状態で剥離をすすめることが出来ます。
こうした再開胸手術における副損傷に対して人工心肺は有用な武器になります。再開胸する際には即座に人工心肺が装着できるように大腿動静脈を同時に確保しながら胸部操作する必要があります。当院のように人数がいる習熟したチームでは同時進行が可能ですが、多くの施設のように二人で手術しているような施設では最初にアクセスルートを確保してから胸部操作に向かう必要があります。
胸骨再切開において、前回手術で心膜を閉鎖しているかどうかで損傷のリスクが変わってきます。前回手術記録で心膜を閉鎖しているかどうかの情報は有用です。施設によっては心膜を閉鎖しないところもあるので、自施設で再手術する場合はいいのですが、その情報が判明しない場合もあります。
そういった情報、術前検査の情報を統合したうえで、戦略的に挑む必要のある再手術は心臓外科医の総合力が試される治療です。
一昨年から弁膜症の再手術においては1.5倍の手術手技料の加算が認められるようになりましたが、大動脈手術や冠動脈バイパス術後の再手術に関しては保険上の加算が認められていません。また先天奇形の再手術に関しても然りです。技術、資源の投入が必要な治療に関してはやはり保険上の加算を認めるべきであり、これが外科医の技術を評価するということにつながるとおもいます。
癒着をすることで、そい癒着を剥離する場合は出血する、正常組織を破壊するリスクがあります。特に胸骨を再切開する場合に大動脈を損傷してしまうと、大量に出血し、人工心肺で返血しても追いつきません。この場合はとりあえず出血を制御しながら、人工心肺で全身を冷却し、循環停止とすることで血流を止め(低体温循環停止)、その間に出血部位を修復する、剥離をすすめて大動脈遮断するなどの処置をする必要があります。循環停止できる時間にも制限があるため短時間に出血を制圧する必要があります。大動脈の手術には循環停止して現場に突入する勇気が必要とされる手技です。まるで心臓血管外科に置ける落下傘部隊です。こうした男らしさが求められる場面が多い大動脈手術は若手のドクターに人気があるのは理解できます。
他の損傷の可能性のある部位は壁が薄くて損傷しやすい右房や胸骨直下にある右室です。右房や右室の出血の場合は、人工心肺を装着していればサッカーで吸引して送血路から返血する、いわゆる「サッカー回し」で対応できます。静脈系に返血しても有効な場合が多いです。動脈系の血行胴体がこれで維持でき、また右心系を虚脱できるので剥離が容易になり、安定した状態で剥離をすすめることが出来ます。
こうした再開胸手術における副損傷に対して人工心肺は有用な武器になります。再開胸する際には即座に人工心肺が装着できるように大腿動静脈を同時に確保しながら胸部操作する必要があります。当院のように人数がいる習熟したチームでは同時進行が可能ですが、多くの施設のように二人で手術しているような施設では最初にアクセスルートを確保してから胸部操作に向かう必要があります。
胸骨再切開において、前回手術で心膜を閉鎖しているかどうかで損傷のリスクが変わってきます。前回手術記録で心膜を閉鎖しているかどうかの情報は有用です。施設によっては心膜を閉鎖しないところもあるので、自施設で再手術する場合はいいのですが、その情報が判明しない場合もあります。
そういった情報、術前検査の情報を統合したうえで、戦略的に挑む必要のある再手術は心臓外科医の総合力が試される治療です。
一昨年から弁膜症の再手術においては1.5倍の手術手技料の加算が認められるようになりましたが、大動脈手術や冠動脈バイパス術後の再手術に関しては保険上の加算が認められていません。また先天奇形の再手術に関しても然りです。技術、資源の投入が必要な治療に関してはやはり保険上の加算を認めるべきであり、これが外科医の技術を評価するということにつながるとおもいます。