新年を迎えるにあたり、「新御霊」という今年鬼籍に入った方々の家を回り御焼香する習わしがある。
新御霊は長野県でも松本を中心に狭い範囲で行われている年末の行事である。
新しい霊は正月に家に帰るとの言い伝えから、新仏の家では12月初旬から御棚を作り先祖を迎える準備ををして待つ。
近所に今年は4件の御不幸があったので新御霊に回った。
「お寂しいお正月でございます」と当主に挨拶をして、仏前の遺影に向かって手を合わせると、在りし日の姿が目に浮かんでくる。
寒気団が攻め込んで雪国では雪が降り続いているらしい、風がサッシを鳴らしてきしむほどである。