はせがわクリニック奮闘記

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夏の終わり

2013年09月01日 | 映画




昨日は電気館で、”夏の終り”を観賞しました。
瀬戸内寂聴の自伝的な小説を映画化した作品です。

ネタバレが映画鑑賞の妨げになるどころか、かえって参考となるような作品ですので、内容をアップします。

1922年生まれの瀬戸内晴美は東京女子大在学中の20歳くらいで学生結婚をします。
戦時中は夫の赴任先である北京で娘を出産し、そこで終戦を迎えます。
1946年に内地に引き揚げて来ますが、夫の教え子である3歳年下の青年涼太と恋に落ちてしまいます。
まあ、単なる尻軽女ですよね。
そして1948年、晴美が26歳の時に、娘を残して駆け落ちします。
これも、単なる自分勝手な女ですよね。
この青年が涼太でしたが、夫の予言通り、半年で彼との仲も終わってしまいます。
その後、晴美は京都で一人暮らしの中、少女雑誌などへの投稿を始めます。
1950年に正式に離婚が決定した晴美は上京して作家への道を歩み始めます。

東京の作家や、作家志望者の集まりで知り合ったのが、売れない作家であった慎吾でした。
晴美が30歳、慎吾が40歳の時です。
慎吾は妻子がある身でしたが、自宅と晴美の住まいを行き来します。
慎吾の妻も黙認するような形で、ズルズルと8年が経過します。
当時は妾を持つのが当たり前のような時代でしたが、作家として売れない慎吾に経済力があるはずもなく、
晴美は染色の技術で生計を立てていきます。
慎吾は甲斐性無しですが、自分の妻にも、晴美にも優しく接して、両者から愛されます。
甲斐性無しなのに愛される男の人間性って最高なのかもしれませんよね。
晴美も慎吾の離婚など全く望まずに満足した生活を続けます。

そこに、以前別れた涼太が尾羽根を打ち枯らしたような風体で登場するところから、この映画は始まります。
で、結局晴美は慎吾と涼太を二股にかけた生活を続けます。
またまた、尻軽で淫乱な本性を発揮していますよね。
涼太とも付き合っていることを晴美は打ち明けますが、慎吾の態度は変わりません。
しかし晴美は、人生で言うならば、夏のような季節が終わりを告げようとしていることを予感します。

当時38歳だったはずの晴美を27歳の満島ひかりが演じ、10歳年上であったはずの慎吾を61歳の小林薫が演じています。
なんだか、援助交際のような年齢差ですので、オリジナルな雰囲気とはかけ離れていそうな気がします。
それに、3歳年下のはずの涼太役が31歳の綾野剛ですので、ますますオリジナルな設定とはズレを生じています。

そして、気になったのは、まあ、昔の映画は、皆そうなのかも知れませんが、私に言わせると、”喫煙シネマ”だということです。
作中、何十回も喫煙シーンが流されます。
この映画は喫煙シーン無しでは成立しなかったでしょう。

面白くもなんともない映画ですので、お薦め度は30%くらいです。
ただ、私的には、主役の満島ひかりがメチャクチャいい女でしたので、元は取れたように思えます。

印象的なシーンは、慎吾と別れるように要求してきた涼太に、”彼を愛しているから嫌だ。”と応えた晴美が
”じゃあ、何故、俺と付き合うんだ?”と追求されて答えるシーンです。
”言わせるの?、私に、どうしても言わせるの?.....それは....憐憫よ!”

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