Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

血液脳関門

2006-04-20 | 想い・雑感
 「GABA」と表示されているコーヒー飲料を見つけた。
 ストレス社会と闘うあなたに!というキャッチコピーが目についた。

 GABAというのは、γアミノ酪酸の頭文字をとったもので、かなり以前から抑制的に働く神経伝達物質(神経細胞から神経細胞へ指令を送る物質)とされている。そこで、神経を静める効果を印象づけるキャッチコピーになったと思われるが、少し疑問。

 全身を流れる血液は、体の隅々に栄養と酸素を送り届け、不要な物質を回収してくる。しかし、脳は体の司令塔。有害な物質が脳に流れ込んでは困るので、血液中から脳にとって必要なもの以外は流れ込まないようになっている。これを血液脳関門と呼んでいる。

 GABAもこの関所を通ることができないそうなので、GABAを口から摂ってもそれが鎮静効果へ直結するとは考えにくいような気がする。おそらく、販売戦略会議か何かで、心を静める点を強調しようということになったのでしょうが、少し引っかかる。ただし、血圧を下げる作用、中性脂肪を除去する、肝臓や腎臓の能力を高める、などの効果はでるであろうから体に悪いことはなさそうだ。

 ちなみに、私も単純なのか、この飲料を飲んでみると不覚にも心が落ち着くような気がしてしまった。情けない。でも人の情動ってそんなものなんでしょうね。