Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

ワクチン

2006-10-02 | 医療・病気・いのち
 久しぶりに丸山ワクチンの名を聞いた。胃癌再発患者の家族から、使用希望があったからだ。

 この薬剤は、1970年代に、癌の特効薬と騒がれたものだ。

 しかし、その後の治験で癌に対する有効性が否定され、保険認可が下りていない物質だ。認可が下りていない以上私が患者さんにお勧めすることは決してないが、使用を要請されれば断らないようにしている。重大な副作用がない薬剤なので、少なくとも肉体的不利益は被らないと思われる。よって使いたいという思いの方を尊重したいのである。

 丸山ワクチンは、免疫系に働きかけることによってその効力を発揮するとされていた。癌に対して、免疫治療が有効か否かを判定することはかなり難しいことである。現在いろいろな(怪しげなものも含めて)免疫療法が喧伝されているが、その効果は?のものが多い。改めて丸山ワクチンの薬効を研究し直すというのも面白いかもしれない。

 丸山ワクチンが不認可となった同時期、他に免疫がらみで癌に効くとされた2種類の薬剤があった。丸山ワクチンと同様にそれほど効くという結果が得られなかったにもかかわらず、この2剤は認可となった。認可された薬剤の開発に関わった人間が、認可の可否を決定する側にいたため、その許認可過程に裏があったのではないかと騒がれたという意味でも、興味のある薬剤である。

 しかし、繰り返しになるが、現在保険認可されておらず、癌に対する明らかな薬効も証明されていない以上、私からお勧めすることはない。

病理診断も難しい

2006-10-02 | 医療・病気・いのち
 癌であるかどうかの最終診断は病理検査で決定される。採ってきた組織を顕微鏡で見て調べるわけである。薄々に削った組織をプレパラートに載せ、必要に応じて様々に染め分けて診断してもらう。しかし100%信頼をおけるものでもない。

 多くのものは癌かどうか診断をつけてくれるが、中にはかなり難しいものも有るようだ。癌細胞といえども元は正常の細胞であり、患者さん自身の細胞なのだから、正常状態との形態的差異の大小で、診断の難易度も様々らしい。

 特に甲状腺などは、全く持って悪性とは思えないような組織型でありながら、骨転移などが見つかってはじめて臨床的に癌であると診断がつく場合もある。

 乳腺も診断の難しい場合が割と多いようで、同じ標本を複数の病理医に見せると、診断が割れることも珍しくないらしい。

 乳腺にしこりがあり、針生検で良性といわれても、しこりがあるなら定期的に調べてもらった方が良さそうだ。半年でエコー所見などが大きく変化することもあるので。

蜂がやってきた

2006-10-02 | 想い・雑感
 我が家には、夏の日よけもかねてぶどうの木を植えている。なかなか甘い実をつけるのでここ数年楽しみにしている。ところが今年はどうしたことか、数種類の大きな蜂がその実めざしてたくさんやってきてしまった。

 蜂に刺されるニュースもよく聞くから、この時期は幼虫を育てたりと忙しい時期で、栄養物を集めるのにも一生懸命なのかもしれない。刺される恐れがないのなら、甘い汁を吸われるのもよしとするが、近所の迷惑にもなるので、葡萄の実をすべて採ってしまった。

 水をかけて追い散らし、その隙に取るのだが、あっという間にまた蜂がやってくる。水をかけては少し取るを何度も繰り返しようやく終わった。

 生へのエネルギーを強く感じる出来事だった。

 去年まで全く来なかったのに、今年になって突然やってきたのは、近くで行われている川辺の工事が影響しているのかもしれない。人の営みは、生態系に大きく影響することもあるから。ただ、たまたま我が家の葡萄を見つけた一匹の蜂がいただけという可能性も十分あるが。