師走の半ば過ぎから鏡開きまでのひと月はまさに日々忙しない。小売業と神職のハイブリッド生活の道を進むこ早15年。一時期師走になるとやや鬱に入ってしまうような年もあったが、慣れとは怖いものでひと月の行事を心なしか穏やかに受け入れられるようになった。
主だったところでは、冬至、クリスマス、年末前の大掃除、御節、年越しそば、大祓、棚替え、歳旦祭、年始商戦、棚卸、成人式、そして鏡開きとなる。
忙しないに尽きる。りっしんベンはは心を表し、亡くなると書いて忙しい。そういった様を忙しないという。
ところで『忙しい』と『忙しない』は同義語で、忙しないの『ない』は否定打消しの『無い』ではなく、強調する接尾語。『せつ(切)ない』『はした(端)ない』といった形容の接尾語。
一方打消しのないの使い方では「そっけない」「あじけない」など『名詞+ない』=形容詞を形成する。
見分け方の一つにないをなしに置き換えて意味がつながるかどうか考えるとよい。
味気なし、素気なしとはなるが、忙しなし、はしたなしとはなりにくい。
忙しく忙しないとは言わないが、忙しい忙しいとは口にはしている。
立春に向け、心新たに日々過ごしたいと願う。今年の節分は2月2日です。