Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

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ダンジーブログ

輸血

2007-06-23 | 医療・病気・いのち
 手術に出血は付きものです。しかし、胃切除や胃全摘で輸血が必要になるほど出血が起きることは普通ありません。もともと癌や潰瘍からの出血で貧血があるような場合を除いて、私は輸血をした記憶がありません。

 ただ、手術に絶対と言うことはないので、術前の説明で、必要と判断した場合には輸血をする旨をお伝えします。宗教上の理由で輸血を拒否する方がおられるからです。もし必要時の輸血を拒否されたら、まず輸血はしないと思っても、手術の執刀はお断りするかも知れません。

 私たちは、命を救うことを一番に考えます。ところが、輸血をすれば救える命が目の前にあっても、本人の許可がなければ、輸血をしてはならないというのが、最高裁の判断なのです。腑に落ちないけど、それが司法の頂点の判断です。

 帝王切開後の弛緩出血に対して、病院側の説得にもかかわらず、家族があくまで輸血を拒否して、最終的に患者さんが死亡したとのニュースを聞いて、ちょっと感じたことを述べてみました。