はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
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癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

糖質制限食

2013年09月09日 | 糖質制限食


最近、江部康二先生が出版された、医療関係者向けの本です。
これまでに自身のブログで主張してきたことがらを、より客観的に整理してまとめられています。
引用した文献もすべて明記されています。

特筆すべきは、江部先生の、”日本糖尿病学会に対して反省を促す。”というスタンスです。
私が糖質制限を始めた2011年6月頃は、江部先生のブログには学会を非難するような発信は皆無でした。
ターニングポイントは2012年1月の糖尿病学会でしょうか。
”糖質制限食は是か非か”というディベートに江部先生が招待されてからです。
糖質制限食を多数の医者が知ることになったきっかけでした。
ところが、これ以降、学会は様々なメディアを使って、糖質制限に対してのネガティブキャンペーンを展開しました。
江部先生は、それらのすべてに対して、反論されてきました。
しかし、さすがに腹をくくられたのでしょうか、今年の3月に、日本糖尿病学会に、
これまでの食事指導の再考を求める提言を発表されました。

この本でも、そのスタンスをさらに明確にされています。

今年の5月に熊本で日本糖尿病学会が開催されて、”熊本宣言2013”なるものが発表されました。
その一部を緑字でアップします。

治療目標はHbA1Cが7未満
ただし、本当の目標は6未満だが低血糖に注意すること
そして、低血糖の危険性が高い人は8未満を目標とすること。
なんだか、スッキリしない文章ですが、これには訳があります。
糖尿病の患者さんの血糖値を薬物で厳格にコントロールすると、かえって死亡率が上がるというデータが出てきているのです。
低血糖と平均血糖変動幅がからんでいるので、学会としてもこのような苦しい日本語を使わざるを得ないのです。
でも、これって、ギブアップ宣言ですよね。
HbA1C8くらいで治療を続けられた患者さんが合併症を引き起こした時に、主治医はどのように説明するのでしょうか?

糖尿病は放置すると、眼・腎臓・神経などに合併症を引き起こします。
糖尿病網膜症による失明者は年間3000人以上、
糖尿病腎症による新規透析導入者は年間16000人以上、
糖尿病足病変による下肢切断者が年間3000人以上であると報告されており
糖尿病合併症で苦しむ患者さんの数は今なお減少していません。


以前にも、江部先生はブログにアップされていましたが、これらの合併症に苦しむ人々の大半は
まじめに通院を続けてこられた方々なのです。
医者の指導を受けて、3食をバランス良く食べて、カロリー制限をして、運動にはげみ、
それでも改善が不十分ならば、様々な内服薬を処方され、それでもだめならばインスリンを注射された方々なのです。
そのあげくが、失明であり、透析であり、下肢切断なのです。
今回も江部先生は以下の如く述べられております。

スーパー糖質制限食なら、そもそも薬物に頼ることなく、HbA1C7%未満の達成は容易であり、
薬物なしなので低血糖も生じません。
また食後高血糖も平均血糖変動幅の増大もなく、将来の合併症も予防できる可能性が極めて高いのです。
糖尿病合併症で苦しむ患者の数は、今なお減少していません。
この事実を、熊本宣言では反省もなく人ごとのように堂々と記述されていますが、合併症で苦しむ多くの患者さんの存在こそが、
現行の糖尿病治療が決してうまくいっていない動かぬ証拠と私は思います。


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1 コメント

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はじめまして (みかん)
2014-09-18 23:34:06
はじめまして。みかんと申します。
糖質制限の事を知り、糖質オフのスイーツを作ったり糖質制限についての記事をブログに書いています。
まだまだ勉強中なので、はせがわクリニックさんのブログを参考にさせていただたいと思います。よろしくお願いいたします。
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