はせがわクリニック奮闘記

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恥じらい型の雌・尻軽型の雌・誠実型の雄・浮気型の雄たちのESS

2016年03月28日 | 読書
前回ハト派とタカ派のESSを紹介しましたが、さらに複雑な例題をアップします。

グループを4つに分けて、以下のように定義します。

恥じらい型の雌 : 雄が数週間にわたる長くて高価な求愛を完了しなければ彼と交尾しない。
尻軽型の雌 : だれとでもただちに交尾する。
誠実型の雄 : 長期間求愛を続ける忍耐力があり、交尾後も雌のもとに留まって子育てを助ける。
浮気型の雄 : 雌がただちに交尾に応じなければ、別の雌を探しに行く。交尾後は新しい雌を探しに行く。

スコアについては以下のように設定する。

子供が無事に育った場合、それぞれの親が得る遺伝的利得を+15点とする。
子供を育てるための食物や、時間や、親がおかさねばならない危険などをカウントしてマイナス20点とする。
長い求愛での時間のロスをマイナス3点とする。

恥じらい型の雌と誠実型の雄のカップルで子供を育てた場合を計算すれば
雌も雄も+15-10-3=+2点となります。

さて、この集団に尻軽型の雌が1頭入り込んできたとしてみると、彼女の成績は抜群です。
長い求愛での時間を省略しますので得点は+15-10=5となり恥じらい型の雌を3点も上回ります。
そこで尻軽型の雌の遺伝子は集団内に広がり始めます。

尻軽型の雌が多数になってくると、浮気型の雄が活躍を始めます。
浮気型の雄は+15点を簡単にゲットして次の雌に走ることができます。
一方、その相手の雌は悲惨です。
+15点はゲットしますが、独りで子育てのマイナスポイントである20点を背負い込むので、合計は-5点です。

そうなれば恥じらい型の雌が増えていくでしょう。
恥じらい型の雌が増えると、浮気型の雄は交尾のチャンスが少なくなります。
この場合ポイントは雌も雄も0点なのですが、雌にとってはマイナス5点よりはずっとマシなのです。

こういう振動が繰り返された時に収斂するESSを計算すると、雌の6分の1が尻軽型で、雄の8分の3が浮気型の状態ということになります。
この数字は人間社会での現実に近いような気もしますが、どうでしょう?

さて、上記のシュミレーションでの最悪なポイントを考えてみました。
それは、恥じらい型の雌と誠実型の雄が、長い求愛期間の末に子を作って分かれた場合です。
子育てを押し付けられた雌が得るポイントは-3+15-20=-8点となります。

交尾のチャンスを考えて見ると雄では誠実型が有利です。
恥じらい型、尻軽型のどちらとも交尾できるからです。
同じように雌では尻軽型が有利です。

結局、雌の場合は、子育てに協力してくれる雄を選ぶことこそが最も重要な作戦のようです。
しかし、うまくいく確立は8分の5しか無いことを覚悟しておく必要がありそうです。

私のタイプですか?
それは秘密です。

まあ、秘密とした瞬間にバレバレのような気もしますが.....


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