グッドぐんま 2

ぐんま大好き! 群馬のちょっとイイものや身近な自然を再発見

エミリーの秘密

2010年05月21日 20時28分49秒 | 
昨日に引き続きましてエミリーのお話です。
今日は普通のカカシはカワウ追い払い効果があまり期待できないのに、エミリーはどうしてカワウを追い払うことができるのか? について・・・



カワウに限らず鳥は一般的に頭の良い動物で、学習能力に長けています。かかしなどの追い払い装置を設置しても、それは本当は危険ではなく、こけおどしであると見破ってしまいます。
かかしを川の近くに置いただけでは、カワウはすぐに慣れてしまって追い払いの効果はなくなります。



どうすれば、カカシの追い払い効果を高め、効果を持続させることができるのか?
カワウは頭がよい。それを逆手にとれないだろうか?

いくつかの実験を行い、その結果からたどり着いたのが、人によるロケット花火などを使った追い払いとカカシのコラボです。

まず、例えばオレンジ色のチョッキなど同じユニホームを着て、カワウの追い払いを行います。
オレンジ色のチョッキを着た人からロケット花火などの攻撃を受けたカワウは、「オレンジ色のチョッキを着た人」=「自分に危害を与える人」と学習します。
そう学習したカワウは、オレンジ色のチョッキを着た人を避けるようになり、同じ格好のマネキン人形に対しても忌避行動をとるようになるのです。(例としてオレンジ色のチョッキとしましたが、服装の色は直接的には追い払い効果とは関係ありません)
カカシの効果を持続させるためには、人による追い払いを定期的に行う必要がありますが、毎日のように人が広範囲に追い払い作業を行うことと比べれば、労力は大幅に軽減されます。



実は、これと似た現象は昆虫界では比較的よくみられます。
ハチや有毒の蝶に体の模様などを似せ、捕食者から身を守る例で、「ベイツ型擬態」と呼ばれます。

ベイツ型擬態の例
ハチに擬態しているヨツスジハナカミキリ


ツマグロヒョウモン♀は、有毒のカバマダラに擬態している


ベイツ型擬態では、真似される方(有毒生物など)を「モデル」、真似をする方を「ミミック」と呼びます。
今回のカカシでは、追い払いをする漁協の人がモデル、エミリーがミミックということになります。

現在までのところ、エミリーは確実にカワウが川に降りてくるのを阻止しており、漁協の人からも評価されていますが、追い払い効果の持続期間や効力が及ぶ範囲などについて調べるため、しばらく定期的にエミリーのところに通います。
エミリーも一人で寂しそうだし・・・



(5/24 追記)
2010.5.23の朝日新聞・群馬県版にエミリーの記事が掲載されました!




※補足
カバマダラは体内に食草由来の毒を持っているので、カバマダラを捕食した経験のある鳥は二度とカバマダラを捕ることはなく、この蝶は鳥による捕食から身を守ることができます。
ツマグロヒョウモン♀はカバマダラに擬態しているのですが、カバマダラの生息地は奄美・沖縄地方です。(九州~近畿地方でもみられることはある)
それに対して、ツマグロヒョウモンはカバマダラ生息地のずっと北にも分布しています。
カバマダラがいない地域では、鳥がカバマダラが有毒であることを学習する機会がありませんので、ツマグロヒョウモン♀の擬態には効果はないということになります。
(群馬県にはカバマダラがいないので、ツマグロヒョウモンは♀は普通に鳥に食われているはずです)

エミリー出撃!

2010年05月20日 22時09分56秒 | 
近年、イノシシやシカ、クマなどによる農作物の被害が、日本中で大問題となっていますが、魚の世界ではカワウ。
カワウは本来、河口域や沿岸域を住みかとしていたのですが、個体数が増加するにつれ、本来の生息域から群馬県のような内陸部に侵入してきました。カワウの餌は魚で、1羽が1日平均約500gもの魚を食べますので、養魚場や河川湖沼で人間との軋轢を生じています。



カワウは餌場では通常、単独あるいは2~3羽で行動していますが、時として数百羽にもなる群れで河川に出現します。


養魚家や漁協組合員、釣り人からみれば、カワウの群れは大きな脅威です


カワウの被害を防ぐ方法として、よく行われているのは、漁場からの追い払い。
毎日河川を巡回してカワウを見つけ次第、ロケット花火などをカワウを脅して追い払うという方法が効果的です。しかし、多くの人手をかける方法は、とても大変。
労力をなるべく使わない方法として考えられるのは、カカシや音を使った方法ですね。
川辺にカカシが立っているのを見たことのある人は少なくないでしょう。

カカシは、カワウの追い払いに効果があるのでしょうか?
マネキン、ヘビ型かかし、おもちゃのピストルの音でカワウが驚くかどうか、水産試験場で飼育しているカワウで実験をしてみました。


ヘビ型かかし、ピストルの音に対しては、最初は驚いて逃避行動をとりましたが、2~3日で慣れてしまい、ほとんど反応しなくなりました。マネキン人形に至っては最初から何の反応も示しませんでした。
カカシには、カワウを追い払う効果はほとんど期待できないことが分かりました。


昨年度、私はエミリーと一緒に「どうすれば、カカシの効果を高めることができるか」というテーマに取り組みました。


先程紹介した実験結果のとおり、新人だったエミリーはカワウに対して何のプレッシャーも与えることができませんでした。
しかし、ある工夫をすることにより、エミリーはカワウをビビらせることができるようになったのです。

そして、先週、カワウ追い払いのスペシャリストとなったエミリーはたった一人で、高崎市内を流れる烏川に出撃しました。

今朝の雨の中でも、彼女は広い河原でカワウに対して睨みをきかせていました。


身じろぎもせず川面を見つめるエミリーのそばにはカワウたちは降りてくることができません。


エミリーはどんな方法でカワウを追い払っているのか?
答えは明日につづく・・・

(出し惜しみをしているわけではないのですが、今朝は3時起きでエミリーに会いに行ってきたので、もう眠くて眠くて・・・)

THEまんじゅうガイドブックinぐんま

2010年05月19日 20時15分23秒 | 美味しい和菓子・まんじゅう
群馬県が、面白いガイドブックを発行しました

THEまんじゅうガイドブックinぐんま


本州一の小麦の産地である群馬県は、本州一のまんじゅう大国でもあります。
県内の和菓子屋さんや農産物直売所では、炭酸まんじゅう、酒まんじゅうを基本形として様々なバリエーションのまんじゅうが販売されています。
また、日本中の温泉地にある温泉まんじゅう発祥の地は群馬県の伊香保温泉。温泉まんじゅうの茶色は伊香保温泉“黄金の湯”の色なんです。

      


THEまんじゅうガイドブックinぐんまの掲載店舗数は253店。
①自社製造であり、②本店が県内にあるお店で、③穀類等を原料とした皮で小豆餡等をくるみ、原則商品名に「まんじゅう」とついている和菓子を扱っている小売店、及び③により作られたまんじゅうを取り扱っている農産物直売所等が掲載されています。

焼きまんじゅうガイドブックも併せてご利用下さいませ~ (^^)/




「THEまんじゅうガイドブックinぐんま」発売中 群馬県


そうそう、まんじゅうと言えば、8月29日まで県立歴史博物館で企画展「粉もの上州風土記」が開催中です。こちらも見逃せませんよ

粉もの上州風土(フード)記 ~ヒルバテイから焼きまんじゅうまで~ 県立歴史博物館


                                

ぐんまの物語弁当コンテスト

ぐんまの物語弁当コンテスト実行委員会では、群馬の誇る食材と歴史・伝承・文化・自然を結びつけたストーリー性のある「弁当」のアイデアを募集中です
ぐんま賢人の皆様、是非応募してね~

 ぐんまの物語弁当コンテストについて詳しくはこちら
         ↓
   ぐんまの物語弁当コンテスト2010

アオハダトンボ

2010年05月18日 21時13分45秒 | 自然観察
アオハダトンボは、本州から九州の平地や丘陵地の清流でみられるカワトンボ科のトンボですが、生息地はかなり限られています。
群馬県の動物レッドリストでは「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されています。
他県では、東京都区部と千葉県では「絶滅」、青森県、兵庫県で「絶滅危惧Ⅰ類」、神奈川県、新潟県、長野県、大阪府、岡山県、鹿児島県で「絶滅危惧Ⅱ類」になっています。全国的に生息地、生息数の減少が心配されている種です。

アオハダトンボ・都道府県のRDB指定状況 日本のレッドデータ検索システム

群馬県内では前橋市の桃ノ木川の一部で比較的多くのアオハダトンボをみることができますが、私の職場の中を流れている水路でも、数は少ないながらも毎年発生を確認しています。

今日、今年初めてアオハダトンボの姿を見ることができました。(2008年の初認は5月17日、2009年は6月2日
アオハダトンボ ♂


アオハダトンボのオスは、ハグロトンボによく似ていますが、アオハダトンボの方がひとまわり小型です。また、翅の形も微妙に異なっています。
さらに、アオハダトンボがみられる時期は7月までですが、ハグロトンボはアオハダトンボよりも多少遅れて出現し、9月いっぱいは見ることができます。



アオハダトンボ ♀


メスの翅には白い偽縁紋があるのが特徴です。


今年もこの水路で、貴重なアオハダトンボの姿を確認することができて、とりあえず一安心。

今年もセグロアシナガバチが・・・

2010年05月17日 21時10分33秒 | 自然観察
昨年、セグロアシナガバチの巣をやむなく排除した話を書きましたが、今年もセグロアシナガバチの新女王が我が家に巣を作りました。
しかも、玄関のすぐ横。

セグロアシナガバチ


巣の場所を把握して、注意していれば刺される可能性は極めて低いので、私としてはこのセグロアシナガバチ一家が発展していく様子を観察したかったのですが、ハチを怖がる我が家の女性陣にしてみれば、玄関脇にアシナガバチの巣があるなんて身の毛がよだつほどの恐怖のようです。
今回もやむを得ず小さな巣を除去しました。
女王様ごめんなさい。新天地を見つけて下さい・・・

実は、今の時期はアシナガバチやスズメバチを観察する絶好の機会なんです。
今、活動してるのは、これから家族を作ろうとしている新女王。働き蜂は家族のためなら自分が死んでも一向に構わないと思って?いるので攻撃的な部分がありますが、女王は自分が死んだらそれで終わり。働き蜂のような無茶はしません。静かに近付けば、至近距離でじっくり観察できます。しかも女王蜂は体が大きくて迫力満点。
とは言うものの、スズメバチやアシナガバチは身近で最も危険な生物です。観察する時には刺されないように細心の注意を払いましょう。いたずらにハチを刺激してはいけません。

オオスズメバチ

(2009年6月撮影)

虫見散歩 嶺公園

2010年05月16日 20時15分36秒 | 自然観察
今日の前橋は、この時期らしい陽気でした。最高気温は23.9℃。
早朝、例によって富士見町の雑木林に行きましたが、これといった収穫はナシ・・・
その後、嶺公園に虫探しに出かけました。



シオヤトンボ ♀


シオヤトンボの成熟した♂

シオカラトンボに似ていますが、シオヤトンボは尾の先まで白っぽくなっているので区別が付きます。

ニホンカワトンボ




アジアイトトンボ


アジアイトトンボを見かけた池にはたくさんのオタマジャクシ


ダイミョウセセリ

大名せせりという名前の由来ははっきりしないようですが、紋の入った裃を着ているように見えることと関係があるように思います。
学名 Daimio tethys 

ツマグロヒョウモン ♀


コアオハナムグリ


ナナフシの幼虫

信じられないくらい細い・・・

ミズキ

鳥見・川見

2010年05月15日 21時22分08秒 | 自然観察
もう夏鳥の移動時期も終わりかなと思ったのですが、今朝も夏鳥のサービスエリア的な場所となっている富士見町の雑木林に行っていみました。

やはり夏鳥たちは皆、遠いお山に行ってしまったのか、雑木林の中は先週までに比べると静か・・・
しかし、そのうちキビタキがカワイイ声でさえずり始めました
キビタキ








冬鳥のシメも群れでやって来ました。
シメ

北へ帰る途中でしょうか。行き先は中国東北部?、それともサハリン?


午後は、藤岡市本郷の神流川へ。
昨年度、国交省が整備した「かんな川水辺の楽校」の現地説明会と7月5日に予定されているオープニングセレモニー&観察会の打ち合わせです。



川の流れは変化があって、色々な魚が住み着きそうです。






陸の部分は、まだ植物が少ない感じがしますが、すぐに回復してくるでしょう。元来、河原は頻繁に撹乱が起こる場所です。逆に植生が回復してきた時には、それを保全するために適度な人為的撹乱が必要になってきます。(外来種がはびこりやすい場所なので、その対策も必要)

浅瀬に群れていた稚魚たち  多分ウグイの稚魚


せせらぎ水路には、オランダガラシ(クレソン)が、植栽されたように繁茂していました。(もちろん植えてはいません。自然に定着したのです)


クレソンの繁殖力の強さにはゾッとします・・・



水辺の楽校プロジェクト EICネット[環境用語集]

衝突事故から生還した小鳥たち

2010年05月14日 21時42分34秒 | バードウォッチング
ブログに鳥ネタを頻繁にupするようになり、最近では「ヤツは鳥が好きらしい」と認知されたらしく、知り合いから鳥情報が寄せられたり、見慣れない鳥を見たがこれは何だ?という質問などももらうようになってきました。ありがたいことでございます。

以前にも、職場の窓ガラスに衝突した鳥のことを書きましたが、窓ガラスへのバードストライクは意外なほど多く発生しています。
今回は、知り合いから頂いた画像のうち、窓ガラスに衝突した小鳥2種を紹介します。

カワセミ
衝突直後 気絶してます


立ち上がったが、まだもうろうとしている


復活

この後、ちょっと目を離したスキにいなくなったということです。

オオルリ



前橋市郊外の民家の窓ガラスに衝突し、気を失っていましたが、しばらくしたら元気に飛び去っていったそうです。



ガラスへの衝突事故は起こらない方が良いのだけど、正直言うと、私もこんな間近でオオルリを見てみたい・・・(^^;)


ガラスに衝突する鳥たち 日本鳥類保護連盟

敷島公園ばら園2010 開花状況(5/14)

2010年05月14日 19時55分04秒 | ぐんま花だより
春バラのシーズンを迎え、敷島公園ばら園では明日から恒例の「ばら園まつり」が始まります。
今日、バラの様子を見てきたのですが、まだ花は咲きそろっておらず、少々寂しい感じでした。
見頃は今月下旬頃でしょう











ばら園まつりのポスター (ばら園まつりのチラシ(PDF)にリンクしています)


敷島公園ばら園まつり 前橋市


♪        ♪        ♪        ♪        ♪        ♪        ♪

おまけ

コミスジ

高崎市の碓氷川河川敷にて

田能久のハンバーグ (高崎市八千代町)

2010年05月13日 22時16分03秒 | 美味しいぐんま
高崎市八千代町の住宅地の中にある洋食屋さん、田能久。
なかなか立ち寄る機会が無く、昨年12月のオフ会以来の訪問にして、初ランチでございます。

落ち着ける店内


ハンバーグ

私の中では、洋食屋さん=ハンバーグという図式があるのです。
とっても美味しゅうございました
周りに 誰もいなかったら、お皿に残ったソースをペロペロ舐めたいくらいでしたよ

ランチではミニコースがオススメ。日替わりの前菜やデザート、コーヒーがセットでランチメニュー+250円です。
本日の前菜


いちごのシャーベット



洋食屋 田能久

田能久店主戯言 オーナーシェフのブログ



                                        

おまけ
先日、セブンイレブンで購入したお弁当
赤城山麓牛 牛すき焼き弁当


こういう地元系弁当には、激しく反応してしまいます。


「すき焼き弁当」ではなく、わざわざ「牛すき焼き弁当」と書いてあるのは、すき焼きに豚肉を使うことが少なくない土地柄だからか・・・?(子供の頃、すき焼きといえば豚肉だった)