Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

死因

2006-08-20 | 医療・病気・いのち
 癌というと「死」を思い浮かべる方が多いと思います。なんといっても、死因となる疾患の中で、癌が最も多いのですから。でも癌で亡くなる方が1/3といわれているので、がん以外で亡くなる方のほうが多いのです。

 10万人の人がいれば、癌で死ぬのは250人くらい、心疾患が120人、そして脳血管疾患が100人ちょっとくらいの検討でしょうか。

 それでも癌が恐れられるのは、痛みなどの苦しみのことを考えるからかもしれません。また、心疾患や脳血管疾患の場合、死ぬときは急に、という場合が多いので、本人にとって「死」を意識する時間がないのかもしれません。

 しかし、癌になろうがなるまいが、必ず死は訪れます。時には死について考え、生きていることに感謝しつつ今をしっかり生きることが大切なのでしょう。

 病気以外にも、人がなくなる原因は、事故や自殺、他殺などいろいろあります。でも、死因の中に今後の日本で、「戦死」なるものが出てこないことを、強く願います。

ナイフ?

2006-08-20 | 医療・病気・いのち
 お腹の手術を始める場合、まずメスを手術介助看護師から受け取り、皮切(皮膚を切る)をするのが最初のステップだ。

 昔半身麻酔で胃や腸の手術を行っていた頃は、麻酔が切れるまでに手術を終える必要があり、早さがもっとも重要な技量だったと聞く。その頃は、メスの最初の一太刀で、内臓を傷つけないぎりぎりの深さまで切ることを目指していたようだ。

 それが全身麻酔の進歩と、電気メスの出現で変わった。

 現在でも、早さは重要なファクターではあるが、しっかりと麻酔科医が全身麻酔をかけ全身状態を管理してくれているので、確実性と安全性の方が当然プライオリティーが高い。 また、電気メスを用いるとやけどを起こす可能性のある、表皮のみ普通のメスで切り、後は電気メスで切開を進めた方が、ずっと出血が少なくてすむ。

 手の動きは速い方がよいが、経験が増え無駄な操作がそぎ落とされてくると、急がなくても手術は早くなるし、患者の体への負担も少なくなる。むだがなくなる過程というのは、手術に限らずどんな技術においてもいえることだろう。

 ちなみに「メス」というのはドイツ語だろうとずっと思っていたが、どうもオランダ語らしい。英語で言うとknife(ナイフ)になってしまう。手術室でナイフというのはどうも違和感があり、今でも、麻酔科医、看護師、助手に準備を確認し、「よろしくお願いします。」とチームと患者さんと手術の神(私が勝手にきっとそんな神もいるだろうと思っているのだが)に声をかけ、「メス!」の指示で手術が始まる。

そら

2006-08-20 | 想い・雑感
 台風の影響もなくなり、今朝は快晴。

 空を見上げ、「今日も暑くなりそうだ。」と思いながらも、
どこかに秋の気配を感じる。

 何の気無しに見上げる空。
空を背景にした地上の景色、雲の形や動き、空中を舞う虫、空飛ぶ鳥や飛行機。
今の日本人の中に、そこから恐怖というものを感じる人はほとんどいないと思う。

 しかし今、世界に目を向けると、空爆や砲弾への警戒や恐れから
空を見上げている人も少なからずいるはず。また戦時中の日本人も
同じであったろう。玉音放送を聞いて、「これで爆弾が空から落ちてこない。」
と安堵したという人の話も聞いたことがある。

 日本の空に、再び恐怖が戻ってくることがないように願う。
そして、世界の空に爆撃機が飛び交うことの無くなる日が
一日でも早く来ることを願う。