『蠟梅の 透き通る黄の 向こう側』
(ろうばいの すきとおるきの むこうがわ)
『蠟梅の ろうの字書けず 狼狽す』
(ろうばいの ろうのじかけず ろうばいす)
『寒月に しんしんと冴え 雪ならず』
(かんげつに しんしんとさえ ゆきならず)
『うそのよう 我にもありし 成人の日』
(うそのよう われにもありし せいじんのひ)
『襟巻や メタボたりとて 首はある』
(えりまきや めたぼたりとて くびはある)
『マフラーを 巻きて男前 上がるとや』
(まふらーを まきておとこまえ あがるとや)
『山茶花の 白の際立つ めしべの黄』
(さざんかの しろのきわだつ めしべのき)
『冬うらら 今日は満月 見えそうな』
(ふゆうらら きょうはまんげつ みえそうな)
『妹よりの 電話も無くて 冬日向』
(いもよりの でんわもなくて ふゆひなた)
『成人式 固まって行く 寒さかな』
(せいじんしき かたまってゆく さむさかな)
『風花や 見上ぐる空に 雲一筋』
(かざばなや みあぐるそらに くもひとすじ)
『風邪ならず 麺のすすりに くしゃみする』
(かぜならず めんのすすりに くしゃみする)