Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

カレー好き

2006-04-15 | 想い・雑感
 私は、小さい頃からのカレー好きである。
 小学生頃までは、毎週土曜日をカレーの日にしてもらっていた。
 時にはつい食べ過ぎて、吐くほどであった。

 学生時代には、自分でもカレーを作ったりした。

 留学していた頃に、料理上手の医師と出会い、その影響で私も少しはカレー以外の料理を作るようになった。そうなると、調味料のことを考えたり、成分を少し気にしたりする。一つの料理の中には、いろいろな成分が含まれている。

 例えば、私の好きなカレーの中には、ターメリックが含まれている。そのターメリックがウコンのことであるのは最近知った。サプリメント花盛りの現代では、ウコンも人気らしい。おいしく食べる食事の中に含まれている成分を、わざわざそれだけを取り出して摂取することが本当に正しいあり方なのだろうか。少なくともかなり不自然である。

 良いといわれる成分のみをとりだして、摂取することがどれだけ体にとって有効なのだろうか。さらには、高いお金を払ってまでサプリメントに走るのにどれだけの価値があるのだろうか。

 普段食べる食事を作ることくらい、それほどの手間ではない。本当に健康を考えるならば、運動とともに食事のことを考えた方がよい。それに、カレーと言ってもいろいろなカレーが有り、それを知るだけでもちょっぴり豊かな感じがする。健康で少し文化的?な生活だ。

虫歯予防

2006-04-13 | 想い・雑感
 フッ素が虫歯予防に効くことは比較的よく知られた事実である。米国では公共用水の約65%にはフッ化物が添加されているそうである。その米国の研究者が、フッ素摂取と骨肉腫との関連の可能性につき報告した。

 フッ化物は骨に取り込まれ、特に骨の成長が速い時期には骨中に蓄積する傾向が高いそうである。

 研究では、フッ素添加の影響を最も受けやすい小児に特に注目し、20歳までに骨肉腫が発現した人を分析対象にしている。

 その結果、6-8歳の間に、つまり小児にとって重要な成長期に高濃度のフッ化物を摂取した摂取した男児における20歳までの骨肉腫発現頻度は、摂取レベルが最低であった男児に比べて5.46倍高かった。ただし女児への影響は認められなかった。

 この報告や、最近出たポリフェノールの取りすぎに対する警告などの例を出すまでもなく、どんなことにもよい面があれば悪い面もある。本当に自分や家族の健康を考えるならば、それほど徹底した調査に基づいているとも思えないメディアの健康情報に右往左往することなく、食生活も含めた生活習慣全般をじっくり考えた方が良さそうだ。

 ただ、上記の報告も、大規模な調査ではないので完全に信用してかかることも慎むべきであろうが、危険性の可能性が指摘されたのならば、虫歯予防には歯磨き粉にフッ化物を添加するくらいにしておくのが良いかもしれない。

心身一如

2006-04-12 | 想い・雑感
 東洋にしろ西洋にしろ、古来からの医療というものは、人全体を観てきたと思われる。

 日本において心身一如という言葉がいつから使われ出したかは知らないが、この言葉は伝統的医療がもつ基本的精神を、よく表しているように思う。

 人の体をどこまでも細分化し分析を加えていく、科学的と言われる現代の医学分野が大きく医療を発展させてことは事実である。しかしだからこそ、心と体が不可分な関係にある事実もしっかりと見つめることにより、さらに医療の質を発展させていくことができると思う。

 心療内科という、体の異常とうい形で表現される心の問題に焦点を当てた分野がある。さらにその分野の発展を望むが、心身相関という考え方は、その道の専門家だけが考えればよいわけではなく、すべての医療者が持つべき思考手段と思う。

 治療を行う上で、患者さん自身の心の状態も非常に重要だという認識があれば、自ずと接する態度にも温かさが出てくるはずである。

 また、情動をコントロールすることにより、体調を整えていくという方法論も発達していくだろう。

 心を分析する方法は、まだ我々の手にはほとんどないが、心の有り様が体に大きな影響を及ぼすのは間違いない。心から体を見つめる目もぜひ養っていきたい。外科医らしからぬかもしれないが…。

水の事故

2006-04-10 | 想い・雑感
 病を得て死を迎える、というのが普通の流れであるが、事故の場合は突然死がやってくる。特に子供の事故死は、これからという時にいきなりだから、なんともやりきれない。残された親は断腸の想いであろう。

 小児科に、プールで溺れた子供が運ばれてきた。スイミングスクールに行っていて、気がついたときにはプールに浮いていたとのこと。救急搬送時には心肺停止状態。小児科医のがんばりで、心拍は再開し、人工呼吸器が装着された。

 心肺停止状態が10分はあったと聞いたので、回復は難しいかもしれないが、何とか元に戻ってくれと願わずにはいられない。元気な子に育ってくれとスクールに送り出したであろう親は、気持ちのもって行き場がないであろう。

 普段、子供を送り出すときに、親は事故のことなど考えもしないだろう。しかし、ほんとうに何が起こるかわからないのが世の常。せめて、家族や職場、近所の方との挨拶くらいは、笑顔でかわしたい。

いただきます

2006-04-09 | 想い・雑感
 太陽は毎日多くのエネルギーを地球に降り注いでくれる。

 太陽の光で人は体を温めることは出来るけど、そのエネルギーを直接体内に取り込んで利用することはできない。植物が太陽エネルギーから、人がエネルギーとして利用できる形に変えてくれるのである。

 またビタミンCなどは多くの動物が体内で合成することが出来るそうだが、人は作ることが出来ない。だから他の動物などが作ったビタミンCを取り入れる必要がある。

 現代のように、サプリメントや栄養補助食品のようなものを利用することが一般化してくると、あまり認識出来なくなるが、本来食事は多くの生き物や自然の命を取り入れるということなのだ。つまり、活動に必要なエネルギー、体を構成する栄養素、そして代謝をスムースに営むのに必要な物質を自然の命から「いただいて」生きているのだ。

 レストランなどでみていると「いただきます。」と言って食事をはじめる人が少なくなったような気がする。食事の中の命を見つめ、あなたの命をいただきますという感謝を込めて体に納めることが大切と思う。

自然のリズム

2006-04-08 | 想い・雑感
 自然にはリズムがある。
 日は昇り、沈む。
 四季は移ろう。
 潮は干満を繰り返す。
 
 生老病死も命のリズムであるならば、老いていくことも自然のリズムである。
 死もまた然り。避けられぬものである。

 それを避けることを医療の目標とするならば、決して達成できない目標である。

 現代西洋医学は、その根っこで、人間を機械とみている(機械論)。
 メンテナンスをし、修理をしていけば、動く機械とみているところがある。

 癌の末期となり、まさに死にゆく人に人工呼吸器をつけるというのは、自然のリズムを押しとどめようとするものであるという面があり、人の体を機械とみている行為という面がある。

 人工呼吸器をつけないというのは、まさに自然に任せることである。人工呼吸を施したからと言って、癌自体が治療できぬステージに来てしまっているならば、回復の見込みはなく、機械で命をもてあそんでいるとも言える。

 人工呼吸器をはずした医師の話題が最近よく出る。この機会に、ぜひ私たち自身の問題として、どう生きるかという問いかけと同時に、どう死んでいくかも少し考える必要がありそうだ。必ず行く道なのだから。


母親

2006-04-08 | 医療・病気・いのち
 もう少し息子の成長を見守っていたいと言われていた方が息を引き取った。
 この方をみていて、母親は我が子のことをいつも考えているということを改めて認識させられた。自分の母親もこんな風に、子供の知らないところで心を砕いていてくれたのだろう。

 手術の時点でstage IVの進行胃癌。
 種々の抗癌剤を組み合わせ、何とか抑えてきた。腫瘍マーカーが上がりかけては治療方法を変えてまた下がるということを何回か繰り返してきたが、今年に入ってもう手が無くなってきた。

 痛みをコントロールし、胸水を抑え、適度な栄養補給を行い、比較的状態は良かったけれど、無くなる3日前から、全身のきつさやいき苦しさを訴えられるようになった。急速に状態が悪くなり、旅立たれた。しばしば病室を訪れていた息子さんは「泣かない。」と言っていたが、どこかで十分泣いて欲しいと思う。

 緩和ケアをきちっとすることによって、無くなる直前まで状態が保たれることが多くなった。そして最後はあっという間に過ぎてしまう。

 全身状態が保たれているように見えても、終末期が近づいている人は、ぎりぎりのところで状態を維持していることが多い。常に急変することを考え、心残りを少しでも減らすように、元気がある時期の時間を大切に過ごして欲しい。


イレウス

2006-04-07 | 医療・病気・いのち
 イレウス(腸閉塞)は、消化管が詰まってしまって、その中を食物、消化液、水分、空気などが通らなくなった状態です。癒着、炎症、腫瘍と様々な原因がありますが、対処の難しいのが癌性腹膜炎によるイレウスです。

 一般的に癌性腹膜炎では、腹膜の広い範囲に癌が飛び散って何カ所にもしこりを作ったり、腹膜に沿って広がったりしています。そのため、イレウスになるときには、腸の閉塞部位が複数箇所になることがよく有りますので対処が難しくなります。たとえば2カ所で詰まると、その間の腸管は物が通らないので大丈夫かというと、腸液が出たり、細菌が繁殖して炎症を起こしたりして腫れてしまい痛みがでることがあります。

 手術によって逃げ道を作る(バイパス手術、腸瘻、人工肛門)こともあります。しかし、癌性腹膜炎になると、あまり長期予後は望めませんので、少しでも体の負担にならない方法を選択する場合が多くなります。鼻から腸までチューブを入れたり、胃瘻を作ったり、腸瘻を作ったりという方法です。

 眼精腹膜炎の治療や対処は本当に難しい。

満開

2006-04-05 | 想い・雑感
 家の周りでは、桜が満開だ。我が家の桜は少し気が早く、もう散り始めている。
 風が吹き抜けるたびに、ひらひらと音もなく散っていく。
 こうなりだすと、一気に葉桜になっていく。
 この桜も、一生のうちで100回も観られないのです。
 光陰矢の如しです。

 「いま」を大切に。

感謝

2006-04-05 | 想い・雑感
 何事に対しても感謝をして生活すると、心が豊かになり幸せになれるとはよく聞くし、きっとそうであろうと思います。

 有り難いという意味からすると、この世に存在したもの、あるいは存在しているものはすべて、その存在自体が奇跡的なものです。目の前のコンピューター、頭の上に光る蛍光灯、朝食のごはん、くるま、友、配偶者、すれ違った人、路傍の草花、聞こえてくる音…すべてが奇蹟的な縁なのです。

 大病から復帰する人、自分の生が残り少ないと感じている人、生死をさまよった人などが、外の風景すべてが輝いて見えると感じることがあるようです。これは、死をとおしてご自分の生あることの有り難さ、周りにある生の輝き、そこに存在することの素晴らしさを、理屈抜きに実感されているからなのでしょう。感謝できる心は、すべてを明るくしてくれるのかもしれません。

 ただ、なかなか感謝といわれても難しいですよね。

 最近、「何をみても、何があっても、常に「ありがとう。」、「ありがとうございます。」と言ったり心の中で思ったりするといいよ。」と言われました。感謝するというのは何となく概念的ですが、ありがとうと言うのは実践です。これならできそうと思い実践し始めました。少しムカッとしたときに、試しにありがとうございますと心の中で思ってみると、何か笑うしかないような不思議な感覚です。

 すべてにありがとうと言ってみる生活。みんなに一度は試して頂きたいと思います。

ビタミンC

2006-04-05 | 想い・雑感
 人間はビタミンCを体内で合成することができませんが、マウスなど多くの動物では合成することができるそうです。ビタミンCを合成する酵素を持っているからです。この酵素を作れないマウスを使って実験したところ、正常のマウスより4倍老化が進むことが分かり、ビタミンCが老化に関係していることが科学的に証明されたとのことです。

 これを聞いてすぐにビタミンCを含んだサプリメントに飛びつく人や、それを売ろうとする人達が盛り上がるのでしょう。でも日本人のほとんどはビタミンCが足りているといわれています。

 余分に取っても、水溶性ビタミンですから、尿に出てしまいます。多く取りすぎると下痢をすることもあります。さらにはあまりに過剰摂取すると発ガン性まで報告されています。

 栄養素といわれるものは、バランス良く取ってこそ体の中で上手に働いてくれます。サプリメントで少ない種類の栄養素を極端に摂取するより、食事で取り入れる方がずっと自然だと思います。また、サプリメントを摂っていることで根拠のない健康感に浸っているひとは、逆に他の栄養に注意が向かず、実は非常に不健康な栄養バランスになっている可能性もありますよね。

身の置き所が無い

2006-04-03 | 想い・雑感
 「もう、今の状態より良くなることは無いのでしょうか?」
 「身の置き所が無くて、もう眠った方が楽かなあ?」
 「眠らないと、悪いことばかり考える。」
 「なんだか段々拡がっているような感じがして。」

 胃癌に対して手術を行い、6~7割の方が5年間しても再発しない。これらの方はもともとそれほど進行していないことが多い。

 残る方は、再発してくる。再発形式によっては、手術により切除出来ることもあるが、多くの場合は、抗癌剤による治療になる。以前に比べて、有効な治療薬が出てきているが、抗癌剤で完治することはまず無く、いずれは末期へと向かう。

 次第に積極的治療より、症状緩和治療の割合が増えてくる。

 さらには、症状を取り除くことも難しくなる。

 そのころになると、最初に書いたような言葉が増えてくる。
 それに対して何かしてあげたいけど、出来ることは無くなってくるし、言えることも無くなってくる。

 緩和ケアの技術は、進歩してきているが、一人の死を技術ではカバーしきれない。提供できる技術が無いからといって、医療者はその場から逃げてはいけない。でも、こうすればいいという答えも見つからない。

家畜のゲップ

2006-04-02 | 想い・雑感
 地球温暖化ガスといえば、二酸化炭素やフロンガスなどしか思い浮かばなかったが、メタンガスも温暖化に2割もの寄与率があるそうだです。そのメタンガスの発生原因のまた2割近くが、家畜のゲップらしい。そんな計算どうやってするのか知らないが、そんなにゲップをするんですね。

 そのゲップに含まれるメタンガスを、数種の微生物を配合した飼料を与えることで大幅に減ることを帯広畜産大の高橋潤一教授らが確認したとのこと。この飼料が普及すれば温暖化防止につながるとともに、家畜の消化機能やタンパク質の利用効率が向上することも分かり、いいこと尽くめのようですが今後の研究に期待したいですね。

 いろいろなアイデアを持ち寄って、地球を守っていけると良いですね。

 それにしても、世界の二酸化炭素排出量の4割を占めるというアメリカと中国は、そういうアイデアを率先して取り入れて欲しいものです。