2021年は新型コロナウィルスパンデミックの影響で学会活動が低迷していたのが開け、冠動脈外科学会から現地開催の学会がはじまり、MICS-CABGに関連するセッションも開かれるようになってきました。まさにMICS-CABG元年とも言える一年ではないでしょうか。これから一部のエキスパートが行なっていたMICS-CABGが一般の医療機関でも行なわれるかどうかの岐路になる一年のように思います。そうした中で、横須賀市立うわまち病院心臓血管外科も可能な症例はMICS-CABGを積極的に採用していきたいと考えております。
今週末、MICS-CABGに関するウェビナーが行なわれます。国内のMICS-CABGの第一人者である菊地慶太先生がもデュレーターで、筆者は「LITA-ALDからはじめるMICS-CABG」という題でのプレゼンテーションをさせていただく予定です。左小開胸アプローチによる冠動脈バイパス術はLITA-LAD吻合、いわゆる左内胸動脈を採取して、創部直下にある左冠動脈前下行枝にオフポンプで吻合するという手技が基本になります。これが確率して初めて多枝バイパスへ発展していくことになります。
MIDCABとも言われるこのLITA-LAD吻合は、LITAさえ採取できれば吻合は正中アプローチよりもむしろやりやすいことが多いので、導入としては非常に重要な部分といえると思います。