Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

生存期間中央値

2008-03-25 | 想い・雑感
抗がん剤の効果を見る指標の一つとして
MST(Median Survival Time ; 生存期間中央値)
というのがあります

無治療の場合
抗がん剤を使用した場合
別の抗がん剤を使用した場合

などのグループに分けて
治療後の生存期間を調べ
その中央値を比較するわけです

抗がん剤を変えることによって
MSTが2ヶ月伸びたとか3.5ヶ月伸びたとかいうことで
効果の有効性を比較するわけです

以前の私は
2~3ヶ月伸びたって意味ないじゃないか
と思っていました

しかし根治が難しい癌だとわかった後の
患者さんご本人や その家族の方の気持ちのありようが
月単位や週単位 時には一日単位で変化し
落ち着いてよい時間を持てるようになる方が居られるのを見ていると

2~3ヶ月って
わりと 大きいなぁ
と思うしだいです

残る時間の猶予

2008-03-25 | 医療・病気・いのち
手術ができない進行胃癌や再発胃癌の治療において
抗がん剤は重要な役目を果たす
特に2000年ころから
それまでの治療とは違い
薬の使用によって寿命の延長が期待できるようになってきた

寿命が延びたって どうせ治らないじゃないか

と言われると その通りなのだが
数ヶ月から1年 寿命が延長することにより
時間が作り出せることになる

私たちの多くは
ぼんやりといつか訪れる死のことを思い浮かべることはあっても
それをしっかりと見つめることはほとんどない

否が応でも考えざるを得ない状況である 末期癌状態
苦しむ時間が延びるだけなら遠慮したいが
緩和ケアを行いつつ治療を行うと
肉体的苦痛が少ない状況で過ごすことができる場合が多い

そこに時間が与えられたなら
自分の人生を見つめなおす
人との関係を見直す
生きるということに対する 思索を深める
ということができる時間が与えられたことになる

これって
意外とありがたいことなのではないだろうか
まあ 有難いか否かは 人によって違うでしょうが