Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

寄り添うこころ

2008-03-06 | 想い・雑感
長年営業で日本各地を飛び回ってきたKさん
薄くなった前額部を光らせながら
ぽんぽんと言葉が飛び出てくる
声に力があり
お話しているとこちらが元気になってくる

Kさんが大腸癌の手術をしたのは約5年前
術後もたちどころに元気になられ
仕事に復帰した
リンパ節転移が少し多かったため気にしていたのだが

術後2年で肝臓に転移が見つかり切除
またまたすぐに職場復帰

さらに1年後 肝臓と肺に再発が見つかる
右下肺だったので肝臓とともに肺切除
流石に術後ぐったりされていたが
復活

その後は抗がん剤治療を受けている

頼まれた仕事をしながら
また遠方の何箇所かのラジウム温泉に行きながら
点滴のために通院している

先日最初の手術のときのお話をされた
術後便秘でお腹が張り苦しい時期があった
そのとき看護実習にきていた女の子が
1時間半ずっとお腹をさすってくれた
随分と楽になった
若い女の子がこんな爺さんになかなかあんなことはできん
今でも感謝している

看護を含め医療には経験と実力が求められる
しかしそれだけではない
若くても 仕事の経験は少なくても
Kさんのおっしゃった学生さんのように
寄り添える心がとても大切なのだ

つい忘れがちなこのことを
思い出させていただいた

運も寿命のうち

2008-03-06 | 医療・病気・いのち
無口で
声を荒げることはないが
自分が思ったことを曲げないYさん

虫歯で徐々に歯は抜け落ち
残るは 前歯と奥歯の数本
前歯はぐらぐら
家族から歯医者に行くよう勧められても

「全部落ちたら入れ歯を作る
それまでは 歯医者なぞいかぬ」
と耳を貸さなかったらしい

そのYさん
数ヶ月前から時折黒い便が出るようになっても
家族には言わず だまっていた

ところがたびたび黒っぽい便が出るようになり
ついにはふらふらするようになって
ようやくかつぎ込まれるようにして病院に来られた
下血のことは本人がそのとき医者に話すまで
家族は全く知らずという状態

ひどい貧血があり
検査を受けたところ胃潰瘍からの出血がみつかった
同時に潰瘍周囲に広がる浅い癌も見つかった
ということで胃切除となった

早期胃癌では症状が出ないことが多く
潰瘍痛や出血で見つかるのは運がいい
Yさんの場合潰瘍の痛みくらいだったら決して病院には来なかっただろうが
出血が続いたために貧血でふらふらになったのが良かった
でなければ1、2年経って進行がんになりやっと見つかるか
さらに後になって手術不能状態で見つかることになる

胃の不調を感じたら
一度は検査を受けましょうね
何も無ければ安心だし
ごく早期に見つかれば
内視鏡で治療まで終わる