全国の神社の総数は約八万社といわれ、その約半数近くが八幡神社という。その総本社は宇佐八幡社でご祭神誉田別命は第十五代応神天皇とされている。戦中まで武神としての信仰が厚く、その神使は鳩として知られている。鳩といえば現在では平和の象徴とされる。どうして八幡神社の神使は鳩なのだろう。
宇佐八幡神である応神天皇の神霊は、山頂の巨石から「金の鷹」となって姿を現し「鍛冶の翁」、「三歳の童」へと姿を変え後に「金鳩」となったと伝わる。また宇佐八幡から石清水八幡宮へ分霊する際、源氏が鶴岡八幡に祈願した際にも金鳩が現れたという。
こうした伝承から鳩が八幡神の神使戸なったというが、その伝承については詳しくはわからない。幡と鳩との音が近いからともいう。
武神と平和の相反する象徴としての鳩。初夏の日差しを浴び水を求めて羽を休める穏やかな姿があった。