Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

外科医と漢方

2008-03-19 | 想い・雑感
外科では
悪いところを取っちゃえ とか
傷んだ所を修繕しときましょ
とかいうような 原始的で野蛮な手段を用いて
治療を行うことが多い

この手仕事 手術は
体の一部 局所に対して 治療を行うものながら
全身麻酔をかけて手術をするということになれば
体の一部だけの問題でなく
体の調子 体力 合併症(高血圧、糖尿病、心疾患・・・)の有無
などと体全体を見回してみて
手術可能かどうかを判断することになる

この中で 調子とか体力というもの
つまり手術に耐えられるかどうかというもの
を判断するのは厳密には不可能だ
まあ普通に歩けて 階段なんぞ上れるようなら合格だろう
とか うん 元気そうだね
というような ぼんやりしたところに 判断の根拠が置かれたりなんかする

ぼんやりとした根拠などというと
いい加減な感じがするが
生きていると このなんとなく感じるものが 意外と重要だったりする
そこの感受性を高めるために 経験をつんでいるのかもしれない

漢方診療というものをかじって
陰陽五行説などというのを聞くと 煙に巻かれたような気がするが
それこそ長~い時間を経て積み重ねられてきた経験則である

一人の人の個性 体質 体力 気力などを見たうえで
これが良かろう という処方(さまざまな生薬の様々な組み合わせ)
を服用してもらうというもの

つまり病名に対して薬が出るわけではなくて
ある個人の全体の調子に対して 薬がきまる

全体の調子を診る という点で
外科医にとって漢方診療というのは
意外と親和性があるように思う