けんちゃんが職員室のドアに激突して、突き指した。
と、そんなわけで、代わりに、はあい、僕の子猫ちゃんたち、藤川だよ~
みんな、お待たせして、ごめんね。
しかし、ドアに激突して突き指だなんて、どんなぶつかり方したんだ。。。
第一関節、腫れていないけど、痛みがあるんだと。で、パソコン打てないんだって。
見得はって湿布してないんだよ。。。
悪いけど、やっぱり男のケガは、喧嘩、それもタイマン。
これ以外になにがあるんだ?
・・・。
あ、隣にいる匿名希望も意味の無い東山先生に叩かれた。。。
ケーキ屋ケンチャンどんどこ号(どんな名前だ・・・)を盗んだ犯人をぶちのめしちゃったので、タコ壺保健室に運び込んだ。
ものの見事に青タンを顔面に作り、鼻血を止めるために脱脂綿を鼻に突っ込まれたチャリどろぼーは、ここいらでは見かけたことがないが、俺にはかすかに見覚えがあった。
誰だっけ・・・こいつ・・・。
「全く、何で俺様のチャリ盗んだわけ」
けんちゃんは、ベッドの脇に座ってどろぼーに声をかけた。
「悪いが、あれは有名チャリで、盗まれてもすぐ通報されて、速攻犯人確保、無事チャリは戻ってくる、というのが自慢なんだ」
「悪趣味なことでも有名なパン屋のけんちゃんどんじゃらほい号だし、それを盗むおまえも相当な悪趣味だぞ」
と、俺が付け足してやったら、けんちゃんに肘鉄を食らわされた。
どろぼーは、ふ~っと息を吐くと、
「盗んだんじゃありませんよ、頼まれたんですよ」
と、言うじゃないか。
俺はムカついたね。どこの世界に他人のチャリを勝手に乗って、
「頼まれた」
という言い訳があるか。んで、
「てめえ、吹かしてんじゃねぞ、こりゃあ。。。」
と、えりくびをつかんでもう一発殴ってやろうとしたら、止められた。
・・・。
すんません、ほんと、すんません。。。
「誰に頼まれたの?」
匿名希望もへったくれもない東山先生が、青タンに氷を当てながらたずねると、
「背の高い、肩にからすをとまらせた男の人ですよ」
と、答えが返ってきた。
「か、からす~?」
なあんだそりゃ。。。
おっと、授業だ。
次は、えーと、3の2のリーディングだ
またね、子猫ちゃんたち。。。愛してるよ~