☆ 初旅や老いてつくづくいろは唄 小沢変哲
この俳句の作者、変哲さんは
「小沢昭一的心、、、、、」
と、軽妙な語り口でラジオから流れてきていた、俳優の小沢昭一さんだ。
東京やなぎ句会のメンバーであったとか。
有名な、やなぎ句会も鬼籍に入った方が多い。
永六輔さん。小三冶さん。江國滋さん。船橋さん。米朝さん。加藤武さん。
賑やかに、あちらの国で句会をやっているに違いない。
今日の読売新聞の「四季」から変哲さんの いろは歌留多の句。
この数日「四季」には変哲さんこ句が載せられている。
☆ さあ集まれ俺の稼ぎぞお年玉 変哲
☆ 雪女郎とけて流れて三島まで 変哲
☆ 親鶏のぬくみ宿して寒卵 変哲
☆ 酢なまこやのれんを入れた後の酒 変哲
☆ 黒き炭赤く燃え尽き白き灰 変哲
☆ 繭玉の宵やなに丸なに奴 変哲
タレントでエッセイストで、昭和の語り部として活躍をしていた彼らしく
ユーモアの句
含蓄のある句
正統派の俳句
と器用に詠み分けている。
古い日本の郷愁と、寄席の雰囲気、粋で才能に満ち溢れていたラジオの語りが耳底に甦ってくる。