横須賀総合医療センター心臓血管外科

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新型コロナウィルス蔓延による静脈血栓症の増加:下肢のむくみに注意

2020-05-18 00:25:00 | その他
 新型コロナウィルス感染によって血栓症が増加するとの報告があり、治療管理には静脈血栓症に注意するようにとのイタリアからの報告が出ていましたが、日本国内の学会からも注意喚起が出ました。ウィルス感染によって播種性血管内凝固を含む凝固亢進がおき、静脈血栓症などが発生しやすいようです。静脈血栓症を検出するマーカーとしてdダイマーを検査して、高値を示すようであれば早めに治療薬を開始する必要があります。実際の死因にかなり関連する病態として重要で、播種性血管内凝固治療薬であるフサンも新型コロナウィルス治療に有効であると言われているのも、この播種性血管内凝固を治療することで救命できる可能性を高めることが示唆されています。

 また、外出の自粛によって家の中でごろごろして動かない時間が長いため、このウィルス感染にかかっていなくても静脈血栓症が増加すると予測している人もいます。筆者も最近下肢の浮腫の診療依頼が通常より増えている印象があります。感染予防という観点だけでなく、こういう時こそ、普段の健康管理が重要になります。

 少しずついろいろな予防、治療の知見が出てきていますが、一日も早く人類がこの疫病を乗り越えることを待ち望んでいます。
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