港の薔薇を観に行く。
真っ白い薔薇の清らでなんという美しさに魅了をされた。
今、西行花伝 を読んでいる。
西行さんと言えば桜の花。
薔薇は西洋では、古代の四大文明の時代までさかのぼるそうである。
イギリス王室の紋章であるし、聖母を「純潔のバラ」などと呼んでいる。
その薔薇の花を、さてさて西行さんは観たことあるや無しや、、、
そんな事を思いながら、薔薇の花を満喫した。
☆ 薔薇園一夫多妻の場をおもふ 蛇笏
小豆島からの船が着いた。
コロナ禍で乗船者ま勿論のこと、薔薇園に来ている人もまばらである。
☆ 薔薇に付け還暦の鼻うごめかす 三鬼
全くもって、この景に行き合わせた。
最初は何をしているのかと思った。鼻がピクピクと動いている。
コロナで匂いが云々、、、きっと鼻の試験か?私くらいの老体の男性。
白い部分は光の加減ではない。
中心の方が白のまだらになっている。こんな薔薇は観たのは初めてだ。
☆ 太陽のもとに生まれて薔薇作る 櫂
アーチを潜るときは薔薇の香に抱かれたような気がする。贅沢な一瞬だ。
☆ 薔薇の門くぐりて海へ近づきぬ 中嶋秀子
海風に押されるように招かれるようにアーチを潜ると瀬戸の海が光っていた。
今日はヨットもたくさん出ていた。
☆ しんと立つ薔薇の莟や薔薇の中 櫂
< 「古今集」「源氏物語」に(さうび)「明月記」に(長春花)とあるのは中国伝来の庚申薔薇である。先生の歳時記より。
薔薇は最も好きな花であるが一句も詠めない。
一句、ものにしたいとおもいつつ何十年もたった。
難しい花なのである。難しく考えすぎているのかな。