俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

掘り炬燵

2009年01月16日 | 俳句

『澄みし空 風花キラリ きらきらり』
(すみしそら かざばなきらり きらきらり)

『歳時記の 表紙破れて 冬の朝』
(さいじきの ひょうしやぶれて ふゆのあさ)

『湯豆腐や 湯気の白さに 隠れけり』
(ゆどうふや ゆげのしろさに かくれけり)

『居酒屋の 奥の座敷の 冬の宴』
(いざかやの おくのざしきの ふゆのえん)

『芒枯れ 大和三山 色茜』
(すすきかれ やまとさんざん いろあかね)

『何よりの 料理と覚ゆ 掘り炬燵』
(なによりの りょうりとおぼゆ ほりごたつ)

『石蕗の花 わびさび心 垣間見る』
(つわのはな わびさびごころ かいまみる)

『切干の 味よく飯は 三杯目』
(きりぼしの あじよくめしは さんばいめ)

『北風や 息上がりたるに いときつし』
(きたかぜや いきあがりたるに いときつし)

『かあかあと 天下を嘆く 寒鴉』
(かあかあと てんかをなげく かんがらす)

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息白し

2009年01月15日 | 俳句

『空の青 高く透き通り 寒日和』
(そらのあお たかくすきとおり かんびより)

『息白く 生きてる実感 ため息す』
(いきしろく いきてるじっかん ためいきす)

『寒の朝 静電飛んで 目の覚むる』
(かんのあさ せいでんとんで めのさむる)

『年明けて 吾子の来るを 心待ち』
(としあけて あこのきたるを こころまち)

『メタボかな オーバーボタン 閉められず』
(めたぼかな おーばーぼたん しめられず)

『目を焼きし 冬の陽射しに 力あり』
(めをやきし ふゆのひざしに ちからあり)

『冬の星 北斗の七星 天地人』
(ふゆのほし ほくとのしちせい てんちじん)

『生垣の 上下目を引く 山茶花よ』
(いけがきの じょうげめをひく さざんかよ)

『学び舎に 風冷たくも 陽は照りし』
(まなびやに かぜつめたくも ひはてりし)


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冬電車

2009年01月14日 | 俳句

『冬ざれて レールの軋み ガタゴトと』
(ふゆざれて れーるのきしみ がたごとと)

『締め方の 同じマフラーの 女の居て』
(しめかたの おなじまふらーの ひとのいて)
  
『内股の 襟巻男 辞書を引く』
(うちまたの えりまきおとこ じしょをひく)

『本を読む 皮手袋の ままの女』
(ほんをよむ かわてぶくろの ままのひと)

『足を組む 族が眠る 冬電車』
(あしをくむ やからがねむる ふゆでんしゃ)

『その足の 短さゆえに 冬温し』
(そのあしの みじかさゆえに ふゆぬくし)

『携帯の 声高乗せて 冬電車』
(けいたいの こわだかのせて ふゆでんしゃ)

『黒装束 眼はキリリ 冬の女』
(くろしょうぞく まなこはきりり ふゆのひと)

『車窓に 浮かぶ己に 冬歪む』
(しゃそうに うかぶおのれに ふゆゆがむ)

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ブログ開設四年目

2009年01月14日 | ごあいさつ

本ブログも、今日から四年目を迎えます。
皆様のご指導・ご声援の程、よろしくお願い申し上げます。
                        千秀

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寒月

2009年01月13日 | 俳句

『蠟梅の 透き通る黄の 向こう側』
(ろうばいの すきとおるきの むこうがわ)

『蠟梅の ろうの字書けず 狼狽す』
(ろうばいの ろうのじかけず ろうばいす)

『寒月に しんしんと冴え 雪ならず』
(かんげつに しんしんとさえ ゆきならず)

『うそのよう 我にもありし 成人の日』
(うそのよう われにもありし せいじんのひ)

『襟巻や メタボたりとて 首はある』
(えりまきや めたぼたりとて くびはある)

『マフラーを 巻きて男前 上がるとや』
(まふらーを まきておとこまえ あがるとや)

『山茶花の 白の際立つ めしべの黄』
(さざんかの しろのきわだつ めしべのき)

『冬うらら 今日は満月 見えそうな』
(ふゆうらら きょうはまんげつ みえそうな)

『妹よりの 電話も無くて 冬日向』
(いもよりの でんわもなくて ふゆひなた)

『成人式 固まって行く 寒さかな』
(せいじんしき かたまってゆく さむさかな)

『風花や 見上ぐる空に 雲一筋』
(かざばなや みあぐるそらに くもひとすじ)

『風邪ならず 麺のすすりに くしゃみする』
(かぜならず めんのすすりに くしゃみする)

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老の春

2009年01月12日 | 俳句

『風花の 光溢れて 天地人』
(かざばなの ひかりあふれて てんちじん)

『一段と 涙脆きや 老の春』
(いちだんと なみだもろきや おいのはる)

『朧なる 日々過ぎ去りて 松明ける』
(おぼろなる ひびすぎさりて まつあける)

『美しや 椀に残りし 人参よ』
(うつくしや わんにのこりし にんじんよ)

『寒の日は 膝の泣く音 聞こえけり』
(かんのひは ひざのなくおと きこえけり)

『膝掛けの 恩恵無くば 心寒』
(ひざかけの おんけいなくば こころさむ)

『湯ざめには 風呂に入らぬ 策がある』
(ゆざめには ふろにはいらぬ さくがある)

『成人の日 酒解禁に あらずして』
(せいじんのひ さけかいきんに あらずして)
 
『冬ざれて 深こう坐るや 麻生さん』
(ふゆざれて ふこうすわるや あそうさん)

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冬の虹

2009年01月11日 | 俳句

『空眺め 北の寒波に 思い馳せ』
(そらながめ きたのかんぱに おもいはせ)

『寒晴を 望む明日は 満月ぞ』
(かんばれを のぞむあしたは まんげつぞ)

『鏡割り 明日は必ず ぜんざいか』
(かがみわり あすはかならず ぜんざいか)

『門松を 取りたる跡の ものさびし』
(かどまつを とりたるあとの ものさびし)
 
『雪の世に 黒光りする 寒鴉』
(ゆきのよに くろびかりする かんがらす)

『寒椿 雪の重しを 降り落とし』
(かんつばき ゆきのおもしを ふりおとし)

『敷松葉 雪の隙間に 顔を出し』
(しきまつば ゆきのすきまに かおをだし)

『雨女 冷たさ増して 雪女』
(あめおんな つめたさまして ゆきおんな)

『冬深し 雪のニュースに 事欠かず』
(ふゆふかし ゆきのにゅーすに ことかかず)

『見るよりも 見えねばならぬ 冬の虹』
(みるよりも みえねばならぬ ふゆのにじ)


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松過ぎ

2009年01月10日 | 俳句

『松過ぎの 元に戻らぬ もどかしさ』
(まつすぎの もとにもどらぬ もどかしさ)

『日向ぼこ じっとしてても 陽はあたる』
(ひなたぼこ じっとしてても ひはあたる)

『寒き夜に タロウは要らぬ イチロウも』
(さむきよに たろうはいらぬ いちろうも)

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初場所

2009年01月09日 | 俳句

1月9日は風邪の日だそうです。
なんでも、江戸の名横綱「谷風」は、風邪で亡くなったとか。
『風邪の日に 谷風勝てぬ 風邪を引く』
(かぜのひに たにかぜかてぬ かぜをひく)

『丹前着りゃ カレーうどんの 汁撥ねて』
(どてらきりゃ かれーうどんの しるはねて)

『和辛子の 鼻に抜けたる おでんかな』
(わからしの はなにぬけたる おでんかな)

『おでんとは ロールキャベツと 覚えたり』
(おでんとは ろーるきゃべつと おぼえたり)

『初場所や 引退迫る 審議会』
(はつばしょや いんたいせまる しんぎかい)

『戀ひ戀ひて 生きてあらめや 七草まで』
(こひこひて いきてあらめや ななくさまで)

『先達を 偲んで咲くや 寒椿』
(せんだつを しのんでさくや かんつばき)


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おでん

2009年01月08日 | 俳句

『味深し 七草粥も 三杯目』
(あじふかし ななくさがゆも さんばいめ)

『万葉の 若菜摘む音 聞こえけり』
(よろずはの わかなつむおと きこえけり)

『色と味 滲み込むほどの おでんかな』
(いろとあじ しみこむほどの おでんかな)

『咽喉痛し 家でするなり 襟巻を』
(のどいたし いえでするなり えりまきを)


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人日

2009年01月07日 | 俳句

『我が部屋は 乱れに乱れ 松の内』
(わがへやは みだれにみだれ まつのうち)

『人日や 飛び来る蚊をば 殺生し』
(じんじつや とびくるかをば せっしょうし)

『我が手相 米印ありて 春を待つ』
(わがてそう こめじるしありて はるをまつ)

『若菜摘む 我が衣手は なけれども』
(わかなつむ わがころもでは なけれども)

『今日までか 明日も続くか 寝正月』
(きょうまでか あすもつづくか ねしょうがつ)

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泣初

2009年01月06日 | 俳句

『初暦 取り戻せしや 日常を』
(はつごよみ とりもどせしや にちじょうを)

『泣初の 留まる気配 未だなし』
(なきぞめの とどまるけはい いまだなし)

『昼飯に やっとありつく 五日かな』
(ひるめしに やっとありつく いつかかな)

『この五日 六分の狂気 残るのみ』
(このいつか りくぶのきょうき のこるのみ)

『春着着る 吾子に会いたし 顔見たし』
(はるぎきる あこにあいたし かおみたし)

『鰤刺身 三日も食べれば もう充分』
(ぶりさしみ みっかもたべれば もうじゅうぶん)

『年新た 日新たにして 初暦』
(としあらた ひあらたにして はつごよみ)

『正月も 明けて万物 寒に入り』
(しょうがつも あけてばんぶつ かんにいり)

『水仙や 春の気配の 満ち満ちて』
(すいせんや はるのけはいの みちみちて)

『願わくば 雪間の草の 春を見ん』
(ねがわくば ゆきまのくさの はるをみん)


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恵方

2009年01月05日 | 俳句

『雲間より 顔出す初日 笑顔生む』
(くもまより かおだすはつひ えがおうむ)

『冷めて咲く 浪花の城の 蠟梅や』
(さめてさく なにわのしろの ろうばいや)

『寝正月 何か悪しこと したるかな』
(ねしょうがつ なにかあしこと したるかな)

『我が恵方 東西南北 天地人』
(わがえほう とうざいなんぼく てんちじん)

『足袋履かぬ 着物姿の 三が日』
(たびはかぬ きものすがたの さんがにち)

『雑煮餅 半分だけで 事足りて』
(ぞうにもち はんぶんだけで ことたりて)

『寝正月 ごろりごろりと いつまでも』
(ねしょうがつ ごろりごろりと いつまでも)


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凧の糸

2009年01月04日 | 俳句

『正月や 着物三日目 日本人』
(しょうがつや きものみっかめ にほんじん)

『相棒も HEROも見たき 三が日』
(あいぼうも ひーろーもみたき さんがにち)

『人形の 足を折っても 三が日』
(にんぎょうの あしをおっても さんがにち)

『初夢や 都府楼跡の 初の雪』
(はつゆめや とふろうあとの はつのゆき)

『正月や 三日もやれば 飽きて来る』
(しょうがつや みっかもやれば あきてくる)

『正月や 鯨ベーコンの 油過多』
(しょうがつや くじらべーこんの あぶらかた)

『日の丸の 数の少なき 三が日』
(ひのまるの かずのすくなき さんがにち)

『三が日 写メールのみの 訪問者』
(さんがにち しゃめーるのみの ほうもんしゃ)

『年玉を 用意すれども 取りに来ず』
(としだまを よういすれども とりにこず)

『何もせず 何も無かった 三が日』
(なにもせず なにもなかった さんがにち)

『凧の糸 切れてる如き 日の本よ』
(たこのいと きれてるごとき ひのもとよ)

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嫁が君

2009年01月03日 | 俳句

『年明けて ほのかにうれし 嫁が君』
(としあけて ほのかにうれし よめがきみ)
              嫁が君=ねずみ(正月三が日、ネズミのことを言う)

『めでたさも そこそこありき お正月』
(めでたさも そこそこありき おしょうがつ)

『吾子の来ぬ この正月の 味気なさ』
(あこのこぬ このしょうがつの あじきなさ)

『初風呂に 入り過ぎだと しかられて』
(はつぶろに はいりすぎだと しかられて)

『しにそびれ いきながらえて 去年今年』
(しにそびれ いきながらえて こぞことし)

『何もなく 嫁と二人の 三が日』
(なにもなく よめとふたりの さんがにち)


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