ガールズパワー ミャンマー初の女性グループ誕生

2013-05-23 19:00:00 | ニュース
 タイタイ、ワイニン、キミ―、アームーン、チャチャで結成したのが「タイガーガールズ」という、ミャンマー初の女性グループバンド(バンド言っていますが、演奏はしてません。なのになぜバンドなのかは不明) 

 軍事政権下で過去21年の内、15年アウンサン・スーチーが軟禁状態であった中、民主主義が台等してきてこういうことも可能となった。

 トレーナーはオーストラリア人のニッキ―。外国人と触れあうことのない彼女らにはそれだけで不安だ。特に芸術面ではなかったそうだ。


 私たちは欲しいものを手に入れる。

 そう言っても表現の自由はまだない。今まで歌手が歌うとしても、外国のコピーだけでオリジナルは無理だった。

 タイガーガールズはどうにか自分たちの歌を作りたいと思い、詩を書く。しかし自分を表現することに慣れていない彼女たちには難しい話だ。

 仕事と言ってもナイトクラブだ。

 ナイトクラブで仕事をしていると売春に間違われる。特に女の子たちが自己表現することに慣れてないから、出ていっても、客は、ポカンとした顔で彼女達を見る。

 でも受け入れられる。善は勝つと彼女達は信じている。

 トレーナーのニッキーが彼女らを発掘したが、世間の評価は「平凡な女の子だ」というものだ。

 ウィっグを使うことも政府から禁止されている。

 アルバムを出すのでも検閲(3か月かかる)を通ってからでないと出せない。

 事務所の社長は大手のCMにでも出てくれれば基が取れると思っていたが、それは遠い夢だった。ピーターはミャンマーでは大きな会社の社長で将来はイギリスと肩を並べるくらいになりたいと思っていた。

 彼女らの事務所の社長ピーターとニッキーとの間にすぐに方向性に対して亀裂が生じた。

 彼女達は契約更新をしてもらえず、給料も出ない状態に追い込まれて行く。

 しかし、夢は大きい。バンコクへ行ったら?私たちもポップグル―プとして、大歓迎を受けるかもしれないと夢は大きい。

 しかし、事務所の無くなった彼女先の行き先は暗くなる。食事ものどを通らない。

 それでも彼女らに肩入れしたニッキーが自らの預金で、どうにか彼女達を売りだす。自分でも馬鹿じゃないかと思うが、途中で放り出せないという。


 しかしさらなる試練は襲う。元の事務所の社長は、契約更新しなければそれで全部終わると思っていた。
 けれど、まだ「タイガーガールズ」の名前で活動していることに驚いた。あれは事務所のものだ。
 名前、ロゴの使用停止命令が出る。

 彼女達は、自分の新しい名前を考える。他の国のアーティストだって、歌で売れたのよ。彼女達は自分を励ます。

 彼女達の平凡というのも、キュートさが足らないなど、そういう意味もあるようだ。しかし政府がこういう恰好をするなと言うから、それも難しい。

 ミャンマーでは卵型の顔立ちと小鹿のようなつぶらな瞳に薔薇の花弁のような顔が受ける。
 特にキミ―はこの仏教国では珍しいキリスト教徒で、他国民国家を代表するチン族の出身だ。しかし顔が平たい。いっそ整形しようかとまで追いつめられる。

 他のメンバーも露天商をしている親を助けたい。

 モデルはしているが、色が黒過ぎるのが難点でもう1つ仕事が発展しない。

 そういう子が集まっていた。
 
 この国で受ける顔立ちは、小鹿のような瞳薔薇の花弁のような唇 卵型の顔立ちだ。



 タイガーガールズは、ミー&マイガールズの意味を混ぜて、ミャンマーガールズと改名した。

 そしてニッキーの力で憧れのバンコクに行く。

 しかしバンコクに言っても、見ていた記者から出たのは歌の下手な子が1人いる。

 そのワイニンにそういう評価だ告げると、過呼吸に陥った。

 でもこの辺はどこの国のどんなアーティストでも通る道だ。


 民主化しても、古い伝統がなくなるのは、嫌だ、民主化はゆっくり来てほしいという。

 ミャンマーでは、人より優れていて強くないと成功できない。


 やがて、ニッキーが初オファーとして、ハリウッドでのレコーディングの話を持ってくる。何度も彼女のコネで、大物ブロディーサーと交渉を重ね、決めたという。


 ハリウッドの壁は厚いのに、やはり、珍しいのかな。
 それともレコーディングくらいだったら、わりとボーダーが低いのか。

 あとは直接行って話を詰めるしかない。

 ここでニッキーは彼女らに別れを告げる。

 ミャンマーでは、なんでも人がしてくれる。子どものオムツさえ、自分で替えなくても替えてくれる。
 でも私は、それをしてもらえなくてもオーストラリアに帰りたいという。

 ミャンマーガールズは独自の道を行く。

 それが成功しようが、失敗しようが。


 いつか、また軍事政権下におかれ、民主主義でなくなったら、彼女達は逮捕されるかもしれない。

 それでも一緒に刑務所に行こうと約束した。


 若いからできる。

 挑戦していける。


 先のことなど誰にも判らない。

 判らないから、将来、大きな飛躍もあるのかもしれない。


 今少女たちは、新しい時代に羽ばたいて行く。 

幻の王女 チャミョンゴ 第27話

2013-05-23 15:00:00 | ドラマ/映画/ドキュメンタリー
 ハソは、チャミョンかもしれない似顔絵を持って、牢のホゴクに泣き落としで、チャミョンかどうか尋ねる。
 しかし、楽浪国を認めないホゴクはあなたを王后と認めないし、そんな娘も知らないという。

 ホゴクが何かを察したので見ると、じっと影からハソの様子を窺っているジャシルとチソがいた。

 急いで部屋に帰ったジャシルは、ホゴクが口を割らない内に始末せねばと思うが、そこへハソがやってくる。
 どういうつもりだと尋ねるハソに、もちろんラヒが心配だからだとぶっちゃけるジャシル。
 お前はあんな…子どもをかんざしで刺すようなことをして悪いと思ったことはないのか?といってもないと突っぱねる。実の兄を殺した時におかしくなってしまったでしょう。
 むしろ私があなた達を王と王后にした、今、ラヒを捨てるのかと迫る。
 そんなつもりはない。チャミョンが見つかっても王太女にする気などないとハソが言っても、あなたはラヒは見捨てるのかとジャシルは迫る。
 あなたは王太后の地位まで与えられた、栄華を極めたのだ。

 王后は怒り、チャミョンを王女としても認めないというジャシルにあの子が戻れば王女として認めるというが、ジャシルは、もしチャミョンがラヒを傷つければ、ただでは済まさないと脅す。

 その頃、チャミョンは危険を承知で、母に会いたい思いで、楽浪国に1人向かった。
 ホドンはテチュからチャミョンが旅立ったことを聞き、慌ててあとを追う。
 一休みしていたチャミョンはどうせ聞こえないだろうと、以前王子からもらった、吹いたら必ず駆けつけるという笛を吹く。
 そうしたら、近くまでやって来たホドンが本当にやって来た。チャミョンはその胸に飛び込んだ。
 
 2人は久しぶりの外出ということで、街へ繰り出すことにした。
 王室の内情を知らない街の人々はヘエウの誕生100日を祝ってにぎやかだ。俺たちも先のことは考えず、ヘエウの誕生を祝おうかとホドンが言い出した。

 2人は1銭でくす玉を割れば、男女の婚礼の衣装を着て街を馬で練り歩けるゲームに参加し、見事に衣装を勝ち取った。

 街を練り歩き、最後は宿屋の一室に辿りついた。
 ホドンはいう。ふと思った。王になどならず、お前の男として生きたい。それでも幸せじゃないか。今夜はお前と寝たい。だって花嫁だろう。…しかし止めよう。いつかお前を抱ける日が来る。
 2人は軽い口づけを交わした。

 ラヒはヘエウの宴の席から、ヤンドクにいわれ、そっと席を立つ。ホルが待っているのは今日までだ。脱出するなら今日しかない。この宴のどさくさならどうにかなるかもしれない。宮中の女の服を着て、宮中は脱出した。
 プクはホドンに寄り添って一夜を明かしたが、そっと目を覚ますと、ホドンに語りかけた。
 あなたは王になる運命の人なの。いつか言ってましたね。プク、愛とはなんなのだ。愛する人を待てないのは愛ではない。でも離れていても心は一相求める。それが愛だと思います。
 
 チャミョンは楽浪国へ1人旅立った。生命ある限り、ホドンを愛すると誓って。
 昼になり、ラヒの逃亡が発覚した。ウナルにラヒを探し出すよう命令し、生け捕りにする必要はない。首を討て、捕虜が逃げたのだ。重罪だ。高句麗王を騙した罪は大きい。ウルドゥジは外交問題になるというが、王は許す気はない。そして、内通者が必ずいるはずだから探せと命令した。
 
 ホドンは街に探しに出たテチュになにがあったかと聞き、初めて重大な問題になっていることを知る。
 そして一緒にいたヘンカイにプクは戻っているかと聞くとこちらも戻っていないという。

 王子には、なにがなんだか判らなかった。

 楽浪国にも知らせが行く。脱出したのはいいが、首を討たれることに王も王妃、次妃まで心配だ。
 チェ・リはムヒュルに自分の娘の生命は自由にさせないと、兵を出させる命令を出した。



 とにかく王妃の人柄があほかというくらいよすぎる。
 散々策で振り回されたのだから、チャミョンの代わりに育てようと、ラヒなどどうでもいい。母が守らなくてどうする?そのチャミョンと子どもの頃から会っていても全く気付かないし…。
 ここで1発ガツンとやってやればいいのにと思うが…しないのが、このハソなのね。



 トンゴビは1人、枝を杖代わりにしながら、楽浪国を目指していた。チャミョンの消息を伝えたい、その一心だった。

 ヤンエはラヒなどどうでもいい。いざとなったらホゴクを殺してもいい。ワン家は南部の7県を抑えているのだから嘆願を募り、チャミョンを王太女にしようとしていた。

 ホドンは、ラヒはまだ都にいる。それぞれ門を守れと指示をだす。
 チャチャンスは、探しだしたら、どうするのかと聞くと、生け捕りにせよという。しかしそれでは王命に…そうでなくて王の怒りをユ・ホンの所で犯している。それでもホドンの気持ちは変わらない。

 ラヒは出入りの業者を捕まえ上手く服を盗んだが、出ようとしたのが、ホドンがいる来たもんだったために、森に入りるや否や、ホドンが現れ、このまま戻れという。剣でも切実さでも自分には勝てない。
 しかし、こんなときでもラヒはホドンに自分を愛しているかと聞く。ホドンは確認が必要なのかと答える。
 ラヒは高句麗に戻れば、間違いなく父から捨てられる、民心も失う。

 ラヒは続ける。ホドンに愛されていても、私の心は埋まらない。父や民の心より弱いから。勝負よ、負けても勝ってもここで勝負をつけようと戦い始める。




 この女、馬鹿じゃないかと思う。ホドンは愛より利用が上だし(それはなんとなく判っているらしいが、父の気持ちも見抜けず、民が愛しているのは、暮らしをよくしてくれれば誰でもいいのであって、ラヒである必要もない。きちんと教育がなされず甘えて育つとこうなるのか、伯父の死を見たのが原因なのか、元々頭脳明晰でないだけなのか…、1人であがいて、1人で不幸を呼んでるようにしか見えない)

 ホドンはホドンで真っすぐに愛をぶつけてくるラヒを計算づくで扱えない。喉まで剣を突きつけられ、どうにか交わし、ラヒから殺せと命じられているのでしょ、殺せと言われてもできない。
 ラヒはなおも言う。ピュリナ族もヘエウも制し王座に就けと言っても、ホドンは、ここはウナルが包囲している、地理に判らないお前達にはどうしようもない。付いて来いという。

 ホドンは愛情と言うより、同情だろう。
 1番性質が悪い、感情だ。そして女の勘違いに発車をかける。

 ホドンにしてもラヒにしても、ある意味似ている。ホドンは自分の不幸の中で、ラヒは甘やかされた環境の中で、人の上に立てる人格には育っていないし、器でもない。

 ホドンは途中までラヒを先導し、ここから先は1人で行けという。何故逃がしてくれるのかと言うラヒの問いに、チェ・リに対する敬意だという。

 ラヒは一緒に楽浪国へ行きましょう。高句麗宮中にいてあなたの辛さがよく判ったわ。楽浪国で一緒に暮らしましょうという。


 でもそうすると、今度は王女が高句麗の王子を捕虜にして帰って来たことになって王女の株は上がるが、高句麗国にとってはとんでもない失態となり、ホドンは無事ではいられなくなる。ラヒが頼んだ所で、戦いの目になるなら、チェ・リはそれを利用するだろう。

 2人のことしか、考えられない、やっぱり似た者同士のような気がする。

 ホドンはここが故郷だから故郷を離れては幸せになれないという。
 ラヒは、プクがいるから?と聞く。彼女は去って行った。
 安心してほほ笑むラヒ。
 私たちまた会えるかしら?お前が生きてさえいれば…。

 
 演出としては、ここで恋愛を演出したいのでしょうか?そんな状況とはとても思えませんが…。
 
 ジャシルの元には、ヤンエがラヒを廃妃しろといっている話を聞いた(そのときはなにも聞いておりません、父をヤンエが殺したことに恨みは持っていませんと言っていた=トスギ)ワン家の家臣が注進に向かった。

 こうなるとジャシルだ。ヤンエを殺せとなる。

 気付くとトスギのせいでワン家の庭では戦いが始まっていた。ヤンエは驚く。大義のため主人を捨てますとトスギはいう楽浪国を守るため、次妃の命を受け、反逆者を討ちに来たとヤンエに剣を向けた。

 裏切り者めー、ヤンエの怒りが爆発し、ともに剣を持ち、ヤンエの剣が舞う。

 ジャシルは祝い酒を飲んでいた。ホルもいない。チェ・リもいないときにヤンエが尻尾を出すと歯と大喜びだ。
 

 

 元をただせば、ジャシルがワン・ゲンを殺したからこうなったのであり、チャミョンを殺そうとしたのが更なる凶元であり、国に対する大義にそむき、自らの欲望に溺れているのは誰ですか?



 その頃、どうにかしてホルに切り刻まれたリボンを縫い合わせ、そこに書いてある文字を読もうとしていたチャチャンス達が、ついにリボンを縫い合わせ、プクの正体を知った。

 ラヒはホルと会え、脱出の新たなる道へ踏み出した。

 ホドンは高句麗王に呼ばれ、ラヒを逃したのかと言われ、そうだと本当のことを答えていた。

エンジェル・ハート 新宿抗争篇 第9話 香瑩~失われた名前~

2013-05-23 12:30:00 | ドラマ/映画/ドキュメンタリー
 爆破が怒ったことで青龍の大半が死ぬか負傷した。趙の怒りに火が付き、誰でもいい、街の人間を殺せ。
 シティーハンター、お前をいぶりだしてやるとなってしまった。

 本当は仲間が起こした爆発なんですけど…。

 しかし遼とその仲間はみんな武器を持ち、街に出すなとここで足止めしろと、銃を撃ちまくる。

 新宿西署はヘリは飛ばして様子を見ているが、署長の冴子が消えた為、命令を出す人間が不在で、しばらく待機せよとなってしまった。

 
 
 役にたたん警察やの~。


 グラスハートを唯一の仲間、36番の信宏(しんほん)は外傷もなく、目覚めるだけのようだ。
 信宏は思い出していた。

 まだ10歳になるかならない頃、森の中を銃を持って走らされ、1番遅いのに木の根に足を取られ。転んだ。苦しくて泣きだしたら、先にいっていた信宏が、戻ってきて大丈夫か27番、遅れると怒られるぞ。一緒に走ろうと言ってくれた。彼がいたから、あの訓練に耐えられた。

 しかし貴様は命令されたことをすればいいんだとグラスハートを助けたことをとがめられ、上官から付き飛ばされ、飯抜きにされた。
 そこにグラスハートが食べてと自分の分を持ってくる。

 それも監視カメラが全て見ていたのを知らなかった。

 信宏の恋心はずっと監視され、仲のいいもの同士が最終試験でわざとに組み合わされた。あまりできのいいわけじゃなかったグラスハートは残り、信宏がやられたのは意外だったらしい。人の心を持っていたのでは、殺人マシンとしては不完全だからだ。
 それぞれ、別の舞台に配属される。もう2度と会うことはないだろうと、幹部は思っていた。

 しかし信宏は思っていた。グラスハートを助けるため、自らに生命を犠牲にすることになっても、俺は生きてやる。そしてもう1度、27番のグラスハートに会う。それが彼の唯一の支えだった。

 やっと目覚めたとき、そばにグラスハートがいた。
 
 ここは天国らいしな。
 シティハンターがお前を助けた。
 
 信宏は思っていた。凄い男だった。全く気配を感じさせなかった。起爆スイッチを押す前に俺は当て身を食らった。爆発は怒ったのか。飛び起きる信宏に、グラスハートは、それも彼が…。
 
 そうか、また死にぞこなっちまった。
 ダメだ、死んだらダメだ。

 人を殺すために生きる。それは人の生き方じゃない。信宏は言った。グラスハートもそうだと思っていた。
 私たち、同じだ。私も人を殺す度壊れていった。心が痛かった。だから1度は死のうとした。
 
 死ぬなんて言うな、生きてくれ、私も生きたいから。

 笑顔を見せてくれと信宏に言われるが、グラスハートは今は無理だという。笑い方、忘れた。


 これが15歳の少女達の台詞だからね~~。


 餅山は生命あってだとさっさと逃げ出していたが、毒と智に見つかり散々、お前それでもやくざか。新宿のやくざも地に落ちたもんだと言われていた。その餅山を見た信宏は、離れろ、そいつは敵だ。陳を狙撃したとき一緒にいた。

 李大人の弟、影武者を狙撃したのは、信宏だった。
 
 グラスハートは安心しろ、あいつは間抜けなやくざだ。
 ドクも確かに青龍系のやくざだが、今は生命を狙われている。今はわしらの仲間じゃ、一応はな。

 けれど、餅山はこれで、恩を売って逃げられると隠れて携帯電話をかけようとしたが、何かの液体が流れてきて、気を失う。

 信宏、お前と名前を覚えてたんだな。最初に会ったとき、名前を覚えてないと言った。何故嘘をついた。
 それは…

 いいかけたときガスにやられて、ドクが倒れた。智も倒れていた。

 信宏は、しまった、催眠ガスだという。

 信宏が倒れた。お前に名前を覚えていると言ったら、悲しそうな顔をしたお前を余計悲しませると思った。そういい、意識を失った。
 グラスハートも倒れた。かろうじて意識を保っていたグラスハートは、信宏を連れていくマスク姿の青龍の姿を見た。信宏が殺される。2人は殺される。ダメ。
 
 まだ意識を保っていたグラスハートをある人物が撫ぜた。この子が…。李大人、立派なお子様です。と陳侍従長の声が言った。そして信宏だけを連れ去った。

 グラスハートは、どうにか起き上がり、落ちていたビール瓶で自らの身体を傷つけ、意識を保った。信宏を助ける。それしか頭になかった。

 信宏は目を覚ました。ゲンロン(玄武のことか?)部隊、直属の大きな部隊らしい。
 正直に答えよ。
 2日間前、お前は1人の男を狙撃したな。その男が何者か知っていたのか?お前の撃った男はチェンダオヘンの大ボスだ。
 そういう男の顔が雲がどき、月明かりで見えた。李大人だ。自分が撃った相手だった。

 信宏は、趙(チャオ)チーフにと答えた。ただ命令に従ったか。確かにそれに疑問を持たず忠実に実行するのがお前の役目、そういいながら、男の拳は震えていた。
 しかし、今、お前が命令違反を犯し、グラスハートと接触してた。それは自分の意志か?
 
 …生命の恩人だから…。

 恩人!?

 恩人を助けるためです。
 それが組織を裏切る行為であってもか。
 はい。

 裏切り者への制裁を知っていてか。
 はい。俺の生命はグラスハートにもらった。この生命はあいつのために使うと決めていた。悔いなどない。
 
 李大人は銃を向け
 
 お前の罪は重い。いかなる理由が会っても許されるものではない。
 
 
 そのとき銃声が響いた。

 グラスハートは銃を持ち街に出ていた。信宏を探しに来たのだろう。

 海坊主と遼は話していた。

 聞こえたか?今の銃声。
 ああと遼が答えた。
 敵か、味方か。海坊主も答えがない。

 遼は背後に銃を向け、

 そこのお客さん、答えてもらおうかと言った。

 さすが冴羽様、出てきたのは、陳だった。

 李は信宏の頬の辺りを撃った。かすかに血がにじんでいる。
 
 今、青龍としてのお前は死んだ。その生命、その者のために使うのだ。
 

 遼に陳は言った。李大人の使いできた。
 おいおい、状況を見ていってくれ。デートのダブルブッキングはできないぜ。
 この騒ぎは間もなく終結します。
 
 玄部、お前さん達が動いていたということか。
 陳は、こちらへと言い、遼を案内した。
 
 しかしその2人が振り向く前に趙(チャオ)が遼を狙っていた。玄部がそれをナイロン糸で首を絞め、そのまま後ろへ引ずった。

 冴子も様子に気づき、街のみんなの攻撃をやめさせた。

 敵の攻撃がやんだ…。なにが起こったの?

 グラスハートはさ迷い、信宏の元へ行った。
 そして信宏は、グラスハートが大きな傷を足に負っているのを見て、まさか自分で、俺を探すために…。
 グラスハートはかすかにほほ笑んだ。
 信宏は(しんほん)、お前は私の仲間だから。これから一緒に…。
 安心したのか、グラスハートは倒れた。

 けれど、信宏は、俺にはまだやらなければならい事が…と言い置き、銃を手に飛び出した。

 眠ってしまったグラスハートを、李大人は抱きしめていた。

 シャンイン…私のシャンイン…

 いとおしむような李大人の声は父親のものだった。