著者であるジョン・ブリファは英国人医師ですが、イギリスにおける食事療法、体重管理、健康の第一人者です。
そして、この本自体の内容はまさに糖質制限を徹底して脂肪摂取をこわがるなというものです。
内容の大部分が江部先生や夏井先生の主張とオーバーラップしてしまいます。
それでも、表現や引用が異なりますので、読み終わった時には、自分の知識が分厚くなったような気持ちになりました。
2000円を超える定価ですので、購入をためらう方々のために、初耳の内容だけを列記しておきます。
カロリー制限ダイエットは、コルチゾール濃度を上げるので、体脂肪が増えて体重減少を妨げ、病気に罹りやすくなる。
タンパク質はインスリンの分泌を促すが、グルカゴンの分泌も促すので、インスリンの脂肪生成作用が抑えられる。
タンパク質は炭水化物や脂肪よりも効果的に食欲を満足させる。
炭水化物は血糖値を乱高下させるので食欲を満足させにくい。
炭水化物の摂取は大量のインスリン分泌を促し、インスリン抵抗性を生じさせる。
インスリン抵抗性は炎症とも関係しており、脳の炎症はレプチンの働きを損ない、肥満を発生させる。
中性脂肪の上昇はレプチンが脳に到達するのを妨害する。
糖質制限食は、インスリン感受性とレプチンの働きを改善し、空腹感を覚えずに減量させる。
ナッツ、アボガド、オリーブオイル、肉、卵、バターなどの一価不飽和脂肪酸の摂取は心臓病リスクを低下させる。
スタチンの投与で心臓病リスクは下がるが、それはコレステロールを下げた結果では無く、違うメカニズムが働いている。
コレステロールを下げる新薬 ( ゼチーア? ) が心臓病リスクを変化させるかどうかのデータはまだ発表されない。
低いコレステロール値は高い死亡リスクと関連がある。
果糖は血糖値を直接上昇させることは無いが、様々なメカニズムを通じて、体重増加と健康問題を引き起こす可能性がある。
ダイエットのためには人工甘味料のほうが砂糖より良いことを示す十分な証拠は無い。
人工甘味料が体重増加を引き起こす可能性があることは、動物で実証されている。
牛乳と乳製品の摂取には、子供と大人の骨の健康に関して、メリットは殆ど無い。
ヨーグルトを食べると、脂肪減少が促進される。
ダークチョコ ( カカオ70%以上 ) 二切れはOKかも。
クロム、マグネシウム、ビタミンBは血糖値を安定させて食欲を抑える。
味の素は食欲を刺激する。
有酸素運動は減量に効果無し。
抵抗運動と高たんぱく食が筋力を落とさない減量に効果あり。
最近、高強度間欠的運動が体脂肪を減少させることが分かってきた。