Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

エリートおじいさん

2008-03-05 | 想い・雑感
スポーツ用品店を営むSさん
現在83歳
胃癌の手術をして6~7年経つ
途中大腸にできたポリープ(一部癌)の治療も受け
まだまだ元気一杯

二泊三日の定期検査入院を希望され
今年も一人でやってこられた

老けない
見事なほど老け込まない

現在でも卓球の大会に出るという猛者

高齢になるほど
生命体としての活力は減ってくるのは仕方の無いことだが
個人差はとても大きい

個人差の中には
もともと持って生まれた活力というようなものの違い
生れ落ちてからどのような人生を歩んできたか   
       どのような生活習慣を繰り返してきたかの違い

つまり 先天的なものと 後天的なものの二つがあるようで

頑健に生まれても生活が荒れていれば早死にするし
若い頃は弱弱しくても養生すれば長生きもできる

まあ Sさんの場合は 両方が良かったのかな

責任の所在? 難しいなぁ

2008-03-05 | 想い・雑感
窮屈で世知辛い世の中ゆえ
うつ病になったり自殺を企図したり実行したり
というひとが増えているとの報道をよく目にする
きっとそうなんだろうなぁ と感じる

うつの場合は
早めに 対応してくれる医師を受診し治療を受けることで
回復してしまうことも少なくないから
もう少し気軽に 精神科を受診できるようになるとよいと思う
そのような環境つくりのために
メディアの方もうつに関する記事を書いてくれるとありがたいですね

ただうつの難しさは
どん底まで落ち込んだときより
回復してきて もう大丈夫かな と思った頃に
突然自殺をしてしまったりするというところのようだ

報道によると
産後うつ病で治療を受けていた方が自殺されたそうだ
外泊許可が出たときに自宅で自殺を図ったことがあったが助かり
その3ヵ月後くらいに外泊したとき
今度は飛び降り自殺をしてしまったらしい

産後のうつということで様々な要因が重なっていたのだろうと
なんとも気の毒な話だが
まさにうつ病の難しさを表している

ところが遺族は
これが病院の責任だとして訴えを起こしたらしい
詳細を知らずに語るのは良くないかもしれないが
悲しみのやり場の矛先を病院に向けても
それは解決にならないように思う

この訴えがとおり病院側が負けた場合
1:精神疾患を治療する現場でも萎縮医療が始まり
精神疾患を診てくれる場が急速に失われていく
2:閉鎖病棟から開放病棟へと変化してきている精神科医療の現場を
 再び閉鎖病棟へと向かわせてしまい
 多くの精神疾患患者は長期にわたり閉じ込められてしまう

という方向に進んでしまうのではないかと 心配

全くの専門外ですが
ちょっと気になったので書いてみました


◇          ◇


「産後うつ治療ミスで妻自殺」 遺族が宮城県を提訴
河北新報 2008年3月4日
 名取市の宮城県立精神医療センターに産後うつ病で入院していた妻=当時(40)=
が自殺したのはセンターが適切な治療を怠り、漫然と外泊許可を出したためだと、
夫と長女が、県に計約6900万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
妻は長女を出産。初めての子育てで生じた疲れや不安を和らげるため別の医療機関を受診し、
産後うつ病と診断され、抗うつ剤投与などの治療を受けた。
 同年8月、妻が自宅で首つり自殺を図り、夫は妻の実家で静養させることにした。
実家でも落ち着きがなくなったため同月中旬、同センターに入院。
退院間近だった同年12月初旬の外泊許可時にビルから飛び降り、死亡した。

天秤

2008-03-05 | 医療・病気・いのち
子供の頃
古紙回収として新聞紙の回収にくる人がいた
出す新聞紙の重さに応じてお金を払い古紙を買い取るわけだが
重さを量るのに天秤量りというのだろうか
1メートル超の棒の片端に錘をぶら下げ
反対端に古紙をぶら下げ
支点となる紐を移動させて錘と古紙のバランスをとって重さを量っていた

そんなに正確ではないだろうが
手早く計量を済ませお金を払っていた

小学校や中学校の理科の時間で使用した天秤は
それよりも正確で
化学実験などに使用する化学天秤に至っては
少しの息がかかってもずれるほどの正確さ

正確さはさておき
いずれの天秤でもバランスをとって重さを量っている

バランスをとるというのはどんな場面でも大切だし難しい

大きな変化がバランスを大きく崩す結果となる
そのブレがいったりきたりしながら
世の中も進んでいくのだろう

医療崩壊と呼ばれる現状も
いずれ良い方向にゆれ戻っていってくることを期待している

ただ今の破綻は急にやってきたものではないので
良い方向へのバランスを図るためには
時間と労力がかかることでしょう

もともとぎりぎりでやってきている救急の現場などは
きわめて脆弱なバランスの上に成り立っていたのだが
突然の臨床研修医制度の変更
安易な時間外受診などによる急患の増加
突然刑事被告人にされかねない現実
訴訟のリスク
などのために無理な実態が表面化してきただけである

救急に限らず
外科医にとってもリスクは上がっているし
もともと外科は
麻酔科医や病理医がいてこそ仕事に専念できるのだが
その両者も人手不足
麻酔科医か病理医が「やーめた」といえば
うちの病院でも直ちに手術が滞ることになる

まあ これは
人手自体が足りないのであり
バランス以前の問題とも言えますけれど