お腹の手術を始める場合、まずメスを手術介助看護師から受け取り、皮切(皮膚を切る)をするのが最初のステップだ。
昔半身麻酔で胃や腸の手術を行っていた頃は、麻酔が切れるまでに手術を終える必要があり、早さがもっとも重要な技量だったと聞く。その頃は、メスの最初の一太刀で、内臓を傷つけないぎりぎりの深さまで切ることを目指していたようだ。
それが全身麻酔の進歩と、電気メスの出現で変わった。
現在でも、早さは重要なファクターではあるが、しっかりと麻酔科医が全身麻酔をかけ全身状態を管理してくれているので、確実性と安全性の方が当然プライオリティーが高い。 また、電気メスを用いるとやけどを起こす可能性のある、表皮のみ普通のメスで切り、後は電気メスで切開を進めた方が、ずっと出血が少なくてすむ。
手の動きは速い方がよいが、経験が増え無駄な操作がそぎ落とされてくると、急がなくても手術は早くなるし、患者の体への負担も少なくなる。むだがなくなる過程というのは、手術に限らずどんな技術においてもいえることだろう。
ちなみに「メス」というのはドイツ語だろうとずっと思っていたが、どうもオランダ語らしい。英語で言うとknife(ナイフ)になってしまう。手術室でナイフというのはどうも違和感があり、今でも、麻酔科医、看護師、助手に準備を確認し、「よろしくお願いします。」とチームと患者さんと手術の神(私が勝手にきっとそんな神もいるだろうと思っているのだが)に声をかけ、「メス!」の指示で手術が始まる。
昔半身麻酔で胃や腸の手術を行っていた頃は、麻酔が切れるまでに手術を終える必要があり、早さがもっとも重要な技量だったと聞く。その頃は、メスの最初の一太刀で、内臓を傷つけないぎりぎりの深さまで切ることを目指していたようだ。
それが全身麻酔の進歩と、電気メスの出現で変わった。
現在でも、早さは重要なファクターではあるが、しっかりと麻酔科医が全身麻酔をかけ全身状態を管理してくれているので、確実性と安全性の方が当然プライオリティーが高い。 また、電気メスを用いるとやけどを起こす可能性のある、表皮のみ普通のメスで切り、後は電気メスで切開を進めた方が、ずっと出血が少なくてすむ。
手の動きは速い方がよいが、経験が増え無駄な操作がそぎ落とされてくると、急がなくても手術は早くなるし、患者の体への負担も少なくなる。むだがなくなる過程というのは、手術に限らずどんな技術においてもいえることだろう。
ちなみに「メス」というのはドイツ語だろうとずっと思っていたが、どうもオランダ語らしい。英語で言うとknife(ナイフ)になってしまう。手術室でナイフというのはどうも違和感があり、今でも、麻酔科医、看護師、助手に準備を確認し、「よろしくお願いします。」とチームと患者さんと手術の神(私が勝手にきっとそんな神もいるだろうと思っているのだが)に声をかけ、「メス!」の指示で手術が始まる。