『風の筋 有るかのごとく 冬田道』
(かぜのすじ あるかのごとく ふゆたみち)
『水仙の 捩じれ立ちたる 曲がり角』
(すいせんの ねじれたちたる まがりかど)
『天駆ける 橇の向こうに 北斗星』
(あまかける そりのむこうに ほくとせい)
『冬の雨 じっとり沁みて 顎笑う』
(ふゆのあめ じっとりしみて あごわらう)
『風の子の 少なくなりし 冬の園』
(かぜのこの すくなくなりし ふゆのその)
『内外の 人を比べて くしゃみする』
(ないがいの ひとをくらべて くしゃみする)
『丑の年 もう矢の如く ひいふうみい』
(うしのとし もうやのごとく ひいふうみい)
『冬苺 咥えし唇 色の増し』
(ふゆいちご くわえしくちびる いろのまし)
『洟垂れも 学も体も 無き浪花』
(はなたれも がくもからだも なきなにわ)
『北颪 ぼけとつっこみ 浪花馬鹿』
(きたおろし ぼけとつっこみ なにわばか)
『番長の のさばる世間 軒氷柱』
(ばんちょうの のさばるせけん のきつらら)
『大寒や 足踏み外して あっあっあ』
(だいかんや あしふみはずして あっあっあ)