Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

愚かな決定だ(決定打?)

2008-03-07 | 医療・病気・いのち
3時間待って3分診療
という言葉(標語?)が
頻繁に新聞などのメディアで出てきた時期があった
おそらく診察室にいる時間が3分くらいしかない
ということなのだろうが
病院とすれば
 受付その他の窓口業務
 検査(レントゲン技師、検査技師、他科の医師による検査など)
 リハビリ
 注射その他の処置(医師、看護師)
 薬説明や薬の準備(薬剤師)
そのたいろいろな職種が一人の患者に対して動いているわけで
現実的に3分ですべてが終わっているわけは無いのである

3と3で言葉のとおりが良かったので
ぱっと広がったのだろうが
医師以外の職種の方が よく文句を言わなかったものである
診察室以外の業務を診療に含めていないのですからね

ところがここに来て
診察室に患者が5分以上いなければ
外来管理加算をあげませんよ
という法律が通っているらしい
管理をするのは検査所見その他を総合して行っているわけであり
それに要する時間は人によって違う
それを一律5分で区切るというのは
どんな感覚をしているのだろうか

ならば10分30分と時間のかかる人に対して
さらに加算をするのが筋というものだろう

それに例えば3分診療で3時間待つということは
待っている間に医師は単純計算で60人の患者さんと相対していることになる
ならば5分かければ300分(5時間)待つことになる

これはしっかり診察してくださいねという
耳障りのよい言葉に隠して
医療費抑制を図り
現場の負担を増しているだけの
愚かな決定だと思う

さらに医療崩壊を加速させる
決定打になりかねない